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ワッチャプリマジ! 第42話 「せっ者とマジの距離(ディスタンス)」 感想

ワッチャプリマジ! 第42話 「せっ者とマジの距離(ディスタンス)」 感想

他の人の為に本領を発揮するれもんのマジが道筋を切り開く!

療養に入り表舞台から消した御芽河阿智彦に代わり、フェスリダ率いる魔法界の保守派が決定したプリマジ中止の報せにより、更に閉塞感が加速していく状況にあって、事態を切り開くキッカケを作り先陣を切る役目を担ったのが、元々は保守的で自らの殻に閉じ籠もり他者との衝突を避けることを良しとする心愛れもんだったのが良いよね。

プリマジスタとしてプリマジをやることで広がった彼女の世界。いい方向に変わったことと変わらぬ彼女の根源にあるスタンスの部分。それらが今の徐々に閉塞していくプリマジ界隈と相反する要素として描かれるからこそ、れもんにとってプリマジと向き合う原動力=マジが何であるのかも際立つし、プリマジの必要性を訴える彼女の主張に力強さと説得力を持たせてくれている。

大切な後輩たちにステージに立つ自分の姿を見せたいところから始まり、今回もジェニファーを救うために誰よりも先んじてステージに立つ。自分以上に人の為に本領を発揮するれもんの強み。れもんが本気=マジになれるものを見出すにあたって今までの軌跡を辿りつつ、今ジェニファーが置かれている境遇をかつての自分に重ね、彼女の心情を汲み取る形で力にしていたのも上手い構図だなと感じました。

人の為に本領を発揮するのがれもんの強みであるのと同時に、彼女にとってプリマジは内気で殻に閉じこもりがちな自分の心情をダイレクトに発信する場でもある。周りがどうこうではなく自分の意思で決めたことを発信することで広がった世界と自分の可能性。プリマジが自分にもたらしてくれたギフト。それによって得られた喜びと充実した日々を送る為の活力。

それを誰よりも知るからこそ保守的で旧態然とした魔法界の決定を。本人の意思を無視して封印措置を行うフェスリダ達のやり方は間違っていると啖呵を切ることができるし、かつての自分のように今自分の意思を正しく伝えられなくなったジェニファーを解き放ってあげたいという思いが、れもんを突き動かし彼女の背中を押す何よりの力になるのだ。

プリマジスタ心愛れもんの軌跡を辿り彼女の根源にある強みを見出す中で、れもんを誰よりも近くで見守り続けてきたきゃろんが、一途に彼女を信じ続け要所で的確な言葉を送ってくれていたのも良かったし、何より自分を出すことが苦手で、他者との衝突を避け自分の意見を押し殺す傾向にあった彼女が、一大勢力のトップを前に引くことなく皆の先頭に立って自分の強い気持ちをぶつけて姿が何より感慨深く映る回でした。

れもんがヘブンズコーデ解放の第一号になったのも個人的には嬉しかったし、スタンスは変わらないけど皆との距離(ディスタンス)は変わったというきゃろんの言い回しも、今回のテーマやれもんの変遷、プリマジ界隈を取り巻く現況を端的に表現する台詞になっていて印象深いものでした。

ダークネスエレメンツコーデを纏ったれもんも格好いい!『こんな世界に告ぐ』の二番の歌詞も今のれもんの心境をダイレクトに訴えかけるものになっていて心に響いてくる。「今すぐ宣戦布告、覚悟しろ」とかね。「願い果たす使命それだけで毎日は充実です」「心から幸せで、そう、希望にあふれてます」なんですなぁ。余計な横槍を入れるな、私たちのプリマジに懸けろ!と言わんばかりの力強いフレーズに溢れてるものね。

曲名からしてこの終盤の展開を見越してのものだったのかなとすら思えてしまう。れもん氏の心からの叫び、聞き届けましたぞ!

れもんを筆頭に今の状況を打開するべく動き出す若者たちが奮闘する一方で、すべての元凶というか今の状況を作り出した張本人とも言うべき御芽河阿智彦とフェスリダの動きがアレすぎる。片方はやりたい放題やった挙げ句に状況が悪化したら即座に療養に入るとか都合の悪いことあったら病院に逃げ込む政治家みたいなことしてるし、もう片方はライバル勢力のトップがいなくなったのをいいことにこれまでやり込められてた鬱憤を晴らすかの如く頑固ムーブを決め込んでるものね。

いの一番に療養に入った阿智彦はもう他の人に全部丸投げ状態だし割りを食うのはいつの時代も若手と現場という地獄絵図。ヘブンズコーデを解放するという奇跡をれもんが起こしたのを目の当たりにしてもなお自らの姿勢を曲げないフェスリダ夫人。何だかんだでここまで詳しい関係性をぼかされてきたマツリダさんとの因縁も含め、今のところ悪いものの見本になりつつある大人勢たちの在り方にも注目していきたい。