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トロピカル~ジュ!プリキュア 第42話 「襲撃!最強のヤラネーダ!」 感想

トロピカル~ジュ!プリキュア 第42話 「襲撃!最強のヤラネーダ!」 感想

大切な人達と出会い共に過ごす中で芽生えた感情と変化。

近づく卒業の日にまなつとローラの別離を思わせる会話、本気を出してきたあとまわしの魔女とバトラーの動向。そして、過去に纏わる話に伝説のプリキュアと対峙するまなつ等々。今回の話を構成する様々な要素からも物語終盤の気配が色濃く漂い始め、来るべき最終決戦に向けての最後の流れに入ったことを肌で感じずにはいられないのである。

トロピカる部としてプリキュアとしてこれまで関わりを持った学校関係者たちから寄せられる認知や信頼。登場当初から変わった彼女たちの姿が積み重ねてきた時間の重みと時の流れを感じさせてくれる。あすゆり二人の関係はその筆頭と言えるだろうし、破壊の魔女として君臨していた魔女さまと若造だったバトラーの過去話にしても、両者が積み重ねてきた時間の重みと関係性を連想させてくれる。

みのりん先輩が執筆している脚本に出てくるロザリアとナッチーの物語は、これからローラとまなつの身に起こる事態というか二人が迎える結末を仄めかしているような気もしますが、よりより結末を追い求めて未だ悩むみのりん先輩が希望するように、現実の二人が思い描く理想的な未来へ向かい、トロフェス公演の演目に反映される形になることを願ってやまないのです。

当初は人間の為に自ら犠牲になる人魚姫の物語をくだらないと一蹴したローラが、まなつ達と共に過ごし築き上げた信頼や思い出を守る為に、絶対と言われる掟に反してでも記憶消去を避ける選択を取るのか。女王となり掟を変えてしまう強権を発動させるのか。はたまた女王になるという当初からの夢を諦めてでも人魚の世界から離反して人間と共に歩む未来を望もうとするのか。

最終的にローラが取る選択がいかなるものになるのかが気になるのと共に、大切な人と積み重ねてきた時間と思い出。それらが織りなす特別な関係性。そして、それがもたらす物語の結末を非常に意識させられる最終盤の導入部でした。こうなるとバトラーも謀反を起こすというより破壊の魔女さま時代の魔女さまに焦がれている忠誠心の方が強いタイプの部下で決着しそうな感じも出てきたかな。

大切な人と積み重ねてきた時間。そこから生じる大切な思い出と繋がりを重視し、行動の原動力としている点において、プリキュア側とバトラーはそう変わらないのかもしれない。ともあれシロナガスクジラヤラネーダの中で年越しすることが確定してしまった我らがまなつが、伝説のプリキュアと対峙し過去の経緯を知った上でどのような決断を下すのか。彼女の主人公力にも期待したいところです。

雨降って地固まるというか固まりすぎてしまった特別な二人の関係性。あすか先輩と百合子先輩の仲睦まじい姿を見ることは序盤の頃からの願いでもありましたが、確執からのわだかまりを乗り越え再度強く結びついた二人の絆はより強固なものになってしまったのですね。もう誰も二人の間に割って入れないよ。いつの間にか受験も無事に終わり進学先が同じになった二人に待つのは幸せな未来ばかりなり。

まぁ冗談は置いておくとしても人は生きていて色々な経験をする中で考え方も変われば在り方も変わる。それが多感な年頃の少女であるなら尚の事で。百合子が当初は問題ありと思ってたトロピカる概念を理解するに至り受け入れた変化もそうですし、一度は分かれて互いに反目し合っていたあすゆりの二人が、もう一度心を通わせ合い繋がる光景。

これってまなつとローラの先行きというか未来の在り方に関して一つの可能性を提示していたシーンでもあったのかなと思えたのです。例え一度離れてすれ違っても再び結び直すことはできる。幼少期に出会っていたまなつとローラが、片方が記憶を消されて別れたきりになっても今のように繋がれたように。その希望を示す一幕でもあったんじゃないかな。

何はともあれこれまで辛く苦しい時期を過ごしてきた二人。これからは共に幸せな道のりを歩んでいってもらいたものです。トロピカってる百合子の可愛さがもう全て物語っていたよ。

部活の参加申請書の中にさり気なく混ぜられていた次回作『デリシャスパーティプリキュア』の要素!かどうかは分からないけど、近年では恒例となった最終回での次作主人公とのコラボ要素で、この描写が活かされることになるかどうか密かに注目しておこう。キャンプ飯もデリシャス要素の一因と。