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ひろがるスカイ!プリキュア 第36話 「あげは、最強の保育士失格!?」 感想

ひろがるスカイ!プリキュア 第36話 「あげは、最強の保育士失格!?」 感想

大切な子ども達の心に寄り添える保育士に!

奇しくも昨日のオトナプリキュアと似たテーマを扱うことになった今回のお話。親の都合による転校や転園という現実を前に、先生であるあげはがしてあげられてることは限られているし、本当の意味でたける君にとっての救いをもたらすことは出来ないかもしれない。それでも彼の心に寄り添い、気持ちに理解と共感を示す存在がいることを伝え少しでも希望に溢れる道筋を示してあげることは出来る。

思うにオトナプリキュアで転校を余儀なくされたるみちゃんは、かつてのあげはの境遇に少し重なるところがあるわけだが、家の都合で姉妹と離れ離れになり、気持ちが落ち込んでいたあげはが、顔を上げ前向きな気持ちを持てたのも、幼い自分に寄り添ってくれた恩師がいてくれたからで。辛いときに傍にいてくれて自分の気持ちと向き合ってくれる人がいることがどれだけ救いになるのか。

物理的肉体的な危機だけでなく相手の心を救うというのは、本作における理想のヒーロー像として度々触れられてきたことだが、子供心に寄り添ってくれた恩師の支えは、幼きあげはにとって誰よりも頼もしい存在と映っただろうし、心の迷子になっていた彼女に希望の光をもたらしてくれた存在でもある。あげはの言う最強の保育士が武力を指すのではなく自らの経験に基づいた心に重きを置いてるのも然りなのだ。

また、本作の理想のヒーロー像は一方的に救いをもたらす存在ではなく、守りたい相手と相互に影響を与え合うものということも、折に触れて感想内で使っているフレーズですが、あげはに心を支えられたたける君を介して憧れの恩師に再会し、その彼女から子どもの笑顔こそが今のあげはが立派な先生になれている証だと伝えられる。この相関関係もまた良かったなと思うところで。

救いをもたらしたのは大人のあげは先生だけでなく、己を不甲斐なく感じた彼女の心を、支えるべき子どもによって支えられ今の自分の姿と現実に向き合う契機となっていた。一度は閉ざされた子供心としっかりと向き合い手を取り合って通じ合う。砂場のトンネル開通と手を繋ぐ描写も秀逸で二人の関係性と心の在り方を端的に表すと同時に得難い思い出として刻み込まれた。

ひろプリ内では大人側に一番近いあげはだけど、そんな彼女も思い悩むことはあるし弱音を吐いてしまうこともある。同僚や恩師の存在を交えながら庇護対象でもある子供に教えられることや救われることもあることを。あげはの中にある大切にすべき思い。彼女が思い描くヒーロー像と保育士としての在り方が、しっかりと結びついた回だったのではないだろうか。

チーム内では最年少的な立ち位置のツバサだけど、そんな彼もあげはのことをよく見ていて。ここぞのところであげはの支えとなり、見守る存在となっていることも忘れてはならない。あげはとツバサの関係性を見ていても、やはり本作は力のある者や立場が上の者が一方的に相手を守るのではなく相互に助け合う関係にあることが見て取れる。

ナイトとして本来守るべきプリンセス、もといマジェスティに助けられたことを戦闘中に嘆いているシーンも今回ありましたが、それも本作で描かれているヒーローとしての在り方を鑑みれば致し方ないところでもあるのだろう。男の子的な心情として守るべき存在を自分の力で守ってあげたい思いが芽生えることも理解できるのだけど。

劇場版では最高に格好いい姿を見せてくれた我らがツバサくんなので、本編でもそういう姿が見られる日もそう遠くはないだろう。その思いを胸に抱き日々精進!これしかないのだ。

保育園児の頃のロリあげはさんが反則級の可愛さでズルい。今でも現役モデルと比べて遜色ない顔立ちだけど既にこの頃には片鱗を見せているというか頭角を現している。基本明るくて前向きがデフォなイメージのあるあげはなので、幼少期の姿でアンニュイな表情や仕草をしているのが余計に際立って映ったところもあるかもしれない。このあげはさんはこれはこれで良い。というか良すぎる。すばらっ!