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ひろがるスカイ!プリキュア 第21話 「ひろがれ!知識の翼」 感想

ひろがるスカイ!プリキュア 第21話 「ひろがれ!知識の翼」 感想

どこまでも繋がり広がる知識が人をより彩り深く形作っていく。

プリキュアとなり思わぬ形で空を飛ぶという長年の夢を叶えてしまったことで、それまで注ぎ込んできた熱量をどこに向ければいいのか分からず、宙ぶらりんになっていたツバサが次の夢を見出す過程において、学ぶことや知識を得ることの意義を示してくれるのと同時に、それまで培ってきたものが決して無駄なものではなく、今までの自分とこれからの自分を形作る肥やしになっている。

それを実感させてくれる話運びが綺麗。なんでも知っていて行動力に溢れるヨヨさんが指し示してくれる道のり。それも畑作業や戦闘時に思いもよらない形で役立つを伴う実体験を通すことで、より実感が伴い説得力のあるものになってくれているし、農作物と同じように人の可能性もまた色々な知識や経験を注ぎ育まれる中で広がりと深みを増してくれるものだと教えてくれている。

学ぶことにより自分の見えることや理解できることを増やしていければ、それだけ知らなかった時よりも多くのことに気づくことが出来るし、自分の中で取れる選択肢を増やすことも出来る。学ぶことの意義だけではなく具体的にやりたいことや夢を見出すためのアプローチとしても、色々なことを見聞きし触れること。知らないことや興味のあることを知っていくことは大切なのだと。

ヒーローを目指すソラに保育士を目指すあげは。そして、前回作家として創作することの楽しみを新たに見出したましろが居るわけだが、誰よりも先んじて夢を持ち努力していたツバサが、その夢が叶った後にどうしていけばいいのか。夢の先にある新たな夢や、途中でやりたいことや挑戦してみたいことが変わった時に、それらとどう向き合っていけばいいのか。

そのために求められる姿勢というか。見聞を広めることや学ぶことの尊さを結びつけて示してくれていたと思うし、こうして見るとひろプリチームは色々な視点や形で夢に向かって頑張ることの意義を、その生き様で以て見せてくれているのかなと改めて思えた次第です。今すぐ役立つわけでもなく花開くまで時間がかかるかもしれないけど学んだことや挑戦してみた経験は決して無駄にならないし消えたりもしない。

それを無駄にするか否かは本人次第なところもあるかもだけど、ツバサのように前向きな気持ちで物事を捉え次への道の為に進んでいける子であるなら問題は何もないだろう。年長者ならではのヨヨさんの気配りと発する言葉の説得力が光る回だったのではないだろうか。各キャラ個別回を経てのソラ回。物語全体で見ても折り返し地点に差し掛かりますし、ここからどんな山場が訪れるのか。次回も楽しみ。

ピーマンが嫌いというか苦手なことが判明した我らがあげはさん。苦手なものに対する抵抗感で今まではやはり率先して食べたいという気持ちは起こらなかったのかもしれない。でも、ましろんお手製のカレーマヨを付けてると食べやすく意外とイケることに気づけたわけで。もしくは、大人になって食べてみたら意外とイケてしまうとか。ともあれ、これも知らなかったことを知り彼女の中で新たな可能性が芽吹いたことの表れと取ることも出来るだろう。

この経験があげはのピーマンに対する苦手意識を払拭する一助になるだけに留まらず、今後ピーマンが苦手な子どもと相対したときに、保育士としての彼女がその子と向き合うことに役立つことが将来的にあるかもしれない。今すぐ直接的に役立つわけではないかもしれないが、これもまた知ること、実際に経験してみることの意義を指し示す一幕だったと言えるのではないだろうか。

こうして見るとひろプリチームは自分の夢や目標を、早い段階で具体的に持っている子たちで形成されているのだなと改めて思い知らされる。ツバサもプリキュアになる前は航空力学を始めとする専門的な分野の学習に励んでいた子ですし。多感な時期の少年少女なので色々なことに触れる中で夢が変わったり時に挫折することだってあるだろう。

そうしたときにどうするのか。再び立ち上がり夢に向かって再度歩み出せるのか。そういうところも本作の見所にして描きたいテーマの一つでもあるのだろう。のんびりまったりしてるツバサくんもこれはこれで見ていて和むので。頑張るための休息、これもまた大事なこと!

今週のエンディング前担当はキュアブロッサム!こころの種を守り育んできたハトプリの内容を鑑みるに、今回の話のテーマと合致するところがあるなと感じるのは言うまでもない。つぼみやえりかも割りと初期段階からやりたいことや夢を持っている子でしたし。一方でいつきのように自分の在り方に思い悩んで乗り越えていった子もいて。そして頼れる年長者ながら不安定なところもあるゆりさんと。

こうしてみるとチームの人数もさることながらハトプリとひろプリのメンバーって似通っている部分があるのかもしれない。チーム内での役割とか成長曲線というか。男子の子らしさを求められたいつきと、初の正式な男子プリキュア枠であるツバサ。そして互いに黄キュア枠。構造的な面から見ても面白い相関性がある気もする。