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ひろがるスカイ!プリキュア 第40話 「なかよち♡エルちゃん結婚式☆」 感想

ひろがるスカイ!プリキュア 第40話 「なかよち♡エルちゃん結婚式☆」 感想

大切な人とずっと一緒にいたいと願うエルちゃんの純粋な気持ちが愛おしい。

ずっと一緒にいるのが当たり前で、常に自分を見ていてくれた相手が、何かをキッカケにして離れていくかもしれないと察した時の不安や恐怖。勉学により夢中になっていくツバサを目の当たりにして、赤ちゃんであるエルちゃんがより顕著にそれを感じ取るのも無理からぬことで。そこにあげはから聞いた結婚の概念を知ったなら尚の事それを求めるのも道理なのです。

もちろんエルちゃんにとってツバサが特別で大切な人であることは間違いない。でも、それは恋愛とか異性とかそういう概念とはまた別種のもので、より根源的で深い繋がりを求めてのものと言いますか。育ての親でもあり仲良く遊んでくれる相手。王や王妃よりも一緒にいる時間が長く、常に自分を温かく見守ってくれる存在。端的に換言すれば家族と言い換えてもいいのだろう。

運命の子という特殊な出自を持つエルちゃんだからこそ、普通の人が当たり前に持つそれにより強く惹かれ求めるのではないかと。そうも思える次第。当たり前にあると思っていたもの。ずっと傍にいた人を失うかもしれない恐怖や焦燥感。センセーショナルな結婚式を交えることで、それらの要素が際立つし、エルちゃんが抱く思いや感情の変遷。その心の機微の鮮明さも増して見える。

何より必死でツバサを繋ぎ止めようと頑張るエルちゃんの姿が可愛くて最高でした。駆け引きとか照れ隠しとかが一切ない純粋且つ一途な思いをこうもぶつけられてはね。ツバサが振り回され慌てふためくのも仕方ない。ストレートな感情伝達こそが情感を揺さぶってくるのだと改めて思わされるのです。真摯な思いには真摯に返す。それ故にプリンセス・エルと向き合い同じ目線に立って言葉を伝えるシーンが刺さる。

エルちゃんの真っ直ぐ過ぎる好意の伝達。必死さやヤキモチを焼いて拗ねる姿。感情表現たっぷりな数々の行動が見ていて非常に愛らしかったし、それだけ今ある環境と人間関係を大切に思っていて、これからも皆とずっと一緒にいたいと願っている彼女の気持ちが切実に伝わってきました。これはひろプリチーム全力で頑張るしかないよ。

特にツバサくんはね。エルちゃんが向ける気持ちは、現時点ではラブよりライク。異性よりも身内や家族に向ける親愛の情の方が強いかなと思うけど、マジェスティになったときの表情や仕草などを見ちゃうとね。そういう気持ちが一切ないわけではないし、将来的にはやはりと思わざるを得ないのです。やっぱり妄想は無限に広がってしまう。

ともあれ夢の中での重圧に押しつぶされそうになる今のままではなく、それすら受け止められるような男の子に。プリンセスへの誓いを果たし胸を張って隣にいられるような未来。いつかそういう日が来る可能性も…あるのかもしれない。

そうは言ってもエルちゃんがツバサくんに向けるピュアな感情が堪らない。こんなストレートに感情をぶつけられたら色々な意味でまいってしまうのも無理からぬこと。エルちゃんの感情の振れ幅や多彩な表情、マジェスティになった際の反応との差異もまた味わい深い。石破ラブラブ天驚拳ならぬ初めての共同作業めいたこともしてしまいましたし。これはやはり「覚悟」を決めて責任を取らないといけない。

エルちゃんが何を思い何を考えているかをいち早く見抜き、ツバサの背中を押してくれるあげはさんの頼もしさたるや。二人のことを見守り優しく諭すように導いてくれるお姉さん。本当に皆のことをよく見てくれていて。あげはさんがいることの安心感たるや半端なものではない。これぞ最強の保育士。公私に渡り成人プリキュアは伊達ではないことを改めて見せつけてくれて有り難い。