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わんだふるぷりきゅあ! 第1話 「はじまりは『わんだふる!』」 感想

わんだふるぷりきゅあ! 第1話 「はじまりは『わんだふる!』」 感想

みんな元気!みんな幸せ!わんだふる~!

プリキュアシリーズ最新作『わんだふるぷりきゅあ!』のテーマは動物との絆や交流。そして動物も人もみんな友達になれることを主題に据えている。それを表すかのように初回である今回は主人公コンビのこむぎといろはの飼い犬と飼い主という関係を超えた友達のような触れ合い。それぞれの信条描写や仕草が非常に印象に残る作りになっていたかなと思います。

小犬状態のこむぎの時でも、いろはのことがどれだけ大好きであるのかは、その反応や仕草からこれでもかというくらい伝わってきたのですが、人間の友達とは違って異なる種族故に常に一緒にいることは出来ないし、直接言葉を交わして自分の思いを伝えることも叶わない。いろはのことが大好きだから生じるこむぎの葛藤や。モヤモヤした感情。自然と沸き起こるもどかしい気持ち。

そういう描写を経てプリキュアとして覚醒するにあたって人間形態を獲得し、自分の自由意思に基づいて自由に動き回り言葉を発することが出来るようになるからこそ、最期のいろはとの交流時の喜びが、こむぎにとって如何に格別なものなのか。その喜びもこれでもかというくらい伝わってくるのです。元が小犬というのも相まってその純粋すぎる思いがダイレクトに言動に表れているのも好ましい。

まだ初回なのでキャラクターの全てを掴めたとは到底言えないのだが、それでも人間側のいろはが他の人や動物にも優しく積極的に交流を図れる子で、同時に自分の身を危険に晒してでも自分以外の人の為に体を張れる優しい心根の持ち主であることは分かりましたし、こむぎも人間の赤ちゃんとはまた別のベクトルでの純真さや素直さを備えた子であることは十二分に伝わってきました。

元が仲睦まじい飼い犬と飼い主という間柄上、スキンシップも多く心温まる描写も多かったが、こむぎが人間形態になるや否や画的に過激で仲良しの意味合いが若干違ったニュアンスに見えるようになるのも興味深い。今後の話でこむぎがどれほどの塩梅で犬と人の形態を使い分けていくかは未知数ですが、元がいろは大好きっ子で動物なだけにですね。

他の子と仲良くなることへの嫉妬心とか純粋すぎるが故の諍いやすれ違い。言葉を交わし意思疎通が出来るようになったからこその行き違い。そういう弊害みたいなことも起こってくるのかもしれませんね。動物大好きな人が集うアニマルタウンを舞台に、こむぎといろはがどんな交流を見せていってくれるのか。妖精とは異なるパートナーと織りなす様々な「交流」がどうなっていくのか。楽しみにしていきたい。

みんな大好き素敵な世界!キュアワンダフル!ということで犬飼こむぎ、改めキュアワンダフルの堂々たるプリキュアデビューでしたが、狙ったわけではない動物由来の天然のあざとさや仕草はもう反則的なズルさです。まさに純真さを体現したような存在で、見た目や言動の幼さも相まって歴代の動物モチーフのプリキュア達とも違った印象を抱かせてくれる。

後ろの髪の毛のふわもこ感も堪らないし、弾けるような躍動感のある動きにも特徴が出ていて良い。それがこむぎの犬由来の動物的な特徴を表現するのと同時に、大好きないろはと同じになれたことの喜び。言葉を発することが出来るようになり、舌っ足らずながらも自分の気持ちを伝えられるようになったことへの爆発しそうな抑えきれない感情を表現しているように映る。遊ぼうという名乗り口上にもそれが表れているかなと。

ガルガルを浄化するキュアワンダフルが、いわゆる必殺技のような画的に見栄えのするものでなく、言葉と温もりによって包み込むような描き方をされているのも、本作のテーマとこむぎの特徴が表れていたかな。もちろん動物由来のガルガルを物理的に叩きのめすような描写が好まれないというか。積極的にすべきでないという要因もあるだろう。

ただ、プリキュアになる前のこむぎと同じく、自分の気持ちや思いを相手に上手く伝えられない。そのもどかしさを知るこむぎだからこそ、相手の気持ちを汲み取って寄り添うことが出来る。それを何より表したいからこの形になったのかなと思われる。次回以降、フレンディが仲間になって恒例の浄化技を繰り出すことはあるかもしれないが、初回にしてデビュー戦においてこういう見せ方をしたことで、犬飼こむぎ/キュアワンダフルの特性と心情をより鮮烈に見せることが出来ていたかなと思います。

キービジュアル的にも主役勢の一角。猫屋敷まゆとユキ、兎山悟と大福のコンビもそれぞれ初お目見え。トロプリ以降お馴染みとなったプリティホリックの子である猫屋敷まゆは、穏やかで余裕のあるお嬢様的な第一印象とは裏腹に、知らない相手とのコミュニケーションが苦手な感じだし、数少ない話し相手のユキに窘められていて上下関係的に下の立ち位置な感じで。

キュアリリアンのビジュアル的にも本当にクールビューティー系統のキャラだと思っていたのに、初回にして隠しきれない愛すべきポンコツみを感じずにはいられません。これでユキがこむぎと同じように話すようになったら、色々な面でまゆの背中を後押ししたり駄目だしするような間柄になっていくのかしら。それはそれで楽しみだし早く見てみたいかも。

主要キャラ組としてパートナーの大福と共に登場した悟にしても今後どういう立ち位置を確立していくか非常に気になる。いろはの距離感の詰め方が近すぎるのもあって照れる様子を見せてくれていたが、彼女を異性として見ることはあるのかなとかね。こむぎとは別の意味で純粋に他意なく男子の心を揺さぶること言ういろはもなかなか罪作りな御方よ。

あと近年ではデパプリの拓海/ブラペ然り、前作ひろプリのツバサ然り。直近作を見ても主要キャラに男子のレギュラーキャラがいるのも今や珍しくはなくなったが、悟と大福がこむぎ&いろは、ユキ&まゆのように追加戦士枠として男子プリキュアとなるのか?というのもやはり気になるところです。

動物素体でプリキュアはまさに前作のツバサ/キュアウィングが先取りしていたところですが、人間の男子である悟がレギュラープリキュアとなるなら興味深い試みにもなるので。この辺りも含めてですね。わんぷりチームがどのようにして纏まっていくのか。それも見どころとだと思うし楽しみにしていることころです。