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デリシャスパーティ♡プリキュア 第22話 「ブラペ引退!?伝説のクレープを探せ」 感想

デリシャスパーティ♡プリキュア 第22話 「ブラペ引退!?伝説のクレープを探せ」 感想

相手を思う善意の行動から自分の気持ちが伝わる喜び。

善意とお節介は紙一重でありとても難しいところがあるよね。自分が良かれと思って取った行動が相手の迷惑になることもあれば思いもよらない事態を引き起こすこともある。頼まれてもいないのに相手の事情に踏み込み介入することで、善意で行った行動が結果として悪意に満ちたものになりかねない恐怖。ブラックペッパーとして戦闘に介入しつつ場を混乱させた拓海が思い悩む気持ちも分かろうというものです。

でも、やっぱり相手を思っての行動は伝わるものがあるのだと思うし、善意によって生じた行動がよりよい世界を生み出す力となって欲しい気持ちも当然ある。善意が独り善がりのものであったり自己の欲求を満たすものに終始したものであれば、それはお節介になり得るものですが、真に相手を思う気持ちからの行動であれば確実に伝わるものがあるのだと思います。

ブラックペッパーとしての拓海の行動もゆいと彼女が大切にしている「ご飯は笑顔」という信条を守る為の、周りにいる大切な人たちの食に纏わる思い出を守りたい気持ちからの自発的な行動であり、そこに格好いいところを見せたいとかヒーローのようになりたいといった打算的な気持ちはないのである。その点において彼もまた純粋で使命に準ずるプリキュアと何ら変わることはないのだ。

今回のゲストキャラであった湊と麻恵の関係にしてもね。伝説のクレープを介した共通の思い出。幼馴染でもある二人の思い出の発端には、風邪を引いた麻恵の身を案じ喜んで欲しいという一途で純粋な湊の気持ちから来る彼の善意に基づいた行動が根底に横たわっていた。独り善がりにならない配慮がなされた相手を思う行動。拓海も湊もそこは共通していて、だからこそそこに込められた気持ちが相手に正しく伝わるのではないだろうか。

食を通じ思い出の味を介して伝わる気持ちもあれば、それを作り再現する過程で伝わる気持ちもある。直接言葉で伝えられる気持ちもあれば、文字を通して伝わる気持ちもまたある。色々な気持ちの伝え方を感じる中で、その全てに相手を思う純粋で一途な気持ちは共通しており、善意に基づく行動において大切にすべき精神とは何かを、自分の行動に思い悩む拓海がそれを乗り越えていく先に見た思いでいっぱいです。

その気持ちの伝え方という観点が、次回のここね回の導入として機能していたのも上手い繋げ方だなと思えましたし、相手を思う気持ちの大切さを説いた後に、相手のことを思いすぎるあまり自分の気持ちを素直に伝えられなくなったときに、それらとどう向き合い折り合いを付けていくのか。ここねと両親の関係性でそれをどう表現してくれるのか楽しみなのです。

悩めるお年頃でナルシストルーの揺さぶりに動じることもありましたが、拓海の気持ちがゆいにも伝わったようで何よりなのです。あまねさんも察する拓海とゆいの関係性や双方が互いに向けている気持ちの在り方等々。拓海とゆい、ブラぺとプレシャスとしての信頼の置き方が見て取れたのも良かったですな~。報われたいと思ってやってるわけではないだろうが、それでも視聴者目線で見たらやっぱり報われて欲しいもの。

直接的に言葉で伝えられることもあれば文字を介して伝えられる思いもある。拓海としてブラペとして。これからも影に日向にゆい/プレシャスを思い行動する彼の気持ちが、プリキュアたちの支えとなってくれるのなら言うことはないのです。

それにしてもブラペも一度失敗しても対策して失敗を繰り返さないし、プリキュア並に物理力が高いところを見せつけてくれて戦闘面においても決して引けを取ってないところは目を見張るものがありますな。ブラペとしてプリキュア達との信頼感や連帯感が高まるに連れ、今回のような拙攻というかチグハグしたところも解消されていくのだろう。まさに公私において以心伝心な関係性を育んでいって欲しい。

伝説のクレープを提供していた海外に行った移動店舗はキラパティを彷彿とさせるものがあったし、らんが唐突に言い放った前作主人公の定番フレーズ「トロピカる」という台詞もあったし、どこか歴代要素が混ぜ混ぜされていた回でもあったように感じました。秋映画はデパプリ単体?のようですが、デパプリ組と絡むならやっぱり食繋がりでプリアラ組になるのかなという妄想が膨らむ一幕でもあった。

特にキラ星シエル/キュアパルフェはね。デパプリのテーマや扱っている要素的にも親和性抜群でネタ的にも美味しそうなだけに。どこかの歴代プリキュアが集うタイミングで是非とも絡みを見てみたい。