密やかに伸びやかに

アニメ、PCゲーム、PC関連のニッチな備忘録

ヒーリングっど♥プリキュア 第1話 「手と手でキュン!二人でプリキュア♥キュアグレース」 感想

ヒーリングっど♥プリキュア 第1話「手と手でキュン!二人でプリキュア♥キュアグレース」

ハートつないで地球をお手当て!

花寺のどかの特殊な生い立ちを落とし込んだ見応えある導入プロット

プリキュアの初回で主人公が新しい街に引っ越してくる。転校してくるという筋書きはシリーズでも先例の多い導入なんだけど、新生活に馴染めるかという若干の不安こそあれど、基本的にそのどれもが新天地での期待や今後に対する希望に胸を膨らませるポジティブな空気に満たされたものが多かった。のどかもピンクキュアの例に漏れず明るく優しく前向きで好感が持てる子なのが伝わってくる。

ただ、同時に導入部である初回から主に主人公であるのどかのキャラ造形周りにおいて、負の要素を匂わせてもいて、今までにあまり見られない変則的かつ異質な面を含んでいたようにも感じる。最近だとハグの野乃はなも負の面を抱えていたけど、初回でそれが表に出ることはほぼなく、実態が明らかになり顕在化したのは中盤くらいになってからだったので。

変わり者とか人気者とかそういうのは置いておくとしていわゆる「どこにでもいる普通の女の子」というカテゴライズからも少し外れる。重度の症状での入院歴を思わせる描写。癒やしの施設に溢れるすこやか市の街並みにしても、まだ万全とは言い難いのどかの療養や健康面に配慮した上での引っ越しだったのでは等々。のどかの境遇に纏わる妄想を掻き立てられる構図も見え隠れしていた。

自由に走れるようになることを喜び、前向きに頑張ろうとするのどかがいる一方で、その裏には拭いきれない不穏な気配が常に張り付き潜んでいるというか。そういう要素がありふれた日常の中に潜む脅威。病気や病原体をモチーフにしているビョーゲンズと相対することになる本作の特性を反映しているようにも感じました。

でも、その生い立ちや境遇から当たり前が当たり前じゃないことを知るのどかだから向き合えるもの。思い至れることも一杯あるのだと思う。癒やしがテーマの本作で、花寺のどかという少女が何を背負い何を大切にしているのか。自己の危険を顧みず人に優しく他人の為に頑張れる原動力はどこから来るのか。のどかのバックボーンを示唆することで、初回にして主人公像を確立し、それらに対する彼女の言動に説得力を持たせていたのが見事でした。

本来なら癒やしを必要とする側とも思えるのどかが、プリキュアになったことを契機に、どのように変化し皆に癒やしを与えられるような存在となっていくのか。その変遷を見守っていきたいなと思えたし、どのような境遇だろうと前を向いて頑張ろうとする子はやっぱり応援したくなる!

いろいろ小難しく書いた気もするけど変化球気味な導入部分こそあれども大筋ではやはり王道。マスコット兼パートナーであるヒーリングアニマルも動物モチーフの可愛らしいキャラだったし、のどか、ちゆ、ひなたらプリキュア三人組も好きになれそうで安心したのです。掴みはオッケー好感触。これから一年楽しんで見ていけたらいいな。

重なる二つの花!キュアグレース堂々のデビュー戦!

告知段階の番宣映像を見たときから、スティック状のアイテムの所持と見た目から、漠然とグレースはキュアフローラとキュアホイップが合わさった感じかなという印象を抱いていたのだが、実際の変身バンクを見てみると舞い散る花や植物を想起させるアクセなども相まって、キュアブロッサムの方が近いかも知れないと思ったり。まぁ見た目的なところはですね。

プリキュアに変身すれば身体的なハンデもなくなり、ピンクキュアらしい重みのある物理攻撃を始めとした大立ち回りを演じてくれて、主人公キュアここにありということを知らしめてくれたかと思います。恒例のプリキュアジャンプや大幅に向上した身体能力に対する驚きや喜び。それらの反応ものどかの境遇があるからより際立って見える。

のどかのキャラ造形やそこから生じるアプローチが恒例要素をいつも以上に引き立てていて、魅せ方が巧みだなーと感心させられたところです。決め台詞になるだろう「お大事に」も、のどか演じる悠木碧さんとラビリン演じる加隈亜衣さんの演技もあって、可愛さを感じさせつつも印象に強く刻まれる台詞になってたと思うし堪らんかった。

運命にして必然の出会い。ちゆとひなたのこれからも楽しみ!

今回は顔見せ程度の接触に留められていましたが、のどかが思わず見惚れてしまった沢泉ちゆさんは、青キュアならではの美しさと知性を感じさせてくれるし、妖精の代わりに伝統のごっつんこ衝突をしていた平光ひなたさんは、安定のあざとイエローの資質を感じさせてくれる。

僅かな顔見せで恒例を感じさせてくれたこの二人が、本格的にのどかと交わることで、如何に変化しこの二人ならではの特質を見せてくれるようになるのか。その辺りも気にかけながら次回以降の話を見ていきたい。毎週感想を書けるか怪しいけど、今年はまだ自分の中での推しキュアが確定してないし、今後次第なところもあるので、底も含めてこの先が本当に楽しみ。