密やかに伸びやかに

アニメ、PCゲーム、PC関連のニッチな備忘録

トロピカル~ジュ!プリキュア 第8話 「初めての部活!お弁当でトロピカっちゃえ!」 感想

トロピカル~ジュ!プリキュア 第8話 「初めての部活!お弁当でトロピカっちゃえ!」 感想

くるるん弁当は色んな意味で美味しいよ!

母親を思うまなつの気持ちが心に沁みますなぁ。まなつくらいの年頃だとお弁当作りだけに留まらず、生活していく上で必要なあれこれを、親にやってもらって当たり前と考えている子も少なからずいると思うのです。今回で言えばお弁当を取り違えたことに怒りを表す子供だっているかもしれない。でも、まなつはそこから母の苦労に思いを馳せ、自分が力になって支えたいと思える子なんですよね。

そこへいくと今回のあとまわし魔女勢は実に対照的です。コミュニティではあっても家族のそれとは違い主従関係に近い性質があるだけに、あとまわしの魔女やバトラーはチョンギーレに食事を用意させるのは当然と考えるし、それをしてもらったからと言って感謝の気持ちを抱くこともありません。まして試行錯誤を重ねる彼の気苦労に思いを馳せることなどありえない。

あすかの家族はチームだから助け合わないとという教えも、あとまわしの魔女たちとの違いを浮かび上がらせるのと同時に、人間の強さにして人を人たらしめるものは何か。ひいてはプリキュアの強みにして資質とは何かに繋がっていたようにも思える。最後のまなつとお母さんのやり取りは優しさと温かさと尊さに満ちたとても素晴らしい一幕でありました。

トロピカル部としてのくるるん弁当作りにしても、その過程でお互いの新しい一面や好き嫌い、みのりん先輩筆頭に得手不得手が少しずつ見えて連帯感も増してきたし、戦闘中に栄養補給でお弁当を食べていたところなどからも、トロプリチームとしての家族感というかチームとしての一体感が出てきたことを感じられるエピソードでした。

キャラ弁の宿命かもしれないけど、モチーフになったキャラの目の前でそれを崩して食すことの罪悪感や気まずさをコメディ調も交えて面白おかしく描いていたり、みのりん先輩の危険な発想なんかも加えて、お弁当だけでなく話自体も味わい深い仕上がりになっていたのではないだろうか。先輩組のあすかやみのりの意外な一面も見えてきたし、トロプリチームの本当の始まりはここからよ!

みのりん先輩の豊かな発想力が色んな意味で光っていましたなぁ。トロピカル部の中で一番料理が苦手だったのも意外と言えば意外でしたし、くるるん弁当を作ると聞いて本物のくるるんを食材にしようとしてしまおうとする発想に恐れ入る。みのりん先輩はトロプリチームのブレーンだと今でも思っているが、まさかぽこぴー枠に入ろうとしてくるとは…。

これからのみのりん先輩の多方面での活躍にも期待が高まるポンコツみを帯びた諸々の要素でした。みのりん先輩が作っているおにぎりも力任せなのが伝わってきてじわじわきてしまった。完成形はきっと爆弾おにぎりになるのだろうなぁ。

頼れるあすか先輩の家庭的な一面も印象的でした。困っている人を放っておけない面倒見の良さ。頼まれると嫌とは言えない優しさも、あすかの家庭環境に起因した性格ではないかというのも何となく察せられる一幕でしたね。家族は父と兄と言ってたし先輩の家は父子家庭なのだろうか。会長との因縁もさることながら、あすか先輩周りの事情は気になることが多くて今後楽しみなところでもあります。

基本はクールで格好いいけど意外と庶民派で親しみやすい一面も併せ持つ。好きなものは最後まで取っておく派のあすか先輩の可愛らしい一面を堪能できて良かったな~。