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ひろがるスカイ!プリキュア 第13話 「届けて!はじめてのおくりもの」 感想

ひろがるスカイ!プリキュア 第13話 「届けて!はじめてのおくりもの」 感想

新たなる門出は清々しく青空のように晴れ渡る気持ちで迎えたい!

新たな旅立ちに際しエルちゃんの為のファーストシューズを巡る最中、もう一つの家族である緑さんの苦悩や自らの気持ちを押し殺す姿を目の当たりにすることで、本音を隠したまま表面上の笑顔で取り繕うとしたソラとましろが本当に大切にすべき気持ちの整理の仕方と向き合い、その上で言葉ではなく繋いだ手と自然に溢れ出る涙で本当の気持ちを伝え合う。その見せ方が素敵でした。

あげはにも泣いていい、いい子すぎると言われるほどにね。人に尽くし自分のことより他人のことを優先してしまう傾向がソラとましろの二人には確かにある。その二人が同じ屋根の下で一緒に暮らす生活の終わり。別れという大きな節目を迎えるにあたって、泣いたり駄々をこねてもいいのだと。時にわがままや自分の気持ちに素直に従うことも大切なのだと自覚したことは非常に大きなことでもある。

伝説の戦士やヒーロー。規範的な存在としての立ち居振る舞いを求められる側面がある。本作におけるプリキュアの位置づけ。靴選びでイヤイヤを繰り返したエルちゃんの姿と、自制を促すソラたちの姿があるからこそ、緑さんに対して気持ちを爆発させたシーンも映えるのです。わがままを言うのは何も赤ちゃんだけではなく、人であるからこそ大人も時に感情を表に出すことも大切なことなのだ。

プリキュアの力を戦闘行為ではなく緑さんを空港に連れて行く為に用いたのもその表れで。ヒーローとして困っている人の力になる。その気持ちに寄り添いその人のための一助となる。誰かに強制されたわけではなく、他でもないソラとましろの二人が心の底からそうしたいと思ったからこその行動の発露。自分の気持ちに素直に付き従うという意味でも今回の変身シーンは印象深いものがありました。

空港の緑さん家族の触れ合い。それを見届けるソラとましろの二人など、直接的な言葉の伝達のみならず、表情や僅かな仕草で心の内に秘めた思いを伝達する。そういう演出面も非常に際立っていた。ヒーローを目指す者であろうと時にわがままや感情を顕にすることも大事であること。大人であろうと本当の気持ちを伝えることで清々しく晴れ渡るような気持ちになれることを感じられる意義深い回でした。

物語全体の構成的にも一つの区切りでソラシド市を舞台に繰り広げられた話が、次回からはスカイランドへ舞台を移し繰り広げられる。その渦中でソラたちが育み築き上げてきた結びつきと、当初からの精神的な成長や変遷を感じられて嬉しかったし、本作が掲げるヒーローとしての在り方と、人として当然に持つべき感情への折り合いというか。その辺りを掘り下げてくれたことも大きかったなと。

ひろプリも次回からは新章開幕。スカイランドでの新たな出会いと再会。訪れるであろう新たな脅威を前にしてソラたちがどんな展開を繰り広げてくれるのか楽しみです。暫くスカイランドへ滞在することになるのなら、キュアバタフライの参戦は思っていた以上に遅くなりそうだが…。その辺りのことも気に留めつつ新展開を楽しんでいきたい。

感情を素直に表に出せず、というか出さずに内に留めてしまう良い子のソラとましろん。それが二人の良いところでもあるが、彼女たちだってまだまだ成長途中にある子供であることも事実。むしろ、多感な思春期の最中にあるだけに、その心の在り方は赤ちゃんのエルちゃん以上に時に複雑で難しい。それを年上であるヨヨやあげはが見守り、さり気なく促してくれているのが良いよね。

トンネルの調整を理由に同じ屋根の下、みんなで一緒に暮らす生活。その最後の夜でソラとましろが気持ちに整理をつける為の時間をヨヨおばあちゃんが作ってくれていたし、わざと寝たふりをし豪快ないびきをかいて二人が気持ちを伝え合う機会を作ろうと身を挺して促してくれるあげはがいました。年上である彼女らの気遣いは素敵なエッセンスとしてソラましの二人を包み込んでくれる。

エルちゃんと同じように子育てに奮闘するソラましの二人もまた、年上で大人の二人に見守られて成長の途上にあるのだと改めて思える良い一幕でありました。幼い頃から理想のヒーロー像を追い求め年相応の少女が持ちうる衝動や感情を押し殺して生きてきたソラ。両親と離れて暮らしながらも不平不満など持ちえず純粋で人のために優しくなれるましろん。

およそわがままとは無縁の二人だからこそ、時にそれを発露させることも大事だし、その心を理解した上で発現を促してくれるヨヨやあげはがいてくれることがとても有り難く頼もしい。

本当に言いたいことや伝えたい思いを表に出さず、取り繕った言葉を交わすソラまし二人きりの夜のシーンと、言葉はないけど表情と仕草から互いに思っている感情をダイレクトに伝え合う空港のシーン。その対比と対照的な見せ方が素敵で本当に素晴らしい見せ方でした。時には言葉で直接思いを伝えることも勿論重要だが、あえて語らないからこそより明確に伝わることもある。

空港から無限の青空に向かって飛び立つ飛行機ではないけれど、新たな段階へと踏み込んだソラましの関係性とその在り方に、心澄み切らずにはいられない一幕でした。いや~、尊いという言葉はこういうときの為にあるものなのだと改めてね。自分の語彙力のなさが悔やまれる!

キュアップ・ラパパ!今週のエンディング冒頭に登場したのはキュアミラクル!歴代でもトップクラスに好きなプリキュアの一人ですが、異なる世界との交流とか自分の既知を飛び越えて無限に広がる新たな可能性に飛び込む要素は、まほプリにも通じる要素だなと改めて感じた次第です。まほぷり2(仮称)も決定してますし、それを見届けるまでは生き残らないと。