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トロピカル~ジュ!プリキュア 第28話 「文化祭!力あわせて、あおぞらメイク!」 感想

トロピカル~ジュ!プリキュア 第28話 「文化祭!力あわせて、あおぞらメイク!」 感想

トロピカる部の活動の日々がみのりん先輩にもたらす心境の変化。

登場当初に仄めかされた文芸部時代のみのりん先輩に何があったのか。彼女が抱えていた心の闇というか苦悩していたことが遂に明るみにな回でした。部活内での陰湿な問題とかではなく、文芸部の先輩に身の丈というか現実を突きつけられたが故の主にみのりの心に起因した問題でしたが、以前とは異なり文系部時代の事を重く受け止めつつも、トロピカる部の部員としてプリキュアとしての活動を経て、それが糧となりしっかり前を向けていることが伺えるのが何よりも嬉しかった。

今回明かされた過去の経緯もあり、登場回みのりん先輩が見せていた空想と現実は違うものという考え方やスタンスを取っていた理由も得心がいったのですが、だからこそ空想と同じくらい何を言い出すか分からないまなつ達とのトロピカる日々の中で、かつて欠けていると言われた自分自身の経験を数々の刺激的な体験の積み重ねで獲得し、それを以て過去を払拭する原動力になっていたのが素敵だなと。

今回のコスメ体験にしても普段と違う自分になるという意味合いも込められていたと思うが、現実の中でも自分では思いもよらない未知の体験や、想像も及ばない出来事はいくつも転がっている。そこに飛び込み挑むか否かは自分次第であり、みのりん先輩はトロピカる部とプリキュアとしての活動の中でそれを得たんだものね。だからそれらが文芸部時代の暗い雲を吹き飛ばす光となり得るのだと。

メイクでミラクル!は本作のキャッチコピーにしてテーマでもあるのだけど、自分とは異なる自分や一人でいるだけでは引き出されることのない自分の一面。みのりん先輩の内面の変化とそれらの事柄をあおぞらメイク教室やトロピカる部の仲間と絡めて表現していたのは見事だし、裏方に徹する気質のみのりん先輩が率先して前に出る姿を見られたのも感慨深いものがありました。

この心境の変化こそがまなつ達との交流の中で彼女が獲得したものでもあり、仲間に対して自分の言葉で素直に感謝の気持ちを伝えられるようになったのもそうなのだろうと。登場回やローラとの入れ替わり回の内容も効いていたし、意外と人や周りを良く見ているローラの上に立つ者としての資質というか。みのりん先輩との絡みの中で、そういった一面を見ることが出来たのも良かったかなと思うところです。

自分が思い描いた空想の世界以上に刺激と驚きで満ちた毎日。その積み重ねの先にみのりん先輩がまた筆を執って物語を紡いでくれるようになったら嬉しいし、今のまなつ達との楽しく騒がしい日々をいつか未来の先輩が書いてくれたら良いなと思わずにはいられない。過去を乗り越え成長を遂げていくみのりん先輩の眩しい笑顔が最高に刺さる回でありました。

一般柔道部員の出し物に半ば強制的に駆り出されながらも文化祭に自然と溶け込んでるチョンギーレさんが好き。シェフ魂に火が付いてしまったのかもしれないが、チョンギーレさんは見た目を除けば十分に人間社会でやっていけそうな素養を備えているなと改めて思えました。いや、今作の幹部勢はみんな憎めない良い人揃いなだけに最後にはみんな幸せになってほしいと願ってやまないのである。