ソラとましろの同居生活の始まりだ!
騎士と姫、恋人夫婦、ヒーローと庇護対象、気の合う友達。ソラとましろの間柄を指し示す言葉は数あるだろうが、手探り状態ながらも互いに少しずつ相手のことや異なる世界の事情を知っていく二人の交流の過程が心地よく見ていて清々しい気持ちに浸らせてくれる。ソラもましろも純粋で芯の部分は真っ直ぐで心優しく相手を思いやれるところは共通しいおり、それ故に打ち解けるスピードが早いのも頷ける。
初の異世界出身主人公キュアというのもあって、こちらの世界の技術や世相に疎いソラが見える反応も可愛らしいんだけど、そのソラの手を取り戸惑いながらも導いてくれるましろの存在もまた頼もしい。困っている人や泣いている子どもを見捨てない。そんなソラの理想とするヒーロー像を、ましろも自然と体現していて二人の共感をより高めてくれている。
幼少期のソラを助けてくれた彼女が憧れる謎のヒーローに憧れ、自らも理想のヒーローであらんとするソラの生き様。そんな理想のヒーローとして在ろうとするソラの考え方や姿勢に惹かれるましろがいる一方で、ソラの方も自らの生き方に影響を受けたましろに惹かれ救われている関係性が堪らない。ましろの反応や彼女がソラに向ける眼差しは、まさにかつてのソラが憧れの人に向けたそれと同じものであり、本人に自覚はなくともソラが理想とする生き様を貫けていることの証左でもあるだろう。
お互いに手を取り時に支えられ時に引っ張る。ソラとましろのコンビ性というか特別なふたりの間柄を掘り下げつつ、本作プリキュアが掲げるヒーローとしての在り方。プリキュアに選ばれる者の資質がどこにあるのかを示してくれるような内容だったかなと思います。何気ない日常の描写、居候として不慣れな同居生活や子育て、ましろからソラへのヒーロー手帳のプレゼント等々。
最初のふたりの関係性を丁寧に掘り下げ描写してくれているのも印象的。速攻でましろのプリキュア化や他の仲間の参戦とはならず、もう暫くソラとましろとエルちゃんが中心になる話が続きそうですが、ソラやエルちゃんが異世界の生活に馴染むというプロセスを踏む必要性というか。異世界出身者にして主人公キュアであるソラだからこその流れでもあるのかなと思える。
今しばらくはソラとましろの微笑ましいやり取りを満喫しつつ、エルちゃんを含めた三人の距離感が近づいていく様を見守っていけたらいいなと。ソラましが早くも私の中で鉄板の間柄で二人の仲が深まっていくところをもっと見たい欲求が日に日に高まっていくのを感じずにはいられないぜ。
最初の時点で既にスカイランドやプリキュアの事情に精通し、エルちゃんの正体に関してもソラたち以上に承知していることを伺わせるましろのお婆ちゃんの正体や物語における立ち位置も早くも気になるところ。プリキュアの身内にして裏事情を知った上で協力してくれる支援者といえば、ハトプリの花咲薫子が思い出されるところですが、意味深な台詞や反応を連発した上で、二人が戦う姿まで観測している彼女の正体や如何に。
身内にスカイランドやプリキュアのことを知っている人がいないと、ソラの活動拠点が定まらずに人間関係や話を広げる土台も不安定になるので、これもソラの異世界出身という設定の影響が出ているところとも言えるだろうか。まぁ追加キュアで同居してた風鈴アスミや追加キュアではないけど一時的に同居してたレジーナみたいなキャラも過去にはいる。まこぴーみたいに一応生活基盤を作り上げてた子もいるにはいる。
ただ、前者は土台が出来てきた中盤くらいのことだったし、まこぴーは登場時点である程度こっちの世界に来てから時間が経過した状態だったのでね。初っ端から異世界に来てしまった直後のソラの場合、後見人ではないけど事情を知った上で後ろ盾になってくれる存在というのはやはり必要なのだろうと。ましろのお婆ちゃん、虹ヶ丘ヨヨがどこまで本筋に絡んでくることになるかも注目して見ていきたい。
当人同士では友達という感覚で今後接していくことになるだろうが、一視聴者としては騎士と姫なソラとましろの関係性も捨てがたい。頼もしく強く在ろうとするソラにしても、現時点で弱さや脆さのような一面を覗かせていて、ましろの方もそのことを察しているあたりに妄想が広がる余地がありすぎる。ソラましマシマシ。今後二人の関係性やパワーバランスがどのような形で落ち着くのかも楽しみなところです。友達からお願いしますと言われて本当に嬉しそうなソラが可愛すぎた。