制作陣の気合と本気が伝わるパワーアップ＆新フォームお披露目回！
プリキュア中盤恒例とも言えるパワーアップ回だったのだけど、パワーアップ自体や新しい合体浄化技以上に新商品のドレッサーを見せるまでの過程の方に魅せられた回でもありました。シリアスとギャグのメリハリが効いていたし、味わい深い作画や独特の間や空間を見せる為の演出も光っていて、随所に見応えのある画作りが全編通して徹底されていて否応なく見入ってしまわざるを得ない。
戦闘のアクションにおいても劇場版と見紛う程の圧倒的クオリティでしたし、単純に作画が良いというだけではなく凝ったアングルやカット、水しぶきの細やかな表現やシーン毎の一カットの繋ぎといった動画面でも際立つものがあったと思います。それは日常パートにおいても遺憾なく発揮されていて、夢を見る前のまなつとローラのやり取りや部室でヤラネーダと一悶着起こすサマーとくるるんのシーンにおいても活きていたと思います。
今回はとかく作画や演出面に目を引かれてしまうのも納得の内容でしたが、キャラクターごとの個性や本筋の方も見どころ抜群でした。キャラにおいては皆を引っ張るまなつ、まなつに対して深い情愛と依存心を寄せるラメール、自分が率先して動く意思を見せたコーラル、冷静な戦況分析のパパイア、司令塔のフラミンゴとチームの中の立ち位置と各自の成長した姿を見て取れた。
まなつ達に力を託してくれた伝説のプリキュアとあとまわしの魔女様の因縁も仄めかされ、彼女の救済をも願う伝説のプリキュアの願いも相まって、ここから終盤に向けての本作の方向性に対する導入の意味合いもしっかり組み込めていた。以前も少し触れたことあったけどバトラーが魔女様に成り代わってラスボスの立ち位置に収まる真の黒幕になる可能性も高まったかも？
伝説のプリキュアも力を授けて出番終了ではなく魔女様との因縁からまだ出番がありそうですし、夢の暗示したものと合わせて今後の展望に注目していきたい。パワーアップ回や新アイテムはプリキュアシリーズではお馴染みでしたが、今回は内容と気合の入った描写も相まって歴代の中でも屈指の出来栄えだったのではないかと思えました。映像作品としての出来という意味でも素晴らしいので一度は見て欲しい回ですな。
今回は全体的に気合が入っていた戦闘パートでしたが、その中でも特にサマーとフラミンゴの迫力あるカットと動きは印象深く刻まれる。この拳や脚、特に特徴的な蹴り技は流石のタナカリオン担当回と言わざるを得ない。Goプリを見ていた人は懐かしさのようなものを感じたのではないだろうか。
逆にここ数作品の内にプリキュアを見始めて、『Go!プリンセスプリキュア』を見たことがない人がいたら、是非ともGoプリを見てもらいたい。その戦闘シーンに魅せられること請け合いなのである。
まなロラはやっぱりいいぞ。ということで今回もまなつとローラが織りなす二人だけの空間にニマニマだったのですが、今回の内容を見ると尊みに溢れる二人の関係性も示唆的なものを感じる。今回の鍵だった鏡や水は本作を象徴するアイテムでもあると思いますが、今回の話の中で描かれたように鏡や水が何かを映し出すものならば。対照的なものを映し出すものであるのなら。
手鏡とドレッサーの鏡で繋がったまなつとローラ。夢の中で水を通して繋がったまなつと伝説のプリキュア。そして同じタイミングである者の夢を見たまなつとあとまわしの魔女。全てが繋がってくるんじゃないかなと。思うに伝説のプリキュアとあとまわしの魔女も、かつては今のまなつとローラのように互いに信頼を置く仲睦まじい間柄だったのではないかと。
それが何かの原因で袂を分かちこうなってしまっているのではないかと。その鍵を握っているのがバトラーなのではないかと。そんな妄想が膨らむ程には示唆的なものがあったんじゃないかなと思えた次第。仮に伝説のプリキュアと魔女がそんな間柄にあったのなら、まなつとローラの終着点はその二人とは違う道を、未来を選択することになるのではないかとね。
鏡合わせ、人間と人魚。似た要素での結びつきを仄めかされる両者の関係が意味するところは…。ということで今後はこの辺りも念頭に置きながら視聴していけたらいいかなと思います。願わくばまなつとローラの二人にとって幸せで明るい未来が訪れ、伝説のプリキュアが願ったようにあとまわしの魔女に救いがもたらされますよう。
