初めての友達を想うソラの素直さと実直さに魅せられる。
日増しにましろんへの依存度が高くなっていくソラがいじらしく可愛らしい。ヒーローを目指しこれまで一人孤独に己を鍛え上げることが当たり前の生活だったからこそ、自分と共に歩んでくれると言ってくれたましろの存在はソラにとって大きなもので。寄り添える相手が出来たから生じた初めての気持ちに戸惑いを感じながらも自分の内面と素直に向き合っていくソラの実直さが心地よい。
ヒーローとしてのソラの律儀さや実直な面を描きつつ、年相応な少女として初めてのことで迷うソラの新たな一面を引き出してくれてるのも素敵。当人同士だと言い出しにくいことや気づけないこともある。そんな二人を一歩引いたところから見守り、優しく諭して導いてくれる聖あげはの年上お姉さんとしての振る舞いも光っていた。
互いを思い合うソラましの心の距離感が縮まり、同居生活で四六時中一緒にいるのが当たり前の環境が構築されているからこそ、あげはの存在感も際立つし彼女ならではの立ち位置も確立されてピタリとハマるのだ。何より出会ってから一緒にいるのが常だった二人が、たった一日登校して分かれただけで、焦燥に駆られたりするほど強く結びついていることのなんと素晴らしきことかと。思いが重い、それが良い!
ソラの心情の吐露が行われるのと共に、これまでのヒーローとして己に課した佇まい。我儘とは違うけど自分を律したり抑え込んだりするのではなく、友達に対してこうしたいという自分の感情に素直に従い、その思いの丈を真っ直ぐに伝えられたことは、ソラにとって本当に大きな一歩であり今までと異なる変化でもあるだろう。その心の成熟がソラを一人の人間として成長させるし、その心の余裕がヒーローとしての彼女をより強くしてくれるのではなかろうかと。
ソラだけでなくましろの方も同じようにソラが近くにいないことに寂しさを覚える程に、もう近くにいることが当たり前となり、それに居心地の良さを感じているのだから堪らない。互いを思い合うソラまし要素も更にマシマシ。ヨヨさんのバックアップもありソラも晴れて学校転入の運びとなり、本当に常に一緒にいられる唯一無二の間柄になっていく。
ソラとましろの結びつきがより強くなり、ソラの中でましろの存在が大きくなればなるほどに、それは彼女の支えとなるだろうが、一方で大切なものが出来て思い入れが深まれば深まる程に、それが崩れたり脅かされた時の弱点にもなり得る諸刃の剣でもある。それだけにあげはの存在やもう一人の仲間の存在との在り方も大切になるだろうが本作がそのあたりに踏み込んでいくのかどうかも注目して今後もソラましの関係性と物語の進展を見守っていきたい。やっぱりソラまし最高だね!
ソラましが良い雰囲気になりかけたところで乱入したカバトンさんに対する二人の熱いダメ出しが面白かった。尺の無駄!あなたの出る幕は一秒だってない!とメタ発言全開とも取れる面白台詞ですが、熱い告白をしようとしていた状況だっただけに、カバトンさんがこう言われてしまうのも致し方ないのである。百合の間に挟まる男ならぬ豚さん。世界が許してもソラましの二人と視聴者は許してくれないのだ。
本編内では今回割りと出番が少な目だったプリンセス・エルちゃんですが何と今日が誕生日!おめでとうございます!今回は特にソラとましろが互いの存在が自分にとってどれだけ大切で大きなものになっているかを改めて実感し噛みしめる内容だっただけにですね。カバトンさんと違って我らがエルちゃんは幼くともしっかりと弁えているのかもしれない。流石はエルちゃん。プリンセスは伊達じゃない!