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ミュークルドリーミー 第24話 「パワーアップな文化祭」 感想

ミュークルドリーミー 第24話 「パワーアップな文化祭」 感想

波乱含みの文化祭から思いもよらない展開に…!

静かに広がり始める悪い夢!謎の杉山仮面の参戦で更に加熱する物語!

ゆめ達にとっては中学校生活で最初の文化祭なので、何時も通り混沌としつつ騒がしくも楽しい文化祭で終わるかなと思っていたんだけどね。そしたら思っていたよりもずっと早い杉山先輩の闇堕ち?と言っていいのか迷うところなのだが、見事に杉山仮面と化してしまい副題になっているパワーアップの意味を噛みしめた次第です。ゆに様陣営の方も大きな変革の時を迎え、悪夢の広がりという意味でもパワーアップな回でした。

ユメシンクロによるブラックアビスの浄化も初めて失敗し、青井先生の悪夢を払拭できないままの引きもこれまでにない新しい展開。でも、やっぱりあれですね。普段底抜けに明るく、また一見完璧に見える人ほど心の中に溜め込んでしまう傾向にあり、いざ一度転落すると通常以上の落ち込みになるのかなと思う。青井先生の言葉を借りると曰く「先生だって普通の人間」。

当然これは杉山先輩にも当てはまる。成績優秀スポーツ万能。温厚で人望があり誰からも好かれる生徒会長で、少し前まではテニス部部長も兼任し私設応援団が学校の部活動として公認されるレベルの人気者。まさに絵に描いたような完璧超人で少女漫画におけるヒーロー像そのものな存在。それが杉山先輩の人物像であり、実際作中の多くのキャラが彼に抱く印象も幼馴染の百合先輩を除けばこれと大差はないのだろう。

でもこれだけの要素を兼ね備えた存在だから当然どこへ行っても注目の的で気の休まる暇など皆無だろう。杉山先輩の家庭事情の詳細は未だ不明だが、一見完璧に見える先輩も県有数の進学校への受験を控えた難しい年頃であり、加えて文化祭のあれこれが加われば心労がピークに達するのも無理はない。青井先生と同様、生徒会長だって普通の人間であり、未だ心身ともに未発達の少年でしかないのです。

その周りの誰もが気が付かなかった、または目を向けずに見ようとしていなかった彼の本質というか心の隙間を、悪夢の女王様は見逃さずに見事に突いたわけだが、上述したようにこれまでは少女漫画のヒーローとして描かれていた杉山先輩の等身大の姿というか一個人としての人物像が、今後どのように描かれ変化していくか興味深いし、ゆめ達とどのような対立構造を繰り広げてくれるかも見物ですね。

決してギャグ一辺倒というわけでもなかったけど、ギャグメインの本作に混じり始めたほんの少しのシリアス要素。いい夢もあれば当然悪い夢だってある。ゆめにとっては憧れの先輩との恋模様が使命の妨げにもなりかねないし、使命を果たす時が近づいている朝陽とれいコンビの参戦にしても杉山先輩とあらゆる意味で同じステージに上ることを意味していくる。それだけにこれからのミュークルドリーミーがどうなっていくのか本当に楽しみでならない。

ゆに様陣営にとっては朗報!新しき我がパートナー様との運命の出会い!

みゅーちゃん達とは違って生まれ落ちてから長いこと人に拾われることなく放置され、根無し草な暮らしを余儀なくされてきたゆに様にとっては、運命のパートナーとの出会いは本当に喜ばしく嬉しいことだろう。ゆめたちの側からしたら悪夢でしかない現実も、ゆに様とつぎはぎにとっては夢見心地のような現実。ゆに様も苦労人だからね…。そういう意味では本当に良かったと言いたい。

一つ気になるのは今の杉山先輩の状態ですよね。悪夢の女王様に弱っていたところをつけ込まれたのは間違いないと思うが、今の状態が完全に自分の意志に基づいた行動なのか。または周りにも見えてなかった普段の彼の潜在化に眠っていた意識が刺激され強化されているのか。はたまた夢に纏わるあれこれに加担している時だけ一時的にもう一つの人格のようなものが顔を出していて、普段の杉山先輩はこのことを全く認識していない状態にあるのか等々。

それ如何によっても今後変わってくるだろうけど、キッカケを女王に与えられたとは言え、今のところ杉山先輩はしっかりと事態を認識し、自分の自由意志に基づいて行動しているように見える。誰にも言えなかった弱さや見せられなかった苦しさを理解し、分かち合ってくれる存在と出会えた時、杉山先輩はどのように変わっていくのだろうか。そう考えるとゆに様たちとの出会いは杉山先輩にとっても運命的なものだよなと。

だっしふんにゅうの漫才パートで改めて気になった月島まいらの家庭環境

文化祭で開催されたまいら&ぺこっちの漫才は意外にも言ったらアレだけど作中でも初めてと言ってもいいくらいに大好評でウケていたのに、ブラックアビスの影響を受けた青井先生の中止命令で中断を余儀なくされて少し可哀想であった。せっかくいい空気だったのに!ともあれこの漫才パートのくだりで気になったのがまいらちゃんを応援していた女性が映っていた一幕。

最初は一瞬まいらちゃんの母親なのかと思ったのですが、クレジットや他のところを見た感じだとあの女性はどうもまいらちゃんのマネージャーさんのようで。ともあれそこで改めて感じたのがまいらの家庭環境に纏わる描写って他のドリームパートナーと比べても少ないよなと。今回の文化祭にしてもゆめの両親は来ていたし、ときわの双子の弟も来ていた。ことこも彼女の家にお泊りして家族周りがガッツリ描写された回があった。

その一方でまいらに関しては今の所それが殆ど皆無と言っていい。物語序盤でゆめが彼女の家に行ったけど、それ以外では花火大会の時の浴衣に纏わるところくらいしかないもんね。それを思うと今回転機を迎えた青井先生と杉山先輩の二人と、まいらって共通するところがあると思います。一見完璧で明るく華やかな人ほど、その実は内側に溜め込みやすい傾向にある

勉強はちょっぴり苦手だけど人気読モで元気印で一同のムードメーカー的な存在。およそ多くの人が憧れ羨望の眼差しを向ける人気者。そんな彼女の表向きなところでなく内面を見ようとしてくれたのが他ならぬ出会ったときのゆめであったが、今回のキーパーソン二人との共通性に改めてまいらの家庭環境が気になった次第です。人気読モだって普通の人間。夏祭り回のときも思ったけど、この辺りが今後の物語に影響してくることもあるのかもしれない。引き続き留意したいポイントの一つでした。