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トロピカル~ジュ!プリキュア 第20話 「名探偵みのりん!消えたメロンパン事件!」 感想

トロピカル~ジュ!プリキュア 第20話 「名探偵みのりん!消えたメロンパン事件!」 感想

メロンパン事件によりトロピカる部の分裂の危機!?

食べ物の恨みは恐ろしいと申しますが、トロピカルメロンパン喪失に端を発した事件により、あわや疑心暗鬼で内部から分裂しそうな空気が漂っただけに、ある意味で前回の怪談回よりも余程怖さを秘めていた回だったような気もします。基本ギャグ調で進行した内容だったけど、なまじ超常現象ではなく日常生活の中に潜む誰にでも起こり得る諍いの種なだけにチーム内に走った不協和音にもリアリティが伴う。

ピカリン探偵に扮したみのりん先輩も面白く、ハマった小説の探偵に扮するべく常時おもしろメガネを持ち歩き、虎視眈々とその機会を伺っていたのかと思うと愛おしさも増すというものです。感情の起伏こそ乏しいところはあるのだけど、譲らないところは譲らないし自分の好きなことや主張を貫く力強さも持っており、みのりん先輩の魅力がまた一つ増えたのではないだろうか。

騒動に巻き込まれた他の皆もそれは同じで。メロンパン事件により互いに疑いの眼差しを向け合い、普段は大人しいさんごや良識のあるあすかまで仲間に少し意地悪な言い回しをしてたりして、上でも触れたように日常の延長線上にある出来事なだけに、そういう各キャラの生々しさのようなものが見え隠れしていた回でもあったような気がします。

プリキュアになる子は規範的な良い子は基本線なんだけど、それでも彼女たちは自分なりに思考し、未成熟な感情を持つ多感な年頃の少女たちでもある。互いに良い子で良いところばかりでなく、相手の嫌なところや欠点なども併せ呑み、その上で時にぶつかり共に乗り越えていくことで、今まで以上により強い結束を得られることもあるんじゃないかな。メロンパンが紡ぐトロプリチームの繋がり。

そういう意味でまさに雨降って地固まる回でした。まぁ最初にみのりん先輩に疑惑を向けられ否定しつつ本当に食べてたローラは反省するところあるかもしれないけどね。心優しく慈悲深いまなつが寛大な心で全てを受け容れてくれて何よりでした。これぞ主人公キュアの佇まいと心意気よ!でも、そう考えるとみのりん先輩は何気に良いところを突いていたという可能性も…。

ともあれ日常の一幕として描かれたメロンパン事件でしたが、これが成立するのも精神的にも距離的にも近い相手とのコミュニティがあればこそ。お菓子を巡って言い争ってたあとまわしの魔女勢の皆さんにしてもそれは同じで、こういう掛け合いが出来るのも心許せる親しき人がいればこそですな。まさにメロンパンが人を繋ぐ。いつかいちごメロンパンとトロピカルメロンパンで盛り上がるまほプリチームとトロプリチームのコラボを見てみたい。

女王の名にかけて声高らかに宣言したのに!一転して容疑を認めるローラの流れで笑ってしまった。まぁ尋問時点では本気でやったのは自分じゃないと思い込んでるので、ローラが嘘を付いたというわけでもないんだけど。寝起きで自覚なくやってしまったということなので。それでも見覚えのないメロンパンを何の疑問も持たずに食べちゃうのはアレなので、ローラくんには此度の一件を深く反省して頂きたいところである。

個人的には途中までまなつのメロンパンを部員全員が少しずつ食べていた自覚なき共犯のパターンかなと思って見ていたので、そうじゃない場合は今作の主要キャラの中でこれが成り立つのはローラくらいしかいなかったというのもある。これも偉大な女王になるために必要な失敗から得た学びの一つということで。

実は犯人が一人紛れ込んでいたけど、疑惑をかけられた四人に対するコミカル推理パートの絵柄が可愛らしく和んでしまった。みのりん先輩の好きな本のイメージに合わせてなのかもしれないが、こういうタッチの絵が今回の話をより華やかに彩ってくれたのは間違いない。みんな良い顔してる!

正面からじゃなく横の視点から描かれるキュアパパイアの目からビームのカットも凄く良かったなぁ。厳密には目からではなくパパイアをかたどったイヤリングを媒介にして放っているのがよく分かる一幕。それにしても目からビームで的確にゼンゼンヤラネーダの目を狙い撃つキュアパパイアは流石である。可愛らしい顔や立ち居振る舞いとは裏腹にやることえげつないぜ!