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ミュークルドリーミーみっくす! 第23話 「川のほとりでドンシャガラン!」 感想

ミュークルドリーミーみっくす! 第23話 「川のほとりでドンシャガラン!」 感想

恐怖と狂気に満ちたプチトマトマンの悪夢再び!

波乱と狂気に満ちたミュークルドリーミーの中でも随一のキチ度を誇り、視聴者の度肝を抜いた悪夢のプチトマトマン、改め秋トマトマンが満を持して一年ぶりに復活!ということで今回は久しぶりにミュークルらしさ全開というか有無を言わせないパワーで圧倒されてしまう内容でお腹いっぱいにさせられる。焼きバナナマン参戦からの謎プロレスで去年とは別ベクトルでヤバいエピソードに仕上がってたもの。あぽーん。

去年の一件を経てプチトマトに対する苦手意識こそ克服出来なかったけど、前向きに向き合おうとしていたゆめにしてもやはり苦手なものは苦手のままであり、ありとあらゆる方法で見なかったことにしたり回避しようとしたりと足掻く姿が面白く、およそ女児アニメの主人公が見せちゃいけないような表情を惜しげもなく披露して嫌がる様が良い塩梅に面白おかしく映り込む。

愛しのゆめの好物がトマトであると勘違いしたアッキーの暴走っぷりも愉快であり、そのボスの好意を無下にしたゆめに憤り、ボスの為に良かれと思って秋トマトマンを生み出すカオスに拍車をかけるゆに達の暴走っぷりと、悪気のない勘違いの連鎖が奇妙な形で噛み合い進行していく話運びの妙を感じる回でもありました。トマト嫌いのゆめの拒絶反応にしても悪気は一切ないもんね。苦手なものは苦手ということなので。

そこへ行くと天才だけど常人とはどこかズレているアッキーの感性や突拍子もない行動。何気に今回もゆめに対するストーキング行為は助長されていたりするが、ストーキングは知らないからアレとしてもアッキー個人に対してゆめが特段の苦手意識を抱いていることはなく、自分からアッキーに無自覚に近づいているあたりに、トマトよりはまだアッキーの方が可能性あるのかなと思えた次第でもあります。

ここも年上お姉さんとして悪気なく罪作りなことをしている感じもありましたが、秋トマトマンが織りなす狂気とカオスの中に、悪気なく繋がる人間関係と苦手意識や無意識が形成する「夢」というテーマに連なる要素を見て取れたような気もします。そういうのとは別に今回は見ていて純粋に楽しくなってしまう意味不明な面白さみたいなものがあったので、それだけでももう満足ですわ!

しかし、唐突に始まった秋トマトマンと焼きバナナマンの取っ組み合いのプロレスシーンなどは作中の皆と同じような顔で一視聴者として我々は一体何を見せられているんだ状態に陥らざるを得なかった。だいぶ前だけどかえでとわかば喧嘩した回とかでもプロレスやってましたし、ミュークルドリーミーってこういうところあるよね!と改めて思わされた回でもあったよ。

ゆめちゃんを意識しまくって挙動不審に陥るアッキーのポンコツ具合と、無自覚に年下の少年の恋心を刺激する罪作りなゆめちゃんの接近シーンが堪りませんでしたわ。現状で唯一二人の関係性を客観的に見ているであろうゆに様たちの心労も察するに余りあるというものです。ここに朝陽も加わってどんな感じで進展していくことになるのか。ハラハラドキドキな展開はまだまだ続いていきそうだ。

あの手この手でトマトから目を背け現実逃避して逃れようとするゆめちゃんの多彩な表情が光る。主要キャラの変顔はミュークルではお馴染みな感じになってるけど、今回のゆめちゃんは一際凄い表情で溢れかえっていたんじゃないだろうか。苦手なものからは目を背け逃げたくなる。それもまた人の心理にして真理。