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ひろがるスカイ!プリキュア 第39話 「大魔女ヨヨとハロウィンパーティー!」 感想

ひろがるスカイ!プリキュア 第39話 「大魔女ヨヨとハロウィンパーティー!」 感想

ハロウィン、それは笑顔の輪が広がる魔法のような奇跡の時間。

いつの間にか日本では若者が仮装ではなくコスプレしてバカ騒ぎするイベントみたいなイメージが定着しつつある気もするハロウィンだが、今回の話で描かれたように日本国内においては、あくまで子供が主役となる地域交流の一環という側面を備えていたイベントで。その性質を今作ひろプリのテーマに上手く絡めて子供と一体となって楽しむ素敵な時間と空間を作り上げてくれていた。

ましろんが言っていたように普段はお話しない相手や交流のない相手とも、いつもと少し違う服を着て気分を変えることで普段と異なる自分になりきり、トリックオアトリートという共通項のある言葉で繋がりを得ることが出来る。そんな魔法のようなお祭りなのです。そういう意味では今のコスプレして周りの人と一緒に楽しむというハロウィンの在り方も本質的な部分は変わっていないとも言える。

今回降って湧いたように登場したキュアパンプキンのように、逸脱した行為で一線を越えて周りに迷惑をかけるようなことをしない範囲で楽しむのなら、それはそれで意義のあるイベントになるのだろう。要は守るべきラインを守った上で楽しめたら、みんな幸せということで。そう考えると今回のキュアパンプキンの存在と彼の振る舞いは、昨今のハロウィンの在り方に対する一種のアンチテーゼ的な意味が込められていたのかもしれない。

子供に笑顔と幸せをもたらす。それこそがヒーローとプリキュアが成すべき本懐でもあり、戦闘で皆を守ることもさることながら、お菓子を配って子供たちと直に触れ合って笑顔の和を広げたことも、ヒーローとしての理想的な在り方だったと言えるのではないだろうか。戦うことばかりがヒーローに非ず。今作のヒーロー像とハロウィンの性質が、上手くマッチングしていた回でした。

ひろプリチームの総司令的な立ち位置にいるヨヨさんが、普段の立ち居振る舞いもあって魔女と捉えられることも致し方ないことだったけど、ハロウィンフェスを通して改めてプリキュアを従える存在として認識されていたのが微笑ましい。前回のテーマじゃないけど伝説や伝承は必ずしも大仰なものではなく実態を反映しているとは限らない。ソラシド市の伝承としてこの魔女の存在が伝わっていく未来も…。もしかしたらあるのかもしれません。

何はともあれハロウィン衣装に身を包んだ皆の可愛らしい姿を堪能できて幸せでした。ハッピーハロウィン!昔自分も子供時代にご近所の家を渡り歩いてお菓子を貰っていたことを思い出した今回のお話。

純粋にハロウィンを心の底から楽しもうとしている子供のようなソラちゃんが可愛くて最高。自分がお菓子をもらえるかどうか気にするところはいじらしく愛らしいし。キュアスカイとして戦闘中でもトリックオアトリートを言ってないことを残念がってハロウィンを心の底から楽しんでいることを訴えかけてきてくれる。純粋な子供心と楽しむ気持ちを忘れないソラちゃんの可愛らしさに乾杯。もとい完敗。

お菓子大好きイタズラかぼちゃ!キュアパンプキン!まさかまさかの偽キュアの系譜に新たに連なる一人としてバッタモンダーが扮した仮想の仮装キャラ。制作サイドの遊び心が存分に発揮されているような作り込みで今回の為だけに変身シーンを気合を入れて用意する徹底ぶり。バッタモンダーさんがバッタモンのプリキュアになるんだもの。さもありなん。

過去シリーズにもプリキュアの名を騙り、プリキュアの格好に扮して悪評を広めようとした者もいたけれど、即物的で浅慮だったバッタモンダーのハロウィンに乗じた作戦、もといたくらみは幼女先輩にもアッサリ看破されてしまう始末。

一発ネタ的なキュアパンプキンでしたが、彼の巻き起こした騒動や未遂に終わったけど意図的に狙った風評被害の拡散等は、上述したように昨今のハロウィンにおける負の側面を表していたとも言える。こうなってはいけないよという一例。そんな意味合いも兼ねていたかもしれません。ともあれ衣装をいそいそと自作して、ノリノリで楽しんでいるバッタモンダーさんが見られて何よりでした。