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ひろがるスカイ!プリキュア 第42話 「迷いをこえて 未熟なヒーロー!」 感想

ひろがるスカイ!プリキュア 第42話 「迷いをこえて 未熟なヒーロー!」 感想

未熟であることを受け止め仲間と共に前に進み続ける覚悟を決める!

愛する人の為に戦う。大切な人の為に行動する。スキアヘッドの根底にある行動理念を知ったソラが、戸惑い逡巡した理由は、やはり彼もまた自分たちと同じなのではないかという思いから生じた葛藤で。善悪の境界やどちらの側という視点ではなく、自分たちと同じく大切な人を思う気持ちや心があるのなら、戦いではなく対話の果てに分かり合うことも出来るのではないか?

それ故にあと一歩を踏み込むことを躊躇ったソラの心情は痛いほど理解出来る。何も相手を打ち倒すことだけがヒーローとしての在り方。その全てではない。敵対している相手すら丸ごと救い皆が幸せになる。そんな吹けば飛ぶような理想論と言われようが、それを本当に実現することが出来る可能性が僅かでもあるのであれば。それを掴みに行かない理由もまたないのである。

もちろん目指す理想が高ければ高いほど実現することは難しい。口で言うほど簡単なことではないし、自分が相手を理解しようと務めたとしても相手が同じように返してくれるとも限らない。でも、だからこそ自分と気持ちを同じくする仲間と共に手を携えて困難に立ち向かい、皆で理想を実現することに意義が生まれる。たった一人のヒーローが全てを解決するのではなく、一方的に助けるだけの関係性でもなく。

互いに支え合い助け合う。一方的ではなく相互に作用し合う相関性というのは、今作ひろプリで度々描かれてきたテーマであり、私の感想の中でも何度か触れているところでもある。今回の葛藤し惑うソラの素振りや周りの反応にもその性質は表れていたように感じる。一定の研究成果を出したツバサのように、自分も一人で自分の気持ちに向き合い答えを出したい。

ソラのその姿勢は我儘だと伝えたツバサですが、本当に大事な心の内は自分自身で答えを見つけ出さねば解決しないのも真理ですし、これを以てソラが独り善がりであるとは言えない。むしろ、以前一度心を折られた時と異なり、今回は自分で何とかしたいという思いを周りにしっかりと意思表示をして伝えていたし、先程のツバサの言葉にしても、ソラを案じていることを伝えたましろにしてもそうで。

今回は皆が自分の気持ちを相手にハッキリと伝えた上で、その行動や気持ちを尊重するスタンスを取っている。ここが何より大きいのかなと思います。ソラも何も告げずに塞ぎ込むわけではなく、皆が自分の意思を汲んだ上で見守ってくれていると知っていることで心を支えられていた面もあっただろう。息抜きの為の連れ出しや戦闘時の全面サポートにしても同じことが言える。

一人で抱え込んでいるようで決してそうではない。未熟であることを痛感しながらもしっかりと向き合い、立ち止まることなく皆と進み続ける覚悟を固める。ソラがスキアヘッド相手に導いた結論。仲間と共に目指すヒーローとしての在り方。ソラが自分だけのヒーロー像を見出すにあたり、これまでの経緯と今回の逡巡、仲間との関係性が存分に活かされた形になっていたように映る。

幼少期からつい最近まで友達が出来なくても一人きりで理想のヒーローであろうとし続けたソラが、その中に仲間の存在を介在させて新たな理想の姿を語る。これがソラの心情的にどれだけ大きな変化であるか。最初の頃と比べてソラがどれだけ人としてヒーローとして大きくなったことを示すのか。それはもう言うまでもないことだろうと。

自分の中で一つの答えを見出し迷いが晴れたことで見せてくれたソラの毅然とした眼差し。そこに頼もしさを感じるのと共に、これから終盤を迎える物語の終着点。見据える先を切り開く力強さを感じられて頼もしい。主人公ソラが邁進してきたヒーロー道。その結実を見ることが出来て何よりでした。

今回の影の功労者はやっぱりツバサくんだろう。街の防衛システムの構築やプリキュアでないものでもキョーボーグを浄化させられる可能性を秘めたキラキラエナジーの研究で一定の成果を出したこともさることながら、ソラ相手にハッキリと物申すところや、キュアウィングとしてキュアスカイの思いに寄り添い率先してサポートを先導する姿等々。

公私に渡って大活躍していたところは見逃せない。ましろやあげはもソラの意思を汲んでツバサを宥めたり街に連れ出したりと、全員が全員自分に出来ることを行い、大切な相手のことを思って行動していた。ひろプリチームの結束の固さを改めて感じたし、ここまで一丸となって行動できるようになったことが感慨深い。

抜群のスタイルの良さを際立たせてくれたシャララ隊長の私服姿が眩しい。ジャージ姿でも品があって脚の長さが強調されているのが反則です。こっちの世界の案内に際しても、初期のソラと同じ物を見ているのに冷静な反応を示していたりして両者の違いを見比べるのもまた一興。

その中でもジャージをいたく気に入っていた様子が新鮮で。ジャージ部魂が宿ったようにジャージに絶大な信頼を寄せるシャララ隊長の姿がツボでした。ツバサの研究と動きやすいジャージがあれば敵はなし。最終決戦にジャージ姿で助っ人参戦するシャララ隊長が見られる日は・・・まぁこないだろう。