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ワッチャプリマジ! 第41話 「プリマジ、マジ終了!?」 感想

ワッチャプリマジ! 第41話 「プリマジ、マジ終了!?」 感想

失われた愛とプリマジを取り戻すために。

アポローンと融合したジェニファーによってワッチャとコーデを奪われ機能不全に陥ったプリマジの危機。ユーフォリアの伝承の再来。チュッピとマナマナの不和によって再び引き起こされた悲劇を前に、まつり達がやったことは種族の垣根を超えた協力と共闘であり、プリマジは見た者に笑顔と希望を与え皆の心を一つに結びつけるものだと改めて意識付けられる。

魔法を使えなくてもまつりの為に継ぎ接ぎの手作りコーデを用意しようと奮闘していたみゃむを筆頭に、それぞれが自分に出来る精一杯の普通のことをやって一つのコーデを作り上げる様は、さながら砕かれた現状を今一度繋ぎ合わせようとする意思の表れのようにも映る。いがみ合いの中からは何も生まれない。それぞれが心を合わせ同じ目的に向かって団結することが奇跡を起こす呼び水となると言わんばかりなのである。

ワッチャとコーデを奪われプリマジが機能不全になったことで、各々にとってプリマジとは何だったのかを改めて振り返る契機にもなっていたし、これまでその界隈で頂点に立ち皆を引っ張っていたジェニファーが、表には見えない心の内でどれだけの苦悩を抱えながら皆に愛を届ける為に邁進していたのかに、皆が思いを馳せて自分は何が出来るのかということに思いを巡らせるキッカケにもなっていました。

ジェニファーやプリマジから受け取ったもの。それが在ったからある今の自分。それを自覚したときに厳しい現状の中でプリマジスタとして自分が出来ることは何か。ファンの皆に愛と希望と笑顔を与え、これまでジェニファーから貰ったものを今度は自分が一プリマジスタとして返すにはどうあるべきなのか。何をするべきなのか。それを見出すことがヘブンズコーデを掴む為に乗り越える最後の壁になるのかもしれませんね。

魔法もエレメンツコーデも持っていない。特別なものは何もない今のまつりですが、そんな彼女だから純粋にプリマジに向き合うことが出来る面もあるだろう。プリマジが本当に大好きで夢を貰った彼女が、プリマジと憧れのジェニファーに愛と希望をもたらすことが出来るのか。あなたにとってのプリマジとは?という問いかけから始まった一年の締め。その最後のクールがどう描かれていくのか楽しみです。

特別な使命を帯びた父親や母親が、何らかの事情で家元を離れて行方不明とか放蕩している環境は、ホビーアニメや女児アニメなどのキッズアニメではある種のお約束として度々見かけるものですが、いざ帰ってきたときにまともに怒られる展開は意外とレアというか。あまり見ないことの方が多いかもしれないと今回のお話を見て思ったりした。

娘のまつりや英吉おじいちゃんの立場からしたら、道人に対する怒りは至極真っ当なものですし。本気=マジの怒りをぶつけられるのも、それはその人が本当に大切で大好きであることの裏返しとも取れるので。期待をかけるからこそ絶望することもある。互いに近づき心を寄せ合うからこそ不和が生じることもある。今回の陽比野家の顛末はミクロ視点で見るプリマジ界隈の縮図であったと言えるかもしれない。

だからこそまつりのプリマジによって改善の兆しを見せた英吉おじいちゃんの微デレな反応は、反目し合うチュッピとマナマナにとっての希望の兆しとなり得るもの。表裏一体の関係性や感情をプリマジスタとして揺り動かすことができるのか。まつり達が目指すべき指針を垣間見た気もする一幕でありました。迷惑かけたらごめんなさい。大切な教えなのです。阿智彦とフェスリダの両名にも聞かせてあげたいよ。