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ひろがるスカイ!プリキュア 第31話 「新たな脅威!エルちゃんを取り戻せ!」 感想

ひろがるスカイ!プリキュア 第31話 「新たな脅威!エルちゃんを取り戻せ!」 感想

突如として降りかかる絶望と差し込んだ希望の光!

いつまでも続くと思っていた今の日常。当たり前のように享受していた平和が、不断の努力の上に成り立つ尊いものなのか。それらが如何に儚く脆く時に呆気ない程に容易に崩れ去るものであるのか。新章開幕と共に繰り広げられた怒涛の展開の連続と、掛け替えのない日常描写の後に訪れる大切な物を失った絶望感と喪失感。そこに差し込んだ一縷の希望の光と押し寄せる情報の波に只々圧倒されてしまう。

今までの敵の比ではない程にソラ達の目線で見ても脅威を感じる陛下の右腕スキアヘッドの襲来。今まで断片的に登場しながらも、その実態が殆ど掴めなかったカイゼリン・アンダーグの積極的且つ直接的な介入等々。事ここに至っても未だに朧気にしか見えていなかったアンダーグ帝国側の実情が、徐々に明るみになってきたというだけでも新展開の取っ掛かりとして十分すぎる程なのにね。

それに加えてエルちゃんは本当にアッサリと敵の手中に収まり帝国の最深部まで連れ去られるというピンチに次ぐピンチだったので。ここで引いて次回に救出する展開でもおかしくはないのに、その直後にエルちゃんの不思議な力が作用して追加戦士である新たなプリキュア・キュアマジェスティが突如降臨するのだから展開として激アツだし内容としても非常に濃いものがありました。

もう取り戻せないかもと思った大切なものが戻り、如何にそれが尊く得難いものだったかを改めて噛みしめる姿や、新たな強敵を前に今一度決意を新たにする姿など。ソラたちの内面的な心情の動きという意味でも、非常に大きく揺れ動いていた回だったと感じる。最後にましろんを宥めるエルちゃんの姿は、神々しさすら感じさせる印象深さがあって堪らんかったです。

キュアマジェスティ登場までの過程は、割と突発的に感じる性急さがあったかもしれないが、それだけに登場時のインパクトも絶大でしたね。一部でバレがあったみたいですが、少なくとも例年みたいに公式が登場を予め告知したり次回予告や新商品の展開で来るなと事前に身構えることはなかったので。やっぱり本編で初めて解禁されたときの衝撃は、何物にも代え難いほどの味わい深さがあるなと嬉しくなりました。

夏休み期間が明けてのっけからフルスロットルで飛ばしていく衝撃的な新章の幕開け。ここから追加戦士のキュアマジェスティを交えてどのような物語が展開されていくのか。力不足を実感したソラ達が、新たな脅威を前にどのような成長を遂げて立ち向かっていくことになるのか。楽しみは増すばかり。

追加戦士ならではの風格と神秘さを兼ね備えて登場したキュアマジェスティ。本当に突然の参戦にビックリしたけど、彼女が降臨するまでの過程もまた良かったなと思えることが多かったですね。OPでも描かれていた偉大なる初代オマージュのシーンを筆頭に、色々なところで受け継がれている魂というか。継承しているのだと思える要素も多かったので。

ソラがヒーローを志したのは幼少期にシャララ隊長に救われたことであるが、成長した彼女が守るべきものの為に体を張り、その広い心と慈愛の精神で以て自らを守護してくれていたことは、エルちゃん自身も身をもって感じ取っていたことだし、彼女のヒーローとしての在りようをずっと傍で見続けていたことは言うまでもない。

そのソラ達がかつてないほど危機的な状況に追い込まれたのを目の当たりにし、自分も大切な人を守りたいという強い思いが生じたからこそ、エルちゃんも秘められた力を開放してキュアマジェスティが登場するキッカケを得たので。ソラたちがエルちゃんに対して抱いた思い。彼女らが大切にしているスタンスを、エルちゃんもまた受け継ぎ己がものとして身の内に宿しているのだ。

ソラたちとエルちゃんの間にある繋がり。またシリーズを超えてなお受け継がれているプリキュアが宿している精神と言いますか。そんな色々な繋がりをキュアマジェスティの登場で確かに感じられたように思います。

今までの敵幹部と比べても抜きん出た力を持つスキアヘッドの脅威だったりキュアマジェスティの登場だったりと、今回は割とシリアス要素に振っていた回だったと思うけど、その前に描かれた日常パートの和やかな雰囲気があったからこそそれらもより際立って見えたかな思う。プチいやいや期のエルちゃんを叱って嫌いと言われて落ち込むソラやあげはの様子も可愛らしくて面白かった。

エルちゃんのプリキュアファッションショーや、どのプリキュアが一番かを問われてエルちゃんの答えをドキマギしながら見守るひろプリチームの姿は、本当に仲良し家族の穏やかな団欒を思わせて微笑ましい光景でありました。こういう平和で楽しい時間を過ごせること。それが何よりの幸せ。

店員さんの問いかけは事によっては戦争を引き起こし別の意味での脅威を生みかねないものであったけど深くは考えないようにしよう。触らぬ神に祟りなし。