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ひろがるスカイ!プリキュア 第47話 「さよなら一番星!プリンセスのめざめ!」 感想

ひろがるスカイ!プリキュア 第47話 「さよなら一番星!プリンセスのめざめ!」 感想

大きなプリンセス・エルレインから託される力と願い。

物語が最終盤に差し掛かるタイミングでのエルちゃん/キュアマジェスティの強化。それに加えて現代においてもエルレインとの邂逅を果たす等、重要イベントが目白押しな回。しかし、茶目っ気や悪戯っ気が加わり過去とはまた違った印象を抱かせるエルレインの言動も相まって、ちょっとした女子会をやっているようなノリで進行する話が、シリアスに寄り過ぎない心地良さを感じさせてくれる。

皆に願いを託し別れを告げる最期のシーンに至っても、寂しさはあれども悲壮感を感じさせることはなく、あくまで今を生きるソラ達の希望に溢れる未来を願って背中を後押ししてくれるものになっていた。ただ、それだけにエルレインの願いと力を受け継いだ今もなお分からないアンダーグ帝国との交流の断絶と、あの心優しき少女だったカイゼリンが変貌を遂げるに至った経緯の実態。

事ここに至っても判然としない真相の不透明さに対する不気味さと、双方の間に生じる齟齬を際立たせてもいたように感じる。エルレイン様が嘘を言っているなどとは到底思えないし、カイゼリン様も含めてそれぞれが主観で認識できていない決定的な何かが、この双方の悲しきすれ違いと諍いを生み出した要因であることは想像に難くない。

伝説や伝承は必ずしも全てを正確に伝えているものとは限らないし、実際に向き合い触れ合うことで初めて実態に気付けることもある。それは終盤に入って本編内でも度々触れられている点だけど、物事に対して抱いていた認識が、実は全く違ったものということはままあるものです。

お淑やかで聡明な気高き孤高のプリンセス。そんな印象すら抱かせたかつてのエルレイン様も、今ではアゲー!と言ってイェイ!なんて決めポーズをするようになっていた。ただ、それはどちらかが偽りということではなく、当時の状況と今の状況の置かれている環境や立場の違い。様々な交流を経て年を重ねることで生じた彼女の中にある一面であり、受け取り側の認識によって変化するものでもある。

故にキュアノーブルが父を手にかけたとするカイゼリンの認識もまた、必ずしも実態を正しく捉えているとは限らない。本当にそれを直に目撃したのか。誰かから伝え聞いたり歪められたりしてはいないのかという見方にも繋がっていくのではないかと思います。見方や視点を変えれば正義と悪も入れ替わる。

今の争いに繋がる全ての発端。怨恨の念を生み出した当時の真相や如何にということで、残り三話となって本当に最終盤に突入してますが、最終的にはカイゼリン様の心が救われ託されたエルレイン様の願いが結実するようなね。皆が幸せに前を向けるような未来が訪れることを願ってやまない。本当に残り僅かとなったひろプリの物語を最後まで堪能したい。

最後まで一途な忠臣で在り続けたスキアヘッドも果たしてこれで本当に退場となるのか。前回を見終わった時点のことだけど、腹心と思われていた彼が真の黒幕にしてラスボスというゴーヤーンのようなポジションに収まる可能性もあるのかなと思っていたので。これで本当に退場となるのなら、彼の忠義は本物だったし愛しい人の為に寄り添い戦い続けた彼の生き様は、ある種のヒーローの道だったとも言える。

実際スキアヘッドの存在に心を救われていたカイゼリン様がいるのは紛れもない事実。その唯一の心の拠り所を奪われたカイゼリン様の心中たるや察するに余りあるが、こうなってくるとアンダーグエナジーというエネルギー。怒りや悲しみといった負の情念の集合体というか。いわば実態のない概念的な存在がラスボスという可能性も出てきたのかもしれませんね。

アンダーグ帝国側の彼らが最終的にどうなるのか。それもやはり本作の見どころの一つとなるだろう。

プリキュアシリーズ最新作『わんだふるぷりきゅあ!』のキービジュアルとメインキャストも本日お披露目!今作ひろプリでは青キュアのスカイが主人公枠ということでも注目を集めましたが、わんだふるぷりきゅあでは今までだと妖精枠に該当するだろう犬飼こむぎ/キュアワンダフルがメインキュアのポジションに収まるようで。人間形態と動物の姿を常時使い分ける感じになるのかな。

人間キャラと飼っている動物がそれぞれプリキュアになりそうな気配ということで、早くも追加戦士がどうなるかという点でも盛り上がりを見せているようだが果たしてどうなるか。作風とかモチーフ的にはプリアラチームは親和性高そうだし、中でも剣城あきら/キュアショコラや、妖精枠だとパフやパムパムあたりは混ざっても全然違和感なく溶け込めそうな感じで。時期尚早だけど映画での絡みも今から楽しみ。

あとはやっぱりメインキャストですよね。長縄まりあさんは本当に幼い系の可愛らしいキャラを演じるイメージが個人的には強く、持ち味と強みを存分に発揮してくれると思えますし。種崎敦美さんに関しては演技力・実績・知名度どれをとっても抜きん出ていて今一番勢いのある声優さんの一人ではないかと。正直いつプリキュアになってもおかしくないと思っていました。

ただ、昨年の映画プリキュアオールスターズFでプーカ/キュアプーカを演じた直後だったので、その翌年のテレビシリーズでメインキュアに抜擢されるとは流石に思わず。そういう意味での驚きはありました。プーカは基本的に映画限定キャラ枠だと思うが、それでもプリキュアの名を関するキャラを複数演じる事例も結構レアなんじゃなかろうかと。

ともあれタイトルの「ぷりきゅあ」もひらがな表記になり、要所要所で新たな取り組みを予感させてくれる新番組わんぷり。みんな仲良し!わんだふる~!次回作も本当に楽しみです。