大切な人に向ける愛情によって悪夢から目覚めるとき！
ゆに様とパチパチブーちゃんの間に芽生えた確かな信頼関係と互いに向ける親愛の情に涙する。最初はちあちゃんと入れ替える為だけに作られたパチパチブーちゃんは、ゆに様が手ずから用意したぬいぐるみでもあったわけですが、共に過ごす時間が積み重なる中で気が付けば掛け替えのない本当の家族のような存在になっていたわけです。
ゆに様とつぎはぎの関係もそうだけど、理由はどうあれ彼らを生み出したゆに様は言わば親のような存在でもある。普段も彼らを大切に思っているゆに様の気持ちは、その言動に随所に表れている。だからこそゆに様は皆に慕われる存在であり、血の繋がりとかそういうのを超えた確かな結びつきを獲得するに至っているのだと思います。
育児を題材にしている二年目みっくすの物語ですが、子供を育てることによって親もまた新しく気付かされることや学ぶこと。成長する側面も確実に存在しているのだ。失って初めて気が付くこともありますが、ゆに様たちにとっては子供にもあたるパチパチブーちゃんへの純粋な親愛の情が、彼らを目覚めさせるキッカケとなるという筋書きは、それ自体が親子の愛情と成長の証に通じるものになるのではなかろうかと。
親子ではないけどそれはアッキーにも言えることで、彼が思いを寄せるゆめが本気で嫌がってる姿を目の当たりにし、今まで自分がやりたかったことが本当はいけないことで間違っているのではないか？という視点に立てたのも、天才の彼が自分だけの世界に留まらずに周りにいる人に目を向けることが出来るようになり、他人の思いを汲むことによって世界の広がりを得られたからこそのもの。
大切な人に向ける感情は自己完結では留まらないだけに、そこには自分にはない視点や考え方が存在し触れる契機にもなるわけで。他人を思いやることによって自らの可能性や世界も広がる。赤ちゃんだけでなく大人側や上に立つ者の内面的な精神の成熟にも通じることで、アッキーやゆに様達がアクアクアックムーから解放され目覚めたのは、まさにその成長を示していたのではないかと思えた次第。
実写回の多さも相まって展開的に若干性急な点もあったかもしれないが、概ねみっくすでやりたかったことに対する一つの回答が示された回でもあったんじゃないかなと。他者を大切に思う気持ちや相手の思いを汲むこと。これは自分の楽しさだけを追い求めオモロー様からアクムー様に転じたアクムーちゃんとは対照的なものでもあり、そういう意味でも今回の内容は核心に迫るものだったんじゃないかな。
本編ではパチパチブーちゃんを追った皆に置いてけぼりをくらって放置され、最後はアッキーやゆに様たちと袂を分かつことになったアクムーちゃん。上述したように大切な人に思いを馳せ、アクムー思想から解放されたアッキーやゆに様たちとは対照的に、他人を顧みず自分が楽しいと思えることのみに邁進するアクムーちゃんの姿は、ある意味において子供や赤ちゃんのそれに通じるところがあると思います。
だからこそ心を通わす大切な存在を得ることが何よりも肝要であり、そういう相手が現れることで彼女もアッキー達のように変化する可能性を秘めているのではないかと思えるわけです。未だ不明なちあちゃんのドリームパートナーも、その為に不在が続いているんじゃないかなと思っているがどうなっていくか。
ゆめのことを明確に排除すべき存在として敵視し始めることになったアクムーちゃんですが、周りにいた協力者がいなくなり、歯止めがかからなくなった彼女の行動の果てにどんな事態が巻き起こっていくことになるのか。物語終盤の一騒動。その先にどんな結末が待っているのか最後までしっかりと見届けていきたい。
