ハッピーハロウィンで我が振り見直す。
今や日本においてもすっかり定着した恒例のハロウィン。トロピカる部の面々の仮装の可愛さで目の保養をしつつも面白おかしく楽しい回になるかと思いきや、意外にもまなつが自らの欠点を直視し向き合うという成長回としての描き方をなされていたのが印象的。長所と短所は表裏一体なところがあるけれど、今回はまなつの直情的で考えるよりも前に動く性質がマイナス面に働いてしまいましたね。
まなつの周りを巻き込みながらも皆をグイグイと引っ張っていく牽引力。物事を推し進める行動力は周りの皆を鼓舞して活力を与えてくれるし、何かを成し遂げる為の大きな原動力になっている。それは、これまでの物語の中でも示されてきたことであり、今回のトロピカる部主催のハロウィンイベントに際し、周りの皆が力を貸してくれて期待を寄せてくれているところにも表れている。
まなつの長所が良い方向に働いているところ。積み重ねてきたものや上手くいっていた経験が垣間見えるからこそ、それがマイナス面に働いてしまい失敗した際のダメージやのしかかる責任や重圧にも重みと説得力が伴ってくる。それをまなつが自覚していく中でこれまで上手くいっていたのは決して自分一人の力ではなく、突っ走る自分を周りで支えてくれる仲間がいるからこそだと痛感できたのが良かったです。
まなつの良いところや悪いところ。そのスタンスを理解した上で忠告しつつ、まなつのポリシーでもある今一番大切なことは何なのかということを諭し、背中を押してくれるローラの存在が凄く有難かったし、他の三人もまなつはこういう子で良い子なんだということは分かった上で支えとなるべく忠告を発したり助言を送ったりしてくれている。
この関係性の構築や互いへの理解が深まった今のタイミングだからこそ、まなつも自らの欠点に改めて向き合い克服すべく動くことが出来たんじゃないかなと。人の振り見て我が振り直せではないですが、普段とは異なる姿に仮想して周りに目を向けるハロウィンのイベントの特質も相まって、自らを客観的に注視することが出来た面もあったのではないかと思います。
互いに影響を与え合って支え合う。長所と短所は誰にだって存在するものですし、ローラだって当初は自分の目的の為にまなつ達を利用すると公言して憚らない子でしたが、その後の色々な経験を経て女王としての資質だったり柔軟な考え方だったり周りの皆のことを思いやるような発言をするように変わってきている。大切に思っているからこその助言。まなつに対するローラの理解や思い入れの深さを感じられたことが何よりも嬉しい回でありました。良いハロウィン回だったと思うよ！
近年は仮装という名のコスプレイベントの性質が強まっている気もする日本のハロウィン。ただ、アニメにしろ漫画にしろ創作界隈においては、普段と異なる魅力的かつ刺激的なコスチュームを拝める機会でもあるので楽しみなことには変わらない。狼少女まなつ、フランケン人魚ローラ、海賊さんご、キョンシーみのりん、ドラキュラあすかと吸血鬼くるるん。うむ、みんな個性的で大変よろしい！
個人的には特にキョンシーみのりん先輩が愛らしくて好きです。お札に書かれた「とろぴかる」の文字が彼女の愛嬌を更に増してくれているというものです。まなつに対して世話焼きな一面も見せてくれましたし、ローラみたいにグイグイ前に出てくるわけじゃないんだけど、要所で存在感を刻み込んでいくみのりん先輩の絶妙なキャラクター性を改めて感じたところです。
