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ミュークルドリーミー 第41話 「バレンタイン和菓子配っちゃお!」 感想

ミュークルドリーミー 第41話 「バレンタイン和菓子配っちゃお!」 感想

女装した朝陽くんがあらゆる意味で反則級の活躍であった。

女装した朝陽が世界とバレンタインの危機を救うべく八面六臂の大活躍!

濃密!いや、本当にあらゆる意味で濃密なバレンタイエピソードでした。女児アニメのバレンタイン回なのでゆめと朝陽の恋愛模様というかバレンタインに纏わる仄かな恋心がちょっぴり刺激され、ほんの少し関係性が進展するような仄めかしでも十分濃くなるのに、これでもかってくらい破壊力のある要素を放り込んでくるのだから味が濃すぎて胸やけしてしまいかねないよ!

ゆめと朝陽にとって共通のキーパーソンでもある杉山先輩に端を発する意見の食い違いから生じるすれ違い。プチトマトマン回と同様に夢から具現化して現実世界を侵食する程の影響力を持つ集合知を体現するような敵の登場。仕掛けたゆに達ですら気付かぬうちに消失するバレンタインの概念。不足の事態に陥りゆめが本来の力を発揮できない状況に追い込まれる等々。

劇場版でもおかしくないくらいの要素が、この一回に凝縮されていて見応え抜群でお腹一杯になる。女装云々を置いておくとしても、夢の中に閉じ込められて力が使えなくなったゆめに代わり、現実世界の方で朝陽が奮闘して問題解決の糸口を探るべくアプローチを試みる。事態解決の為に夢と現実の両サイドから攻める展開も新鮮味があったし、主人公一人に全てを背負わせるのではない展開も良かった。

最後に朝陽が労力に見合う形で報われた…か否かは受け取り側である視聴者の印象次第かもしれないが、それでもゆめから一番にチョコを貰えてわだかまりも解消されたので、やはり報われたと言って問題ないだろう。決して非モテ男子ではない朝陽なのだが、自分自身が招いたかもしれないゆめのピンチを救い出すべく、恥も外聞も捨てて正になりふり構わず女装を断行した様は、やはり格好良かったのだ。何より杉山先輩にチョコあげるという話を聞いた後に、これを決断出来る朝陽の男気溢れる生き様ですよ。

また、今回はとりわけ「概念」の破壊という観点から構成されていた回でもあったと思います。バレンタインの概念が消失したことで、チョコレートがなければ和菓子を贈れば成立する。イベントの概念を忘れ女の子がいなければ男の子が可愛く女装すれば成立する等々。いわゆる一般的なバレンタイン回とは少し異なる。ズラし方の妙によって織りなされた新しい味わいのある珍味のようなバレンタインエピソードでした。

とりわけ女児アニメのバレンタイン回なので女の子が主役を張るのが王道にして常道だと思うが、そこをあえて女装した朝陽がメインで奮闘するエピソードとして仕立ててきたミュークルドリーミーに乾杯、もとい完敗なのである。大友だけじゃなく世の女の子たちにも変な嗜好が植え付けられたのではと一抹の不安を抱きつつ。女装した朝陽、本当にいいキャラしてましたわ。南川朝陽という男はミュークルドリーミーに不可欠の存在であることを改めて確信させてくれたよ。

恒例の窓越しで行われるゆめと朝陽のバレンタインが微笑ましい

そうそう、本来はこれが見たかったのよさ!バレンタインの概念が消えかけたり、杉山先輩に対する忠告でちょっと気まずくなりかけたりしたけど、幼馴染二人にとっては当たり前で、だけど二人だけの特別な空間でもある窓越しでの手渡しが無事に行われて何よりでした。朝陽くん今回本当に体を張って頑張った甲斐があろうというものです。当日の朝に一番で貰えて一視聴者である私も嬉しいよ。

インパクト抜群の朝陽、改め女装した朝陽ちゃんの活躍に敬礼

ヒロイン勢に勝るとも劣らない。女装した朝陽の魅力にやられてしまいかねない鮮烈な印象を視聴者に焼き付けていったよ。朝陽、お前がナンバーワンだ。