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アイカツプラネット! 第23話 「夢の中へ」 感想

アイカツプラネット! 第23話 「夢の中へ」 感想

想像が豊かな未来を創造する。

アイカツプラネットのトップアイドルを決める一大イベント・プラネットプリンセスグランプリは各々にとって大きな転機ではあったけど、決してそこが終着点ではなく皆にとって今後、更に飛躍を遂げる為の通過点でもある。先代である明咲/ローズを上回った舞桜/ハナはここに至り自分ならではのアイカツへの向き合い方、自身の今後の展望を見据えることが出来るというわけだ。

なりたい私へミラーイン。主人公の舞桜を通じ、このなりたい私を思い描くまでの物語全体のプロットや構造もしっかり練られていたと思うし、そこに至るまでの魅せ方も凄く考えられているのが伝わってきました。前回も書いたけど特にプラネットプリンセスグランプリに突入してからの熱量は特に高く、個々のテーマに基づいた対決も毎週見応えがありました。

自分が好きなことをあれこれ妄想、想像するのはワクワクする。やったことのない物事に挑戦することは自分の世界と可能性を広げてくれる。イメジネーションが未来を創造するという紗良の台詞にもあったように、舞桜たちがアイカツを通じて導き出し実感した答えが、実写という既存の枠組みを超える概念を取り入れた本作『アイカツプラネット!』のコンテンツとしての挑戦と意義を体現して見せたのが何よりも痛快でした。

トップアイドルになっても自分らしさは損なわず。私は私であることは揺らがず、それでも新しいことへ挑戦する意欲と、自分の心を高揚させ掻き立ててくれる大好きな皆とのアイカツを夢見る舞桜の姿勢や決意。それらの要素。輝かしい未来を予感させる物語の幕引きが心地良さと共に達成感で満たしてくれました。気がついたらアイカツプラネットを好きになっていた自分がやはりいたのです。

必ずしも好意的な受け取り方から始まったわけではないアイカツシリーズの新たな位置づけ。思うところは人それぞれあるだろうが、それでもアイカツシリーズが長い時間を掛けて築き上げてきたコンセプト。根底にあるアイドル作品への情熱や信念、理念は微塵も揺らいではおらず、それらを尊重しつつ新たな形でテーマに沿った新たな可能性を見せてくれたんじゃないかなと。

最後にアニメと実写の境界を超えるライブ演出も見事にハマったと思うし、あの切り替えシーンは否応なしに盛り上がらざるを得ない。本編はこれでひとまずの決着を見たし一応最終回という位置づけなのだが、まだ特別編が残っているのでね。ともあれ一先ずはこのコロナ禍にあって見事に走りきってくれたアイカツプラネットに最大級の感謝と賛辞を。期間を空けての続編も十分ありそうな気もするが…どうかなぁ。

テレビシリーズではアイカツ8の8人同時ライブ以来の大所帯!最後のステージだし見せ場に盛り上がる要素をもってくるのはやはり上がる!上でも少し触れたけどアニメCGのライブパートから実写のライブパートへの切り替えはサプライズ的な演出も加味されて更に印象深いシーンに仕上がっていたし、これまでやらずに温存していた甲斐もあったのではないだろうか。

実写パートや作中の所属事務所の違い。時間的な制約等からなかなか全員が一堂に会する機会を作るのも難しい側面があったと思うけど、最後に全員集合で有終の美を飾ることが出来たのはまさに僥倖であるのだ。本当にこのご時勢でなければリアルイベントでお友達と交流したり目にする機会も沢山あっただろうに。そこだけは本当悔やまれるところ。ともあれSTARRY PLANET☆の皆さんお疲れ様でした!OP主題歌のBloomy*スマイルも最高にテンションが上がる楽曲の一つになりました。

アニメや実写ドラマという枠組みを超えて、主役と同時に脇を固めるキャラが主役と同等かそれ以上に存在感や魅力を発揮しているコンテンツか否か。自分の中で名作というか良い作品だなと思える判断基準の一つにそれがあるのだけど、そこへいくと本作プラネットのサブキャラクターも最終回まできた今となってはなかなかに濃いキャラになったのではないかと。

いずみさんは言うに及ばずですが瀬川さんも下手したらアイドル以上に目立つシーンが散見されたし、敬斗くん中心に要所でドルオタトークを繰り広げていた三人組も今や名物キャラの一つになっている。半年という短い期間もあって、スターレットプロモーションに所属している四人以外は活躍の機会も少なめだっただけに。明咲も中盤以降はキーマンでしたが前半はほぼほぼ失踪していて不在だったので。

それだけに公私に渡って舞桜たちの傍にずっといた彼ら彼女らは、アイドルと同じくらい本作を成り立たせる為に不可欠の存在であったことを改めて感じるわけです。まさにプラネットの縁の下の力持ち。あとは皆がそれぞれ新しいことに挑戦する姿勢を見せる中、誰よりも鮮烈な印象を残していった響子先輩のドラカツ、ドラム活動は忘れてはいけない一幕でありました。いや、格好良すぎるよ響子先輩!