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トロピカル~ジュ!プリキュア 第14話 「おまかせ!保育園でトロピカ先生!」 感想

トロピカル~ジュ!プリキュア 第14話 「おまかせ!保育園でトロピカ先生!」 感想

未来を担う子どもたちを守り導く!

トロピカル部の保育士体験エピソード!保育士側になって子供たちの面倒を見ることになったトロピカル部の面々の得手不得手や個性が出ていた回でもありましたが、それと同時に多様性に溢れる子供たちの姿と、それを見守り人間たちの世界を直接的な交流を経て肌で感じ取っていく。そんなローラの姿が実に印象深いエピソードでもありました。

人間の子供と言っても一括りに出来るものではなく、その性質はまさに千差万別で同じ子供は一人としていないと言ってもいいかもしれません。走るのが得意な子と不得意な子、大人に本気を出されて嬉しい子と嫌がる子、友達と一緒に何かをするのが好きな子と一人で自分の世界に没頭するのが好きな子。今回の話の中だけで同じことをやっても相反する反応を示す子たちが出ていた。

その中でも目的や夢の為に遊びよりも優先すべき点があることで波長が合ったローラとワタルでしたが、その夢や目的を共有し一緒に楽しめる相手がいれば人生はより楽しく日々は彩られることを、ワタル少年がルリちゃんとの趣味の共有で知ったのも嬉しいし、何よりこれまでのまなつ達との日々で「一人もいいけど友達もいい」をローラ自身が実感してるからこそ否定ではなく満更でもない様子で受け止めれているのが良かったなぁ。

今回のキーにもなっていたと思うけど人間の子供は、あらゆる可能性に満ちた羽化する前の汚れなきさなぎ。そして国はそんな子供たちが成長し築き上げていくものである。女王を目指すローラが人間とはどのようなものか。その多様性や可能性に触れ知らないことや見たことないものへの理解を深め、人の上に立つ者として未来を担う子供たちを見守り導くことの意義は大きかったんじゃないかと思うわけです。

初回の時点では「なんで私が人間なんかの助けを?」と人間を軽んじ、まなつ達に対しても自分の目的を遂げる為の手駒と憚らず言っていたローラが、今回人間の子供と触れ合い、あまつさえ自らの体を盾にし身を挺して守ろうとしたところに、ローラの本質的な性質や女王としての資質、人間に対する意識の変化を見た思いでいっぱいなのです。

保育園が舞台の話とあってメタ的なネタ要素も楽しく、プリキュア達の戦闘中における劇場版お約束の応援コールや、事が終わった後の真相を知る者同士だけの秘密の共有、子供のならではの秘密の遵守というか空気の読みっぷり等々。いつもと違う視点を交えた描写の数々が楽しい回でした。まなつやみのりん先輩はある意味いつも通りの安定っぷりだし、あすか先輩はアレでしたしね。

最後のさんごとローラのやり取りも印象深く、満更でもない感じでそれでも女王になるというローラが堪りませんでした。戦闘中にローラが発した「プリキュアは負けない」という一言に、出会った当初とは違う一緒に過ごし築き上げてきたものから生じる相手に対する確かな信頼と理解が凝縮されていたと思います。ここ数話で見受けられる人魚のローラと人間への心象変化という構図は興味深い。

ローラとは違う意味で今回一番体を張っていたのは間違いなくあすか先輩だっただろう。幼女先輩の頼みを無碍にすることなどプリキュアであるあすか先輩が出来るはずもなく、赤ちゃんプレイを余儀なくされた赤ちゃんあすかちゃんが可愛いシーンが実現してしまったのだ。登場当初のクールで頼りになるあすか先輩…の像が良い意味で次第にブレ始めてきているのを感じる今日このごろ。これが誰か経由で生徒会長に伝わり後に弄られるところをちょっと見てみたい!