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わんだふるぷりきゅあ! 第7話 「ふたりのフレンドリベラーレ!」 感想

わんだふるぷりきゅあ! 第7話 「ふたりのフレンドリベラーレ!」 感想

繋がる手とリードと交わした言葉がこむぎといろはの信頼の形となっていく。

言葉を交わせるようになったから気持ちを伝え合うことも出来るようになったが、言葉を交わせるようになったから互いに気持ちがすれ違ってしまうこともある。一方的に自分の気持ちを伝えるだけでは、本当の意味で相手に伝えたいことは伝わらないし、相手の言葉に耳を傾け相手の気持ちに向き合わなければ相互理解が深まることもないのです。

傷心のこむぎの相談役として、またいろはとの折衝役というか両者の緩衝材的な立ち位置として、俯瞰的な立ち位置から助言をしてくれた悟の「話し合い」の精神の大切さは、こむぎといろはの二人だけでなく異なる考え方や価値観を持つ相手と分かり合い通じ合う為に何が必要なのか。どんなスタンスが求められるのかを端的且つ的確に言い表してくれていたと思う。本当に頼もしい存在なのです。

元がわんこのこむぎは感情表現がダイレクトで、自分の思ったことややりたいことに忠実で、いろはに対しても大好きな気持ちを真っ直ぐにぶつけてくる。今までもその気持ちをいろはが受け止めて親愛の情を返してくれるのが当然とするところもあったように感じる。しかし、いろはと言葉を交わせるようになり、否定の感情や突き放すような言葉が返ってきたからこそ動揺した側面が確かにある。

一方で無自覚ながらにいろはも自分の気持ちをこむぎに押し付けようとしたところはあったかと思います。彼女にとって動物は大切な存在で慈しみ守るべき存在。とりわけ大切なこむぎは庇護対象であり、こむぎが危険な目に遭うくらいなら自分ひとりが体を張ってでも守ろうとする気質の持ち主である。その精神性は立派で彼女の人柄を表すものであるが、見方を変えればこむぎの気持ちを見ず無意識に蔑ろにしているとも取れるのだ。

だからこそ相手の考えや気持ちをしっかり見定め向き合うこと。言葉を交わせる間柄になったからこそ話し合いをすることが肝要なのだろう。こむぎはただ守られるだけの存在ではなく、いろはの大切にする「わんだふる」な気持ちを尊重し、それを一緒に守るために戦いたいと意思を伝達することで、いろはもこむぎの気持ちを受け取り、二人にとって大切な「わんだふる」を守るため共に戦うパートナーとして通じ合うのが素敵。

こむぎがプリキュアになったキッカケは、大好きないろはとお話して一緒に遊びたい気持ちからのものだったが、悟に改めてどうしてプリキュアになったかを問われるにあたり、自分のかつての境遇からいろはの気持ちや助けられた者の喜びに触れ、自らの体験を基にプリキュアとしての使命に目覚め本能的な恐怖に打ち克つという流れも良かったなと思えたところです。

種族も違えば考え方も異なる。元々信頼関係は気づかれた間柄のこむぎといろはだけど、それでも全てが以心伝心で何事においても最初から上手くいくわけではない。意思の疎通をより深く密接に行えるようになったからこそ大切にすべき精神。相手との向き合い方。それを丁寧に描き二人の関係性や考え方を尊重することの大切さを示してくれたのが嬉しいし本作に対する信頼度も増すというところ。

繋がったリードは信頼の証。これからも色々な困難にぶつかることはあるだろうが、その都度相手のしたいことや尊重すべき気持ちに思いを馳せ、力を合わせて解決していく姿を見せてくれていったら有り難い。こむぎといろはの関係性。その土台となる部分はきっちり築かれたし、ここからますます広がりを見せるだろうわんぷりのこれからが楽しみ。

その可愛らしい見た目に反して実はハードボイルド系の思考や喋り方をする大福の意外性もインパクトが大きかった。見た目が可愛らしいだけでこうだろうと決めてかかるのも、相手をよく見てないことの表れになりかねないのでアレなのですが、それにしても意外なものは意外で長年彼と連れ添ってる悟からしても大福の口調や考え方に驚いていたところからも、その意外性は窺い知れるというもので。

まゆに対するユキの仕打ちは愛情表現の裏返しみたいな感じで何かと察せられるものもあるが、ユキにしても大福にしても、こむぎのように直接言葉を交わせるようにたったとき、どんな言動を見せてくれるのか非常に楽しみであり、今回の大福の一幕でその思いはより強くなりました。それを目の当たりにした際の、まゆや悟の反応もどんなものになるか興味は尽きません。

今回も猫屋敷まゆはコミュ障かわいい。なんでも思ったことをストレートに伝えればいいわけではなく、相手の気持ちに思いを馳せることは大切なことであると、前回と今回のこむぎといろはの姿を通して描かれてきたことではあるが、相手のことを考えすぎる余りに自分の内側に溜め込み、自分の気持ちや本当に言いたいことを何も伝えられなくなるのもまた困りもの。

この辺の塩梅は本当に難しく現実的な側面からいっても考えさせられるところではあるが、だからこそ相手の反応を決めつけたり思い込んだりするのではなく、目の前にいる人のことをしっかりと見て理解する姿勢を持つことが大事なのではないかとね。犬組のいろはとこむぎの基盤はある程度固まったし、ここからは猫組のターン。まゆやユキの内面や意外性は如何なるものか。楽しみである。

わんぷりの映画化決定!秋映画の告知としては時期的に些か早い感じもするのですが、わんぷり映画のコラボ相手というか登場する歴代キュアのことを思うと納得という感じもします。というのも告知映像の中で出てきた「素敵な友達の出番です!って言いました!?」の言い回しは、前作主人公のソラ、そして「ワクワクもんだ~!」って言いそうな朝日奈みらいの決め台詞としてお馴染みのフレーズで。

そう、2024年度に放送するという情報が出たきり音沙汰のなかった『まほプリ2』を、このために持ってきたのかと得心がいった感じもします。まほプリ2と連動する形で映画の公開となるなら、まほプリ2の放送時期も夏か秋になりそうな感じもしますがどうなるか。個人的にまほプリの正当な続編というだけでも楽しみにしていたのですが、秋映画との絡みも出てくるとなると尚のこと楽しみが増します。今年の映画も期待して待ちたい。