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ミュークルドリーミーみっくす! 第32話 「今年はダブルでワンワンいちごー」 感想

ミュークルドリーミーみっくす! 第32話 「今年はダブルでワンワンいちごー」 感想

限界突破した朝陽の熱きパッションが迸る!

一年前の「誕生日はワンワンいちごー!」回では、ゆめが杉山先輩への憧憬からくる淡い恋心に一区切りを付け、同時に幼馴染関係の良さを改めて客観的に向き合う回でしたが、今年はアッキーがゆめの幼馴染である朝陽の存在を改めて意識させられる構図となっており、その対照的な見せ方も印象深い回だと思います。昨年との比較で各キャラの成長や環境の変化も見て取れるのも良いな~。

杉山先輩の誕生日が朝陽と同日という設定もあり、今年は彼の周りで生じている変化も見どころの一つだったんじゃないかな。去年はあれだけ仰々しかった杉山ファンクラ部の生誕祭も、今年は本人の意向を汲んだ簡素なものに留めて負担にならないようなものになっていたし、アッキーを筆頭にはるるを祝おうとする杉山家の皆の気持ちが杉山先輩を温かく包み込んでくれていたのも嬉しい。

一方でゆにっちアビスにより過激なパロディネタをやる羽目になった朝陽ではあったが、朝陽も皆に慕われ愛されていることがこれでもかってくらい伝わってきたし、何より幼馴染であるゆめとの二人だけの時間は、今も昔も変わることはなく、他の誰も割って入れない唯一無二の空間として確立されているのが素敵。色々な変化が垣間見えた回だからこそ、変わることのない朝陽とゆめの幼馴染関係の尊さも増すというものです。

朝陽の夢の中でのゆめとの在り方にしても純粋な彼の心根がそのまま表れていて良かった。限界突破して歪められたパッションを迸らせた朝陽の姿があったからこそ、それとは対照的に穏やかでピュアな関係性を夢見る姿もまた引き立っていたのではないかと思います。その上でゆめの隣にいたいという彼の潜在的な願望というか幼馴染からの変化への願望みたいなものも見て取れるのが巧い見せ方でした。

最終的には朝陽と杉山先輩の合同誕生日会の運びとなりましたが、昨年が杉山先輩の孤独感が浮き彫りになるような内容であっただけに、今年は多くの人に祝福され周りの皆との確かな繋がりを感じられる。そんな王道の誕生日エピソード。

朝陽とゆめの確かな繋がりと幼馴染としての不変の関係性。そこにアッキーの想い人であるゆめの近くに幼馴染の朝陽がいることを改めて意識させられるという今後の展開に対する布石も打たれていて仕込みはバッチリ。ここからどのような動きを見せて三者の関係性にどんな変化が生じていくのか。みっくすはここが物語の一つの主題というか軸にもなっているだけに楽しみなのです。

弟であるアッキーの天才ぶりに引け目を感じ、誰にも胸の内に抱える感情を吐き出すことも出来ず、一人で全てを抱え込んでいた去年の杉山先輩のことを思うと、今年の皆に祝福されている様は感無量と言いますか。ゆに様たちと共に暗い部屋でお皿の上に乗った一欠片のショートケーキで誕生日が完結していた去年とはあまりにも対照的で。だからこそ今年の明るさと温かさが際立つというものです。

今回も最初はゆめを連れてくるのが目的で途中で朝陽にターゲットを変えたけど、結果としてゆに達の行動が両者の誕生日会を結びつけるキッカケを生んでいたし、敬愛するはるるを祝う場をゆに達が整えることに貢献したと思うと感慨深さも増すのです。ゆに様たちも今回はみゅーちゃんたちと共にケーキを囲むことが出来て良かったな~。

めでたい誕生日に朝陽にとっては黒歴史ともなるコスプレを再びさせられることになろうとは。HOT LIMIT朝陽の再現を仄めかしながら、前回の文化祭で使用意図が不明なまま流された巨大な竜のオブジェは今回の為の布石だったのですなぁ。まさか朝陽がド派手な赤の衣装を纏って氷川きよし氏の「限界突破×サバイバー」の再現をさせられるハメになろうとは夢にも思わず。

れいくんの限界を超えた発言もこのパロネタに掛かってのものなのでしょうが、去年のアレといい今年のコレといい南川朝陽の南川の姓を取り、西川貴教氷川きよしでいわゆる「川」繋がりの経緯なのかと一年越しに思い至ることができました。

朝陽にとっては黒歴史なんだけど、HOT LIMITの時もバレンタインの女装の時も今回のこれも朝陽はやりたくてやったわけではなく被害者でありやむを得ない事情があってのことなのでね。これも愛されキャラとしての宿命なのかもしれません。制作サイドにも絶対に愛されてるよ朝陽くんは。