密やかに伸びやかに

アニメ、PCゲーム、PC関連のニッチな備忘録

ひろがるスカイ!プリキュア 第1話 「わたしがヒーローガール!?キュアスカイ参上!!」 感想

ひろがるスカイ!プリキュア 第1話 「わたしがヒーローガール!?キュアスカイ参上!!」 感想

ヒーローを目指すソラ・ハレワタールの出番です!

作品が始まる前の公式発表の段階からでもシリーズ初となる要素が数多く見受けられる本作ひろプリ。プリキュアシリーズ20作品目の節目を飾る位置付けでもある本作からは、今までにないような挑戦的且つ意欲的な側面が伺える一方で、これまでシリーズが積み重ねてきた伝統や大切にすべき精神はしっかり受け継がれているのも感じられて非常に見応えのある初回に仕上がっていたと思う。

まずもって主人公のソラ・ハレワタールが青キュアにして異世界出身者側であることが、既存シリーズでは例を見ない本作の特徴の一つに挙げられるだろう。ただ、困っている人を見過ごせない優しい精神性や、弱きを助け強きを挫くを地で行く姿勢。自分の中で譲れない強い思いを持ち軸となるべき芯の部分がしっかりと確立されていることは今回だけでも窺い知ることが出来る。

そんなソラのヒーロー然とした精神性や佇まいとは裏腹に、未知の空間に繋がる穴を前にした時の戸惑いや、強敵と対峙した際に見せる怯える年相応な少女の反応も見せてくれていて、異世界側の人間であってもどこにでもいる普通の真っ直ぐな女の子という主人公像やスタンスは本作でも変わることなく健在であることも同時に感じさせてくれていた。

そういった誰もが感じる恐怖や戸惑いや怯え。それらの感情と正面から向き合いつつ、それを受け止めながら毅然と振る舞い自らの信念を貫こうとする姿に、目指すべき目標を胸に抱き正しく理想的なヒーローで在ろうとするソラ・ハレワタールの生き様を。夢を叶えるべく日々を全力で力強く生きる主人公としての適正を見た思いでいっぱいなのです。

最初から全てが完成されているわけではないけど清々しい程に真っ直ぐで気持ちのいいソラの人間性や魅力が凝縮されていて、それが伝わってくる内容でした。オープニングの初代オマージュを思わせるカットだったり、ソラの主人公像のように歴代に連なるイメージを彷彿とさせる一方で、主人公が青キュアだったり虹ヶ丘ましろとの出会いで恒例の「おでこをぶつける」出会いを回避したり。

プリキュアシリーズが育んできた大切な精神を受け継ぎつつ、それに留まることなく常に新しいことに挑戦して可能性を模索し続ける。どこまでも広がる青空のようにプリキュアシリーズの可能性をも広げていこうとするような意欲や挑戦する精神も感じることが出来た初回でした。

変身ヒロインというイメージも根強いプリキュアにあって、あえてヒーローを自称して立ち向かうソラ達の紡ぐ物語がどんな広がりを見せていくのか。20作品目にして20周年に向かう大切な位置付けの本作。正しさとかヒーロー像に関してソラが壁にぶち当たることもあるでしょうが、さりとて新時代の到来を予感させる「ひろプリ」を私も既存概念に囚われすぎることなく楽しんでいけたらいいな。

無限に広がる青い空!キュアスカイ!ということで青キュア主人公キュアスカイの変身バンクが早々にお披露目で穏やかじゃない。個人的に今までの青キュアの変身イメージって静謐さとか癒やしのイメージが結構強いんだけどスカイの変身は開放感や躍動感、力強さを感じさせてくれてチームを引っ張る主人公キュアの姿をここでも体現してくれているように映る。

OPの歌詞にもあった「ひろがる」と「Hero Girl」を掛けたスカイパンチによる直接的な物理浄化技も印象的と言えば印象的でした。これまでもパンチ系の必殺技めいたものを扱う先達はいたけど、一例としてキュアスターのスターパンチもキュアプレシャスのカロリーパンチにしても個別浄化技自体は別にあったので。拳で全てを切り開くところに、シンプルだけど一種のヒーロー像と新時代の可能性を見た思い。

あとキュアスカイの特徴的なポイントの一つにこの片マントが挙げられると思うけど、これ画的にも映えるしヒーロー感を出すという点においては王道を征く衣装でもあると思うので、まだ初回だけど効果的にハマっていたかなと感じたところです。キュアスカイの精神や姿勢がそう思わせてくれるのだろうが普通に格好いい。変身の最後のカットで各プリキュアの個別名が入るのも個人的には好きなところ。

プリキュアシリーズで赤ちゃんと言えばハグプリのはぐたんを思い出す人も多いだろう。自分もやっぱりエルちゃんからはぐたんのことを連想した一人ですが、敵対勢力が特別な力を持つ存在として狙うだけあって、本作の本筋や中核にガッツリ関わってくることは間違いないと思われる。

はぐたんはそもそもの発端になった存在でもあったし、歴代プリキュアを召喚するというある意味チートじみたこともやってたりしましたが、プリンセスエルちゃんがどんな活躍を見せてくれるのか。この一年でどこまで成長していくのかも期待しながら見守っていきたい。いつか映画ではぐたんとエルちゃんがどこかの時空で出会うところも見てみたいものです。