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トロピカル~ジュ!プリキュア 第33話 「Viva!10本立てDEトロピカれ!」 感想

トロピカル~ジュ!プリキュア 第33話 「Viva!10本立てDEトロピカれ!」 感想

今回のトロプリは怒涛のショートストーリー10本立て!

長いプリキュアシリーズの中でもあまり例のない短編エピソードで構成された今回のお話。基本ネタ回で一つ一つの話もギャグ色が強いものが多かったのですが、秋映画の宣伝の絡みからハトプリ勢をそれとない形で本編の中で出演させたり、バンダイ様の意向により課せられる変身ノルマや商品宣伝に纏わる浄化技ノルマもこなした上で、しっかり作り込んだネタに昇華しているのが素晴らしいし見応えある。

話によってパンチ力に差があったり個々人で突き刺さる内容も異なると思いますが、個人的に気に入ったのは以前にもやったけど更にカオス度の増した入れ替わり回と、キュアくるるん爆誕の夢エピソード、伝説扱いされてるけど未だピチピチのハトプリ勢の変わらないやり取り、後は何かの呪文のような長大さを誇る技名の開発と詠唱の話でしょうか。技名の話に関してはトロプリ出演陣に本当にお疲れ様でしたと言いたい。

さりとて今回に関しては出演者も制作側も物凄く楽しんでやっているなというのが伝わってきましたし、話の流れなどを汲まず制約等も基本的に考慮しなくてもいい事情から、いつもの楽しく騒々しいトロプリの世界観にあってより自由度の高い話として仕上がっていた印象です。短編エピソードとは言えこれだけ凝縮されればお腹いっぱいにもなろうというもの。

冗長さや中だるみなど感じる間もなく矢継ぎ早に繰り出される話の波にただただ飲まれるばかりでした。どこかのエピソードでまなつ達が言っていたように、ツッコミ不在の恐怖とはこういうことだと言わんばかりのボケ倒しの連続でね。あすか先輩やみのりん先輩までトロピカる部のノリに全力で迎合し、ストッパーがいなくなるとこうなるという一例だったのかもしれない。チョンギーレさんもいい味出してました。

トロプリも何気にもう終盤に入り始める時期に差し掛かっており、物語もそこへ向けて動き出していくでしょうし、まなつ達の進路や将来みたいな話を来週やるところを見ても、今後は自由にやりたいことをやるのも難しくなってくると思うので、そういう意味でも今回は良い骨休め回というか息抜き回でもあったんじゃないかな。

今回は本当に盛りだくさんで全てに触れたいけど、とても全てに触れきれないので実際にその目で確かめてみてもらいたい。カオスという言葉だけでは足りない不思議な何かがそこに凝縮されているので是非!色んな意味で挑戦的で意欲的で刺激的な10本立て。存分に堪能しトロピカってしまったのである。エンディングとの落差もまた味わい深い。

まさかのキュアくるるん爆誕!とはならずくるるんの夢オチだったわけだが、おそらく今回限りのネタ変身なのに意外と凝った変身バンクを用意してくる気合の入れようだから恐れ入る。これでも可愛らしさを発揮してくるんだからくるるんは凄いぜ。制作側にもくるるんが愛されているのを感じる一幕でありました。実際に動いて戦っているところも…いつか見てみたい。

秋映画の宣伝の兼ね合いもあっての登場でしょうが、この令和の時代になってハトプリ勢が地上波に帰ってきてくれたことが本当に嬉しい。現実の時間でも10年以上の歳月が経過し、ある意味で間違いなく伝説の存在になっているわけだが、こうして今も変わらぬ姿でいてくれることがどれだけ尊いことか。再放送を見ているので久しぶり感は皆無なのだが、それでも名乗り口上やオープンマイハートでテンションマックスになるのは致し方ないのです。

ハトプリのサブタイを模したタイトルコールだったり本編内におけるえりかの扱いにしてもリスペクトを感じさせる上での愛ある弄りではなかろうかと。10年経っても未だに新鮮。色褪せないハトプリ勢の活躍が今から楽しみになるやり取りでした。秋映画でも色んな意味で魅せてくれるでしょうし公開が待ちきれない。