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わんだふるぷりきゅあ! 第12話 「私はキュアニャミー」 感想

わんだふるぷりきゅあ! 第12話 「私はキュアニャミー」 感想

まゆの危機に颯爽と駆けつけたキュアニャミーの行動理念や如何に。

キュアニャミーの本格的な顔見せの回でしたが、彼女が参戦するまでの緩急の付け方、話の盛り上げ方が素晴らしい。視聴者目線では概ね彼女の正体に関して察するところではあるけど、こむぎやいろはとは相容れないスタンスを取り、その言動も相まって神秘性を纏った孤高の戦士として存在感を確立することで、作中キャラの目線では本当に謎めいた人物像として映るし、メタ視点とのギャップが特性を浮き彫りにしてくれる。

まゆに重ねて関わってはダメと忠告するところに、ニャミーが一番大切にしているものが何か。彼女の行動理念や目的がどこにあるのかも何とはなしに読み取れる。それを視聴者に伝える為もあってか。今回は特にまゆの心情描写の変遷が克明に描かれていて、二人の繋がりを暗に主張し色んな意味で切ってもきれない関係性であることを改めて示してくれていた。

いろは達が遊びに来た時のまゆの喜ぶと同時に、彼女たちの不興を買わないようまゆが過剰なまでに気を遣いすぎる姿も相まって、常に何かに怯え不安を抱いているまゆの脆さが浮かび上がっていたし、ユキが居なくなることで動悸を起こす。そんなまゆの精神的に不安定な一面が改めて強調され、その様子を俯瞰して見守るユキの構図がその印象をより深く刻み込むものになっていた。

ガルガルの気配を感じて飛び出したこむぎといろはを追いかけてからの流れ。ガルガルに襲われた際にまゆが感じていた焦燥感や漠然とした不安の描き方も丁寧で、それらを積み重ねた上での危機的状況下で颯爽と駆けつけるキュアニャミーがいるからこそ、守護者としての彼女の一面も際立つし、こむぎやいろはとは異なる形でガルガルと対峙する彼女が本当に大切にしていることも見えてくるのではなかろうか。

何よりまゆを助けに入った際の言動や佇まい。いろはやこむぎとは相容れない苛烈な戦闘スタイル等々。あらゆる要素が格好良かったし、一クールに渡っていろはとこむぎの二人のやり方を浸透させ、彼女らのガルガルに対する自愛に満ちた接し方。動物を尊重し相手の気持ちに寄り添う二人の姿を見てきたからこそ、それを真っ向から否定するが如きニャミーの言動もより鮮烈なものとして映り込みました。

大切な人や物を守りたい気持ちは同じ。だけどやり方や考え方は異なる。まゆを傷つけるもの。彼女の身に迫る危険を徹底的に排除し、それが叶うなら他は割とどうなろうが構わない。とそこまで過激で極端なことを考えているかまでは未知数だけど、ここからキュアニャミーがどのような経緯を経てこむぎといろはの側に合流するのかは見ものですね。まゆ繋がりでになりそうだけど残るもう一人がいつになるのかも楽しみ。

ガルガルを極力傷つけないよう立ち回り、相手の気持ちに寄り添う姿勢で戦うワンダフルやフレンディとは異なり、ある意味プリキュアらしく肉弾戦に物を言わせて物理的な攻撃を加えるニャミーの戦闘スタイルは、二人のそれとは相容れない性質のものであり、それ故に抜群のインパクトを伴って一視聴者である私の目に映り込んだ。

猫特有のしなやかさや凛とした佇まい。爪で引っ掻くような攻撃方法に加えて柔軟さを伴いながらもしっかりとした体感や体の伸び縮みも表現されていて、猫の特性を人の姿の戦闘に反映させるにあたって色々と考えられていて練り込まれているんじゃないかなと。そんな制作サイドの気合の入れようが存分に伝わってくるニャミーの大立ち回りでありました。

今週も不安になったときは猫吸いで精神の安定を図り、いろはの友達発言で遠慮がちながらも喜びに打ち震え、ガルガルに襲われた時には物理的に震え上がる。今回はそんなまゆの精神状態の振れ幅が、とりわけ大きな回でもあったのかなと。

まゆの安定と安全には今のところ彼女の気持ちに寄り添ってくれるユキ&ニャミー、そして友達のいろはの存在が不可欠な感じではありますが、今後言葉を交わせるようになった二人の関係がどのように移り変わっていくのか。この辺りも非常に興味深いところです。