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ミュークルドリーミーみっくす! 第44話 「アクムーちゃんもバレンタイン」 感想

ミュークルドリーミーみっくす! 第44話 「アクムーちゃんもバレンタイン」 感想

ミュークルドリーミーのバレンタイン回に南川朝陽の活躍あり。

一年前のバレンタイン回で華麗なる女装姿を披露しつつ、その男らしい立ち居振る舞いで話題を掻っ攫い伝説となった時から早一年。今年のバレンタイン回では惜しくも女装姿の再登場こそなかったが、主人公のゆめにだけ許された特権のチアふるタイムを単独で行う等、他の主要な女の子たちに先駆けてそれを成し遂げるなど見せ場が随所にあった回でした。

先に書いた昨年のバレンタイン回にしても、どうしても女装姿のインパクトから来るネタイメージが先行してしまいがちですが、あの時もバレンタインの概念の消失機器に加え、不測の事態に陥ったゆめが力を封じられる状況にあったなど、朝陽が立ち回らなければ本当にピンチの状況にありました。そこを思うと今年の話の流れは昨年を踏襲した形になっていると強く思わされるシーンが散見されます。

ゆめ達がアクムーちゃんの罠に嵌り行動不能にさせられ、そこを朝陽が単身で救出に向かう流れは昨年の話があってこそだと思うし、大切な人のことを真剣に思う力が状況を打開する力を、行動するエネルギーを生み出し相手に訴えかける力にもなっている。前回の感想でも書いたけどこの大切な相手を思う気持ち、独り善がりにならないという点は、二年目みっくすの大切な要素でもあると改めて感じる次第です。

昨年の朝陽も杉山先輩にチョコを渡すゆめの姿を目の当たりにし、それでもなお大切なゆめのことを想い女装してでもバレンタインを守ろうと奮闘していたわけで。そこには決してネタだけではない彼の思い遣りの心と男気溢れる生き様が反映されていたわけです。だからこそゆめにも伝わるものがあったし、我々視聴者にも訴えかけるものがあったのだと。

それを踏まえ今年はゆめを思う朝陽のスタンスはそのままに、昨年は杉山先輩にチョコを渡すゆめを見た朝陽の立ち位置にアッキーが来ており、それをもってアッキーは自分が己のことしか考えていなかったことに思い至ったわけです。その初恋とも言うべき恋心が、当のゆめや朝陽には一切伝わらず彼の中で完結し、初めての失恋を味わうのも彼の気持ちや行動が独り相撲であったことを示しているようで切なさが伴う。

この思い遣りの精神と独り善がりの構図は、ゆに様とアクムーちゃんの構図においても踏襲されており、その辛さを知っているからこそ寄り添おうとするゆに様の姿は、一年目の経験とそこからの成長を感じさせる一幕でした。かように朝陽の活躍やゆめとの甘い一時が味わえる一方で、切なさとほろ苦さを伴う味わい深いバレンタイン回に仕上がっていたと思います。昨年とはまた違ったテイストでミュークルドリーミーのバレンタイン回も二年連続で魅せてくれましたなぁ。

ここだけは本当に変わらないというか幼馴染二人だけのこの空間には他の誰も割って入ることは出来ないのだと改めて感じるのです。やはり朝ゆめこそが王道にして至高ということか。

本筋とは全く関係ないけどチョコレートショップの店員服に身を包んだアクムーちゃんが可愛かった。皆と一緒にワクワクキラキラするようなアクムーちゃんを見られる日が来ると良いですな。