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トロピカル~ジュ!プリキュア 第17話 「人魚の奇跡!変身!キュアラメール!」 感想

トロピカル~ジュ!プリキュア 第17話 「人魚の奇跡!変身!キュアラメール!」 感想

キュアラメール堂々のデビュー!

待ちに待ったキュアラメール誕生の瞬間!ローラの人間に対する意識変化から芽生えた人間になりたいという願望。ローラがキュアラメールとして覚醒するまでの確かな積み重ねがあるからこそ、自らの欲望の為ではなく大切は人達の為にという動機付けも納得だし、外聞とか承認欲求とかではなく自らの内側から自然と湧き上がる感情に身を委ねるから、今自分が一番したいことという本作のメインテーマにも直結して心地よい。

魔女様の誘惑を毅然と断ち切り私の願いは私が叶える!と力強く宣言するローラの台詞は、彼女の確かな決意と覚悟を感じさせてくれるのと同時に、誰かに言われるがままに動くのではなく、自分の意思で決めた道を歩みだす第一歩。プリキュアとして覚醒し足を得たローラが、文字通り自分の意思と足で独り立ちしていく姿は、さながら人間の成長の軌跡。一人前に至る道程の始まりを予感させてくれる。

女王様に言われるがままでなく自らの意思で歩むことを決めて行動に移すローラの姿が、人間という生物の成長の在り方と言いますか。自由意志や選択肢のなかった赤ん坊が、自我を獲得し世の中や社会の仕組みを学んで成長し、やがて自分が歩むべき道を見定めて独り立ちしていくように。ローラのプリキュアとしてのデビューと足の獲得。そこに人間としての歩みを絡める話運びが見事でした。

最初は人間そのものを見下していたしプリキュアは自分が女王になるための道具とまで言い切っていたローラですが、そのある種の独善的かつ狭量さや視界の狭さを感じさせる姿勢から、人間と人間社会の実態を学び他者を慮る心を得たことで、姿形こそ人間にはなったのだけど当初の夢である女王、その理想的な在り方にも同時に一歩近づいたと言うことも出来るんじゃないかなと思った次第。

人間の姿になったからと言ってローラが女王になる夢を諦めたとか蔑ろにしているわけではなくね。むしろ、人間としてローラがまなつ達と共に過ごす時間をより尊く感じ、ローラの中で掛け替えのない素敵なものへと昇華されていけばいくほどに、今回あとまわしの魔女様が持ちかけてきた甘言以上の大きな揺らぎを、辛く重い決断や選択を迫られることになるのではないかと思える。

このプリキュアとして、人間としての覚醒が進路選択じゃないけどローラの将来や当初から持っている夢に関しる転機にもなるのだろう。それだけにここから暫く人間として過ごしていくローラが、その生活の中でより深く実感を伴う形で人間の実態を知ることになった時、何を感じどのようなことを思うのか。その過程でどんな変化を遂げていくことになるのか。

今、自分が一番したいことを積み重ねていった先にある未来。それがどうなるかを気に留めつつも、暫くは人間になったローラが巻き起こすだろう騒々しくも楽しい日々を見守っていけたらいいかな。身を隠す必要もなくなり堂々と立ち回れるようになったローラの今まで以上の活躍を期待しよう!

ゆらめく大海原!キュアラメール!とても挑戦的かつ刺激的なローラの目線や脚を強調している変身バンクに魅せられてしまう。前回のまなつ母とのペディキュアのやり取りがあったからこそ、脚を得た喜びと実感をそこで得られる作りが堪らないのです。レギンスやオープントゥパンプスでこれでもかというくらい脚と足先を意識させるデザインなのも徹底されてて良いね!

戦闘時の動きにしても今回は足技を強調してるなというくらい華麗な立ち回りでしたし見応えもありました。トロプリチームお馴染みにして名物のビクトリー!ポーズに至るまで脚を徹底して見せるこだわりっぷり。足を得て陸上でも自由自在に動けるようになったローラの喜びを遺憾なく表現する弾けっぷりだったのではないだろうか。

あとローラ/キュアラメールを演じる日高里菜さんの来歴を思うと尚のことキュアラメールのデビューは思い入れが深くなりますね。初代ふたりはプリキュアのCMに子役として出演し、「プリキュアになりたい!」と言っていた少女が、今あれから17年の時を経て正規のプリキュアとして降臨したと思うと感慨深さも増すというものです。まさに小さな先輩たちに夢と希望を与える存在。

まなつとローラのこれからにますます期待は高まるよ。もっと凄いの見せてくれ!