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ひみつのアイプリ 第3話 「生徒会のひみつのレッスン」 感想

ひみつのアイプリ 第3話 「生徒会のひみつのレッスン」 感想

踏み出したことで初めて気付けることがある。

アイプリに憧れ自分もそうなりたいという思いは持ちつつも、臆病で自信が持てない自らの気質を自覚してるが故に長年踏み出すことが出来なかったひまり。そんな彼女がアイプリデビューを果たしたものの、それは決して自分の意思に基づくものではなかった。プリティーシリーズ歴代主人公の多くがそうであったように、ひまりもまた幾つかの偶然を経て流されるがままにステージに立った経緯がある。

史上初のバズリウムチェンジを成し遂げるという鮮烈なデビューを飾ったものの、自分の至らなさを自覚する心持ちは変わらないし、憧れのミーちゃんのようになれるという展望を持ち得ない。生徒会プロデュースによる特訓でも突きつけられるのは実力不足な自分の現実で。その生徒会主導による特訓にしても、そこにひまりの主体性があったわけでなく、ここに至ってもひまりは未だ状況に流されるままの自分でいた。

そんな彼女が謎の少女つむぎとの邂逅を経て、未熟な自分のことも見てくれる人がいて応援してくれる人がいることを知り、その人が向けてくれる気持ちに応えたいという思いが自分の中にもあることを知る。実力不足を痛感しながらも、それでもやってみたいという前向きな気持ちを芽生えさせ、初めて自分の意思に基づき自発的に動く姿を見せてくれたのです。

自分の力が足りていないこと。その至らなさを悔しいと思う気持ち。それでもそんな自分を応援してくれる人に応えたいという湧き上がる衝動。これらは全てひまりがアイプリデビューをして、過程はどうあれ勇気を出して踏み出したからこそ感じることの出来た気持ち。引っ込み思案で踏みとどまるばかりの今までの自分ではなく、踏み出したからこそ初めて気付けた得難き経験なのである。

ひまりが自主的にアイプリに取り組む前向きな姿勢と心持ちを、謎の少女ことつむぎとの対面を経て示してくれたのが良かったし、そのひまりをプロデュースする生徒会の面々にしても、ひまりの実力が今ひとつ物足りない認識を示しつつ、会長のサクラを筆頭に技術以上に楽しむことの重要性を説き、ひまりの気持ちに寄り添う姿勢を見せてくれたことが嬉しかった。

生徒会の面々も本当にアイプリが大好きで、アイプリを盛り上げようとしていることが伝わってきたし、ひまりの前向きな姿勢が垣間見えたことも合わせ、非常に清々しく気持ちの良い回だったと思います。奇をてらうことなく王道を征く路線。やはり強い。

引っ込み思案でコミュニケーションに若干の難ありなところはあるが、基本的に真っ直ぐでいい子なひまりなので、やはり自然と人を惹き付け注目の的になってしまうのも主人公たる所以だろうか。現時点でも結構な人数から熱い眼差しを向けられていて、全方位から矢印が向いている感じもあるだけにですね。

ひまり視点では今まではみつきが憧れの存在でしたが、今後アイプリとして活動し交友関係が広がっていくに連れ、どのような変化を遂げていくのかは見もの。と同時に今までは二人でいることが常で、ひまりからの目線を一身に浴びていたみつきが、彼女が変わっていくことに対してどんな思いを抱くようになるのかなとかね。妄想は膨らむばかりなのです。そうは言ってもひまりとみつきの間に割って入れる存在なんて…そうそう現れないと思うけど、つむぎもひまりと何らかの特別な繋がりがありそうだし。