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ひろがるスカイ!プリキュア 第20話 「ましろの夢 最初の一歩」 感想

ひろがるスカイ!プリキュア 第20話 「ましろの夢 最初の一歩」 感想

思いやりに溢れるましろんならではの心優しき夢。

他の皆が明確にやりたいことや目標を持つ中で、心の底から打ち込めるものや楽しめることを未だ見いだせないましろの夢への第一歩。ましろの特徴や個性、強さを表すものとしてこれまでも折に触れて彼女の優しさがクローズアップされてきましたが、人に優しく出来るということは、相手のことをよく見ていてその人の心に寄り添えること。相手に思いを馳せることが出来る人とも言えるだろう。

自分だけが幸せになるのではなく、面白いことや嬉しい気持ちを誰かと共有できたならもっと楽しい。その喜びを知ってもらいたい。その気持ちをエルちゃんの育児を通じて感じ取り、そこに端を発して言葉で上手く伝えられなかったことを、自分の思いや教訓を通じて沢山の人に届けたいと思い至る。このプロセスが良かったかなと思えるところです。

エルちゃんの育児要素がましろの夢へのキッカケをくれたということも勿論ですが、必ずしも言葉では通じ合えない相手でも、芸術や文化などを通じて共感し合えることもあるだろう。赤ちゃんや異なる世界の者と日常的に交流する本作ならではの要因もあり、理念や考え方が異なる相手に対するアプローチと言いますか。そういう人たちを相手にしたとき、相手の気持ちに立ち思い遣ることができる。

そんなましろの特性が際立ち光を放つ側面が確実にあると思うので。ソラやツバサが年齢の割に最初から良く出来た人間性を備えた人格者なのもあったので、意思疎通を図るのが難しい赤ちゃんで、自分の気持ちを上手く伝えられない、伝わらないエルちゃんの存在を、ましろの夢のプロセスへの過程に上手く組み込めていたのかな感じた次第です。

出会った当初のソラへ贈ったくもパンだったり、今回のエルちゃんに向けたオリジナルの絵本作りだったり。ましろんの根底には、やはり大切な誰かの為に自分が出来ることは何かないかという思いがあり、そこに向けて熱量を注ぎ込むことにやりがいを感じ充実感を得る彼女がいる。他の人のために頑張るときにこそ存在感が際立つましろの強さや特性を改めて感じられた。

人の長所としての優しさは時に無個性に捉えられることもありますが、人として強く心に豊かさを備える人でなければ他の人に優しく出来ないし相手の気持ちに寄り添うことも叶わない。ましろんの芯となる部分を見ることが出来たし創作分野においての資質を感じさせてくれた彼女が、絵本作家を始め創作もましろんの可能性もまさに無限大。今後どのようにして夢を追っていくことになるのか。しっかりと見届けたい。

基本的にエルちゃんは良い子な部類だと思うけど、今回やファーストシューズの回みたいに赤ちゃんらしいワガママっぷりを見せてくれることもあって心身ともに成長途中であるのはプリキュアのみならず彼女もまた同じであることを窺わせてくれる。ひろプリの最後にエルちゃんがどこまでの成長を見せてくれるのか。それもまた一つの楽しみなのです。

隙あらば仲睦まじいおねショタを見せつけてくれるツバサくんとあげはさん。いいぞ、もっと供給してくれ!

今週のエンディング前担当はキュアメロディ!どこまでも真っすぐで友達思い。だけど親友に対してはちょっと不器用なところが愛らしいお気に入りプリキュアの一人なのです。思いやりの精神に溢れ他の人の為にこそ真価を発揮するというのは歴代プリキュアの多くに通じるところかもしれないが、響はとりわけその傾向が強い一人でもあるかなと思います。

ケーキ屋の娘であった相方の奏と異なり、特殊な家庭環境や経緯から自分の夢に物語中盤まで素直になれず、自分のやりたいことを見出だせなかったところ。響の場合は片親だけど母親と離れて暮らしていること等々。今回のましろんに共通する部分もいくつかあるように感じた次第。