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わんだふるぷりきゅあ! 第5話 「つながるキズナ フレンドリータクト!」 感想

わんだふるぷりきゅあ! 第5話 「つながるキズナ フレンドリータクト!」 感想

長い時間をかけて育まれたこむぎといろはの確かな絆の形。

今でこそ飼い主であるいろはのことが大好きで、彼女に全幅の信頼を寄せているこむぎだけど、何も最初から以心伝心のコンビだったわけではなく、出会った当初は互いに探り探りの状態で互いに警戒や気遣いもしあう。そんな当たり前の間柄にあったのですよね。それでも今のような関係性になれたのは、相手のことをしっかり思いやって見守り、長い時間をかけて互いの信頼関係を少しずつ育んできたからに他ならない。

こむぎといろはの馴れ初めと今に至る経緯が更に明かされたことで、いろはの動物に対するスタンスや両親の仕事や実家の稼業による影響をどのように受けているのか。それが改めて良く分かったし、自らの経験則に基づいて動物との接し方を伝え過去を顧みることで、直接言葉を交わして意思疎通できるようになり、より強く深く繋がれるようになった今の二人の在り方。

その尊さも際立つと言うものだろうと。首輪にリードを繋げるというのは、自分の身を相手に委ねるということで、そこに確かな信頼がなければ成立し得ない関係性。リードは信頼の証といういろはの父の台詞は、こむぎといろはの間にある信頼関係を的確、且つ端的に表現していると思うし、犬のこむぎが主人公で動物を題材に扱う本作ならではの特色が色濃く反映されているものだとも感じます。

リードを介して描かれるこむぎといろはならではの信頼関係と唯一無二の在り方。そこから人の姿の時の関係性を描くにあたり、プリキュアシリーズにとっては特別な意味を持つ「手と手を繋ぐ」ことの意義に繋げ、人の姿になれるようになり言葉を交わせるようになったことで、より深く通じ合う二人の関係性を上手く描き出せていたのではなかろうか。

こむぎが最初からいろはにベッタリではなかったというのも然ることながら、いろはの方もこむぎが自分と出会う前に色々なことがあって傷つき、もしかしたら元の飼い主が表れて別れることになるかもしれないことを覚悟の上で、傷ついたこむぎの心に寄り添い、一歩ずつ歩み寄ることで信頼を得ていったことが伝わってきて良かった。

動物全般に対して心優しいいろはだけど、その中でもこむぎはやはり特別であること。長い時間をかけて自分を癒やし包み込んでくれたいろはが相手だから、こむぎも絶対の信頼と好意を寄せるのだとよく分かる。繋いだリードが信頼の形ならば、新たに表れたフレンドリータクトは、より強固に結びついた二人の確かな絆の形。これからも仲睦まじいとか言ってたら、次週早くも定番の喧嘩回のようですが、それを乗り越え更に強く結ばれていく二人の姿をこれからも見せていって欲しいものです。

いろはがこむぎと初めて出会った時の様子から、こむぎが恵まれた環境にいたわけではなく、何らかの辛い過去を持っている可能性は既に示唆されていましたが、今回もそれを更に後押しするような不穏な描写がチラホラ描かれていて気がかりではある。こむぎがいろはと出会う前のことをハッキリとは覚えていないこと。いろはの母親からも元の飼い主がいた可能性を指摘されていること。

これが物語中盤くらいで元の飼い主が、こむぎといろはの前に表れて二人の心を掻き乱すような要因足り得るのか。はたまた現時点では出自がハッキリとはしないこむぎが、実はニコガーデンに由来する特別な立ち位置にいるわんこなのか等々。色々と可能性は考えられそうだけど、天真爛漫なこむぎが曇るようなこともありそうなだけに、この辺りのことは引き続き注視して見ていきたい。

いろはから贈られたお揃いのお散歩バッグを大事に抱え、テンション高めにウキウキでユキに語りかけるまゆが可愛すぎる。某古見さんじゃないけどコミュ症の人は人付き合いが苦手であっても関わりを持ちたくないと思っているわけではないというね。自分から積極的に行くのは躊躇うけど、むしろ向こうから好意的に接してきてくれるなら全力で乗っかることもあるという。

自分もどっちかというとその性質を持ち合わせていると自覚出来るだけに、今回ウキウキで友だちになれる可能性を考え盛り上がるまゆの様子もよく分かるなと謎の共感を抱いてしまったというお話。まゆにとっても今は唯一心を許して自分を曝け出せる相手。安定の猫吸いで心落ち着ける精神安定剤的なユキとは別に、信頼を寄せられる友達が出来たら良いなと思わずにはいられない。