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ワッチャプリマジ! 第18話 「あまねの心、秘密の花園」 感想

ワッチャプリマジ! 第18話 「あまねの心、秘密の花園」 感想

あまね様の身を焦がすプリマジへの熱く苦しい思い。

本音しか喋れなくなるトゥルーローズによって引き出されたあまねの素直な気持ち。憧れの翠子先輩に導かれるままにプリマジを始め、今もなお彼女への複雑な気持ちを引きずるあまねは、果たして純粋な気持ちでプリマジと向き合うことが出来ているのか。秘すれば花を信条とし体現する今の彼女にとってのプリマジとは何かという問いかけのような回でもあったのかなと。

それだけにどこまでも真っ直ぐ純粋にプリマジと向き合い、好きな気持ちを誰に憚ることもなく公言出来るまつりの存在は、あまねにとっては眩しく、同時に彼女の心に影を落とし苦しめる存在にもなるわけです。自分の気持を秘することなく素直にダイレクトに表現するまつりのプリマジや生き様は、あまねのそれとは対照的なものであるからこそ自分の姿を際立たせ浮き彫りにさせるのだ。

あまねがまつりに対してあまねが苦手意識というか嫌いという感情を抱いてしまうのも、あまねにとって目を伏せたい、直視したくない現実や事実を突きつけるかのような存在に彼女がなり得るからなのだろう。未だに翠子への思いというか未練に縛られているところもあるあまねにとって、プリマジと向き合う自分の確固たる思いを持つまつりは、自分には出来ないものを持つ一種の理想像でもあるんじゃないかなと。

本編内ではあまねに対するまつりの憧れの感情の強さばかりが目立っているが、まつりを見るあまねのそれにも同種のものがあると思います。もちろん彼女の人物像的にそれを表立って表明する機会は少ないが、強制的にそれを引き出すトゥルーローズの影響により、まつりを鏡写してきな存在として用いることで、あまねの信条やプリマジへの思いを巧みに表現していたのは見事でした。

もっとも翠子への思いは未だにあれど、今のあまねにとってプリマジへの思いはそれだけが全てに非ず。ひな先輩が言っていたように、翠子が去った今も尚あまねがプリマジを続けるのは、それでもやめられない理由が彼女の中にあるからであり、それこそがあまねにとってのプリマジとは何かという問いに対する回答に結びつく道筋にもなる。

対照的なまつりを鏡写しにすることで自らのプリマジへのスタンスと向き合い、改めて覚悟を持って向き合うことを決意したあまねは、今までよりも一歩先に進むことが出来たのだと思います。トゥルーローズの効果が続いているように見せかけて彼女が発した本音の「私はプリマジが好きです」という一言が、それを何よりも雄弁に物語っていたのではないかな。

ありがちな言い回しになりますが好きの反対は嫌いではなく無関心であるのなら、まつりを嫌いと言ったあまねにとって陽比野まつりは、避けようとしても避けられない、見ないようにしても見てしまう。そんな意識せざるを得ない存在で。自分とは真逆であるからこそ惹かれるものがあり、真逆であるからこそ自分を客観的に映し出す鏡にもなる。

そんなまつりとあまねの一風変わった結びつきを感じられる回でもありました。あまねが嫌いなところてんと同様に、捉えどころがないけど自由だからこそ色んな形や味になれてしまう陽比野まつり。ひなが言うようにそんな彼女をいつかあまねが本当に好きになれるようなね。プリマジを通して対照的な二人がいつかそうなれたのなら。そう思うだけで心がワチャワチャしてくるのであります。今回は他の人物たちとはまた異なる。まつりとあまねならではの特殊な関係性というか唯一無二性を感じられる回でした。

今回は要所においてまつりのミーハーな一面が出ていて面白かった。まぁ最初の頃はプリマジスタ限界ヲタクなまつりの姿も見受けられたけど、自分がプリマジスタとしてデビューして経験を積む中で、次第に鳴りを潜めつつあった一面でもあったように感じていたので。こういう属性は最近だと専らみるきやれもんが担当してそうなところなので、今も変わらないまつりの一面を感じられたところでもありました。

意外性といえばみるきとれもんの関係性も互いに遠慮がなくなってきたというか。みるきは最初からこんなでしたが、れもんの方も最初は遠慮していたところがあったけど次第にそれがなくなり本音でぶつかり合うことが増えてきている印象です。なんだかなんだ主要なプリマジスタの中において今現在、最も相性が良いのはこの二人なのかもしれないですね。