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ひろがるスカイ!プリキュア 第23話 「砕けた夢と、よみがえる力」 感想

ひろがるスカイ!プリキュア 第23話 「砕けた夢と、よみがえる力」 感想

信じて待ち続けてくれる友達の為にヒーローガールは再び立ち上がる!

心折れて立ち止まってしまったソラが復活を果たすまで経緯と、ソラに接する周囲の人物のアプローチが非常に印象深く際立っていた。一言の相談もなく自分たちの元を去ったソラに対するツバサの困惑や憤りも至極当然の反応だと思うし、彼が言ったプリキュアは何のために一人ではなく四人なのかという仲間で戦友としての捉え方も考えさせられるものがあった。

その考え方も間違ってはいないのだろう。ただし、それはあくまで公人というか戦士としての彼女へのアプローチで。どれだけ強く志のあるソラもヒーローやプリキュアである前に一人の少女であることは変わらない。その一個人、私人としての彼女の気持ちに寄り添おうとしてくれたのがソラの家族であり、一番の親友でもあるましろなわけで。

いわば今回はこの両面からソラの気持ちにアプローチを図り、公私の面で彼女の気持ちに寄り添い背中を押す意味合いもあったのだろう。その中でもとりわけましろの存在感はやはり特別なものがあって。ソラの復活に際し、ましろプリキュアになるまでの経緯を重ね合わせ、そのことを述懐しつつ二人が再び邂逅する瞬間に、ソラを見るましろの中にある彼女の揺らがぬヒーロー像を描き出す見せ方が堪らなかった。

どれだけ強く力のあるヒーローでも一人の人間。どうしようもない現実や危機に際し、心が折れたり膝を屈し立ち止まってしまうこともある。それでも顔を上げて立ち上がり再び歩き出す強さこそが、困難に立ち向かう志こそが何よりも求められるところで。力ではなく心。志と心意気。幼少期に弱い者いじめをしていた子にソラが喧嘩で負けた時と同じように。

然るにプリキュアになる前からソラはヒーローなのである。自分が強くなることで大切な人を守れる自分で在りたい。そのソラの志に感銘を受けていたましろが、今再び立ち上がる為の力をソラに与えてくれる相互関係なのも堪らないし、その流れを受けて再起を果たしたキュアスカイが、バッタモンダーに対して毅然とした振る舞いを見せてくれたことも高揚感を与えてくれる。

ソラに大きな影響を与えてくれた人とソラに大きな影響を受けた人。それぞれの立場からソラのヒーローとしての在り方を支え形作るための一助となっていたことが嬉しかったし、その中でも「わたしのヒーローさん」と称してソラを奮い立たせてくれたましろの優しさと、ソラに向ける全幅の信頼感を感じられたことが、かつてない昂りと充足感を私に与えてくれました。正妻はやはり強し。

これからも立ち止まることはあるし立ちはだかる壁を前に折れかけることはあるかもしれない。それでも心を奮い立たせ困難を乗り越える度に強くなっていくソラがいてくれると前よりも強く思えるようになりました。

バッタモンダーに対するキュアスカイとキュアプリズムの毅然とした振る舞いに痺れる!キュアスカイ復活に際して他者の尊厳を踏みにじり外道の限りを尽くしたと言ってもいいバッタモンダーに対する処遇は、一つ見どころになると思っていましたが、相手をどうこうするのではなく自らを高め抑止力となることで、彼の行いを止める形に持っていったのは良かったのではないかなと。

傷つき立ち止まっても再び歩き出し乗り越えていく。今までの自分よりも心身ともに強くなって邁進していく姿こそが、ソラのヒーロー像であり、ましろを始め多くの人がその姿勢に影響を受けている。ヒーローとしてのソラに影響を受けたましろが、15話のスカイと同様にバッタモンダー相手に怯むことなく立ちはだかる姿を見せてくれたのも、ソラから良い影響を受けたことの表れと言えるだろう。

自分の弱さや情けなさと向き合い強くなったソラと、プライドは高いのに自らの弱さや非から目を背け、虚構めいた強さに縋り付くバッタモンダーの対照的な在り方。その彼がヒーローガールとしてのソラの姿勢に触れた時にどのような影響を受けるのか。彼の末路がどうなるかもやはり楽しみなところの一つなのです。

今週のエンディング前担当はキュアドリーム!夢見る乙女の底力と人気は令和になった今でも健在であり、多くの人に夢と希望を与えて多大な影響を我々に与えてくれている。夢は一つではなく見失っても壊れてもまた生まれるというソラパパの台詞にもあったように、今回の話はプリキュア5で描かれていたテーマに合致する内容も含まれていたように感じます。

以前の感想でも触れたけどこのエンディング前担当に出てくる各シリーズのプリキュアは、それぞれのシリーズでテーマになっていることと、その回の内容に合わせる形で出ているのかなと思えたところもありましたが、今回順番的に回ってくるはずだったキュアピーチがあえて飛ばされたことで、その思いはより強くなった。

というか制作サイドの方がピーチは特別な回での登場の為に待機というツイートをなされていたので。もうそういうことなのでしょう。プリキュア史上でも屈指の漢でもあるラブニキが、どのような内容の回で満を持しての登場となるか。今からとても楽しみです。同時にのぞみ/ドリームはね。秋から始まるオトナプリキュアの方も楽しみだし。秋映画の告知も始まってプリキュアの熱量はますます高まるばかりなりなのです。