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デリシャスパーティ♡プリキュア 第29話 「おいしいパラダイス!レッツゴー!クッキングダム!」 感想

デリシャスパーティ♡プリキュア 第29話 「おいしいパラダイス!レッツゴー!クッキングダム!」 感想

大切なものを守るために勇気を出して一歩を踏み出す!

捕らえたナルシストルーの処遇も相まってのクッキングダム初訪問!これまでマリちゃんの話や通信越しで断片的に語られていたクッキングダムの実情がより見えてくるのと共に、クックファイターやスペシャルデリシャストーン。ひいてはシナモンに纏わるマリちゃんたち大人世代の因縁も垣間見えたし、セクレトルーも満を持して自ら前線に赴いたりしていて、後半に向けての布石も打たれていた今回のお話。

大人たちがブンドル団側に流出してる技術などの懸案事項を抱える中で、ゆい達はいつも通りというかいつも以上にテンション高めで、表情や言動もコミカルなものが多く上記のシリアス要素といい塩梅でバランスが取られていたように感じる。

クックファイター見習いのセルフィーユとの出会いを経て、この半年ほどの期間でプリキュアたちが心身ともに成長してるのも感じられましたし、改めて自分たちがプリキュアとして戦いに赴く理由や、大切にすべき精神が何なのかをセルフィーユに説く中で再認識している側面もあったかなと。セルフィーユの目線からプリキュアが強く頼もしく映るのも、彼女たちが勇気を出して一歩を踏み出せばこそで。

誰にだって迷うこともあれば怖いと思うこともある。未知に挑むことはとても勇気のいることで、二の足を踏んで竦んでしまうことだってあるかもしれない。でも、それでも前を向いて一歩を踏み出せるのは、その恐れを上回る程に大切にすべきものを守りたい気持ち。自分が自分らしくあるために。心の底から望んでいることを叶えために。抑えきれない強い衝動に駆られればこそではないだろうか。

他でもないゆいたち自身がそうしてきたように。恐れ立ち止まるだけでは何も変わらない。例え失敗することがあっても踏み込んでみなければ分からない世界や見えない景色が確かにある。伝説の戦士プリキュアも自分と変わらない。悩んだり恐れを抱きながらも一歩ずつ前へ進んでいく。ゆい達の体験談が実感を伴って伝わるからこそセルフィーユに対して響くメッセージになるのだ。

恐れを抱きつつも未知に挑む可能性を切り開く。これは食わず嫌いとか苦手な食べ物にも言えることかもしれませんね。挑む前から何となく苦手とか怖いまでいかずとも何か嫌で立ちすくむ。でも思い切って食べてみると意外といけたり美味しいと感じることもままあるもので。最初の一歩は怖いけど振り切ってみることで可能性の幅が広まったり新しく見えてくることもある。

そういう失敗も含めた体験談。酸いも甘いも噛み締めて色々なことを見聞きし挑む全ての要素が、自身を形作る栄養素となって人の成長を育んでくれる。マリちゃんのクッキングダム行きに迷わず同調し、ゆいたちにとっては未知の世界へ思い切って飛び込んでいた姿も、ある意味ではそれを体現していたと取ることも出来るのかもしれません。流石に得意のこじつけが過ぎるか。

ともあれ物語全体の折返し付近でゆい達がこの半年でどれくらい逞しく成長したのかが見て取れましたし、後半戦に向けての仕込みも随所でなされている感じがして、先行きがとても楽しみになる回でした。ナルシストルーもマリちゃんに対して最後は素直になっていた感じもしたし、終盤も終盤で助っ人参戦するようなことがあったら良いなぁ。

デリシャスマイルを筆頭にクール系キャラの驚愕顔だったり口の中にキャラが居るお馴染みの描写だったり劇画チックなタッチだったりと、各キャラの表情が多彩かつ彩り豊かなフルコースでお腹いっぱい幸せいっぱいになる見ていて楽しい回でした。ゲストキャラのセルフィーユも本当にいいキャラしてましたし、クックファイター関連で拓海と絡むことがあるかどうか。再登場の可能性に密かに期待することにしましょう。

最後の最後に映画宣伝を兼ねてサプライズ要素気味に登場した先輩プリキュアのお歴々。スタプリ、ヒープリ、トロプリの面々に少し懐かしさのようなものを感じつつ、異なる世界で自分たちと同じ思いを胸に戦うプリキュア達の勇姿を知ることで、また一つ勇気をもらい見える世界と可能性を広げながら明日へと向かう活力を得ていて今回の話のテーマに沿う見せ方になっていたのが良かった。

デパプリを含めた直近3世代ではなく4世代が共演する今回の同時上映映画。そうしないとスタプリ勢が外れてしまうくらいの時間が経過したことに寂しさを感じると共に時の流れの速さを実感する次第です。