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デリシャスパーティ♡プリキュア 第23話 「ここねのわがまま?思い出のボールドーナツ」 感想

デリシャスパーティ♡プリキュア 第23話 「ここねのわがまま?思い出のボールドーナツ」 感想

ここねのささやかな「わがまま」という名のお願いが染み渡る。

別々に過ごす時間が増えて次第にそれが積み重なり、互いに相手への接し方が分からなくなった芙羽家の面々を、思い出のボールドーナツを介して家族の輪と和が繋ぎ直されていくのが素敵でした。相手のことが大切だからわがままを言って困らせたくない思いがある一方で、大切な家族だからこそ本当の気持ちを伝え合って分かり合いたい。気遣いなく本音で語り合いたい思いが生じるものなのです。

幼少期の叔母の一言から両親に対してわがままを言って困らせるのは悪いこと。自分の素直な気持ちを伝えて甘えることはいけないこと。あくまでも「程々に」と言われたのにここねが良い子すぎただけにね。次第に自分の気持ちを押し殺し素直な気持ちを相手に伝えることも出来なくなっていったのですね。登場初期のここねの性格や一人でいる時間の多さが形成されるに至った理由も分かろうというものです。

家族だからといって何でもかんでも無遠慮で横暴に振る舞っていいわけではない。親しき仲にも礼儀ありであり互いに相手を尊重する気持ちや姿勢もまた大切なこと。でも身内だから、親子だからこそ頼りにしてもらったり時にわがままであっても伝えて欲しいことだって当然ある。互いのことを思い合い尊重した上で素直な気持ちを言い合える間柄は、だからこそとても美しく得難いものでもあるのだと。

自分の気持ちを伝えるのはわがままじゃない。自分がそうであるようにと両親も同じなんだとここねが実感したことで、気遣いすることなく素直な気持ちを、好きな物ややりたいと思ったことを伝えられるようになったことが何より嬉しい。そこには勿論ゆいたちの影響もあり、友達と共に過ごした時間がここねを豊かに育んでくれたからそう思えたと思うと感動もひとしおというものです。

家族や友達と一緒に食べる時間も好きだけど一人の時間も好き。前者のそれを体感した上でそう言うからこそここねのそれが前向きな気持ちから出た偽りのない本音であることが分かるし、当初のように選択肢がなく一人でいざるを得なかったときとはもう違う。友達にも恵まれここねがいい方向に変わり成長しているんだということが両親に伝わるんじゃないかなと思います。

本来なら心地よく穏やかな時間を過ごす家族団欒の食卓の和。身内だからこそ互いに言いたいことをいい伝えたいことを伝え合う。そんなどこにでもあるありふれた光景が、凄く特別で幸せなことなんだと思える話でもありました。最初はぎこちなくて気まずい空気も流れただけに、一緒に朝ごはんを食べて日常生活で思ったことや感じたこと、いってきますといってらっしゃいを伝え会える喜びを噛みしめる芙羽家の光景に満たされました。ごちそうさまでした!

家族ではなく団だけどブンドル団側の描写も微笑ましいというか心温まるものがありました。ゴーダッツ様に頼りにしていることを伝えられ意気揚々とやる気を高めるナルシストルーやセクレトルーは可愛かったですし。いつも以上にレシピッピ強奪に気合を入れるナルシストルーの張り切りようも見ていて面白いものがありました。たまにはすました顔ではなく感情を爆発させたっていいじゃない!

まぁここねの両親とは違いゴーダッツ様の場合はそれを本心から言っているのかどうか定かではないところもありますが。でも何となくだけどゴーダッツ様は本心から部下の奮起を促してくれているような気がしている。未だ姿が見えないゴーダッツ様の実態が明るみに出る日も待ち遠しい。

神の舌を持つここねちゃんママの芙羽はつこさんが本当に美人で素敵。有名人であることを鼻にかけない人当たりの良さだったり、ゆいの母親であるあきほに対し娘との接し方を相談する悩める姿を見せてくれたり、思い出のボールドーナツを食べた時に可愛らしい反応を見せてくれたりで。この親にしてこの子ありというかここねちゃんが優しい良い子なのも頷けるというものです。

将来的にはここねちゃんも絶対に母親似の美人さんになるのは間違いないのだろう。個人的には星空育代さんなどと並んで歴代ママキュアの中でも屈指の存在というか上位に食い込んでくるポテンシャルを秘めていることは疑いようもない。ママキュアは不老ということを改めて確信した回でもありました。