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ヒーリングっど♥プリキュア 第34話 「わたしがライバル!?ちゆの求めたツバサ」 感想

ヒーリングっど♥プリキュア 第34話 「わたしがライバル!?ちゆの求めたツバサ」 感想

ハイジャンプに懸けるライバル同士の熱き友情と思い入れ。

競い合い高め合うライバルの存在が自らをより高みへと押し上げる

ちゆと高美ツバサのハイジャンプを通じたライバル関係を用いて描く人間の成長の軌跡。まぁ競技に懸ける熱量だったり本気度というのは人によって異なるものだし、世界を目指すことだけが即ち本気だと言うわけでは決してないし、それを言ったツバサ本人もそのことは分かっていたのだろうが、それでも咄嗟にそれを言ってしまったのは自分の成長に必要不可欠な存在であることを直感的に感じ取っていたからなのだろう。

非公式とは言え県大会新記録をごく短期間で上回れたのも、ライバルのちゆがいればこそだと思うし、記録を更新することが、ツバサにとってはより高く跳び上がり、より空へ近づくことと同義と言っても過言ではないのです。幼き頃に抱いた初心という名の夢を満たし、自分が今までの限界を超え成長していけるのも競い合い高め合うライバルがいればこそ。

ちゆにしてもそれは同じことが言えるよね。自分が出した新記録を短期間で上回れたのも、自分のハイジャンへの思いを否定されたことへの悔しさと、ツバサの存在が発奮材料となればこそですし、自分とは異なる他人のハイジャンプへの真剣さを目の当たりにすることで、改めて自分自身のハイジャンプに対する思いがどんなものであったのか向き合うことが出来たからに他ならないわけで。

人は一人だけでは自己を定義出来ないものです。仮に世界で自分一人だけしかいないのならば、そこに成長も進化もなく、あるのは停滞と緩やかな退化だけなのだろう。自分とは違う他者がいるから自分を確立し客観的に見つめることが出来る。自分より上がいるからそれを超えたいという欲求が生じ、今よりも高い所へと至る道筋を見出すことも出来るのです。

目指すべき地点がハッキリ見えるからこそ、人はそこを越えようと努力出来るし目指せるのだ。自分に原動力を与えてくれる存在がライバルであるとするならば、さながらそれは自らが成長していく為に欠かすことの出来ない栄養素。自分を満たし自らをより高次に導いてくれるライバルがいてくれることで促される成長の歩み。これもまた人間の一つの成長・進化の在り方と言えるのだろう。

ハイジャンプという競技の特性を活かし、目に見える形での成長の実感や、自分が今よりも進化する為に必要なものは何かという本作のテーマを描いていた回だったかなと思います。ハイジャンプを始めたキッカケや空を跳びたい泳ぎたいという根源的な欲求等も含め、ちゆとツバサってやっぱり根っこは同じところにある似た者同士な友達兼ライバルなのだろう。

今まで当たり前だと思っていたもの。深くは考えたことのなかったもの。そこに自分とは違う価値観や考え方がもたらされたときに起こる変化が、人の成長に大きな影響を与えることもある。今回のハイジャンプの件から即そうなるとは思わないが、この一件が旅館を継ぐのが当たり前と考えているちゆの将来に影響を与えることも…もしかしたらあるのかもしれませんね。そういう意味でもちゆちーにとって大きな転機となり得る回だったんじゃないかな。

ライバルで友達になったちゆとツバサの親交をもっと見てみたい

ちゆとツバサが言い合いになって別れた後に、お互いのことを考えて悶々としたものを抱えながら眠れぬ夜を過ごし、互いにモヤモヤしてたかと思うと堪らないものがある。果てなき空への思いも含め似た者同士なところもある二人。衝突したり相手のことを意識してしまうのも相手のことを認めているからこそ出る反応。

名前呼びの儀式を終えて仲を深めた二人が再会する瞬間もエピローグなどであったらいいなぁ。ツバサさん海外から一時帰国した時や遠征で日本に来た時に、絶対旅館沢泉に宿泊するやつじゃないか。エミリーりりちゃんの時もそうだったけど、ちゆちーに惹かれる子、魅せられる子って本作の中だけでも結構いるのです。格好いいから仕方ないけどちゆちーも中々に罪作りな御人だぜ!