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ワッチャプリマジ! 第46話 「貴女に捧げる…『愛しています』」 感想

ワッチャプリマジ! 第46話 「貴女に捧げる…『愛しています』」 感想

過去の精算ではなく未来の発展の為に。

あまねと翠子の二人に限らず各人やプリマジ界隈に蔓延していた淀みやわだかまりが解消され、過去の経緯や行動、相手に向けていた思いを吹っ切るのではなく全て受け止め、受け容れた上で各々が前を向き希望に溢れる未来へ歩み出したことを感じられる回でした。その中でもあまねと翠子、道人と阿智彦。それぞれの心情の吐露と関係性の変遷が印象深く、また味わい深いものがあった。

秘するが花を体現してきたあまねと翠子が改めて向き合い、自分の内に秘めていた思いを相手に伝えるのに呼応するかのように、道人や阿智彦も対話や自分の気持ちを伝えることを怠ったことを悔い、今一度一緒にやっていこうとする思いを確認し合っていたし、阿智彦とフェスリダの間にあった確執の解消、冷え切っていた御芽河家の親子の会話にしても、それは共通していました。

誰だって自分の本当の気持ちを伝えること。自らの非や弱さを認めることは怖いことだし、時に目を背けたりなかったことにしたいこともあるかもしれない。でも、ひなが言ったように本当に大切な人を思う気持ちは重く、それだけに消そうと思っても消えないものなのです。今の自分を育み形作ってきたものを簡単になかったことには出来ない。

なかったことにするのではなく過去に縛られるのでもなく。これまでの全てを受け止めた上で、これから先の未来の為に何を成したいのかを大切な相手に伝え、それを実現すべく意思疎通を図り手を取り合い同じ方向を向いて新たな道へと歩み始めていく。願いの発露や意思の伝達。プリマジに依らずともこの自分の思いを誰かに届けることは、本作の大切なテーマの一つだと改めて感じさせられるのです。

本当に大切なことは勇気を出し伝えようとしなければ伝わらない。以心伝心な間柄も素敵で理想的な姿の一つかもしれないが、本当の家族であるはずの御芽河家の今までの在り方を見ても、やはり伝えようとする姿勢は大切なことなんだなと。家族ですらそうなのだから異なる種族や一種の憧れを向ける相手であればなおのことなのではないだろうか。

意外と親しみやすかった翠子先輩の実態や、自らの行いや考えを反省し歩み寄ろうとする阿智彦やフェスリダの姿勢も見えたし、一度壊れた関係を繋ぎ直した道人と阿智彦の二人は、チュッピとマナマナの先行きを照らす希望の兆し足り得るものだった。皆が長い間、心の内に秘めていた思いを口に出して発露したことで、プリマジ界隈の流れが明確に変わる転換点になっていた。

それだけにエレメンツコーデを唯一手に入れておらず、自らの思いを心に留めているようにも映るまつりの姿は際立っていたとも言える。ユーフォリアレビューに向けての準備が整い機運も高まってきた中で、まつりが主人公としてどんな役割を果たし存在感を発揮してくれるのか。本当に終盤に差し掛かってきた感じだし、流石は主人公と言えるような活躍を期待したい!

これまで長きに渡って御芽河家の間に燻っていたわだかまりや淀みが解消され、事ここに至ってようやく親子らしい会話を交わすことが出来た三人の姿は感慨深いものがある。特に祈瑠が涙を流すところは今までの経緯を思い返すと本当に良かったなと思えるところでした。本当の家族だからこそこうして本音で語り合い向き合うことも必要なのだと。

故に阿智彦にとってもう一人の娘とも言えるジェニファーに対しても、今度こそ一個人としての彼女に素直な思いを伝えてあげられると良いよねと思わずにはいられない。プリマジスタ達だけの頑張りではなく、親子として阿智彦とジェニファーが向き合う姿が見られたらもう言うことはない。

道人と阿智彦よ。一緒にプリマジやるって言ったね!ということで絶対ありえないと理解しつつ、まさかの展開に密かに期待しながら見ていこう。まぁこの2人よりはTrutHに祈瑠が加わってトリオになる可能性のほうがまだ大きいかもしれない。そっちはそっちでワンチャン期待してしまう。