ドレスに込められた熱い思いがアイドルの魅力を最大限に引き出す。
妥協を許さぬプロの姿勢！ドレスに込められたデザイナーの思い
サブタイトルからして只では終わらないとは思っていたけど、実質最終回でもおかしくない内容と、久しぶりに台詞付きで登場となった懐かしのキャラ同士の交流する姿に満たされてしまった。自分のブランドとプレミアムドレスを持つというデザイナーらきとしての一つの到達点でしたが、デザインやドレスに縁のある歴代の先輩たちが伝えてくれるメッセージも素敵でした。
エルザに対して最初に見せた星のツバサ案や前々回の天翔座の公演における姿等々。手を抜いてるとまでは言わないけど今までどこか妥協を良しとしてきたらきが、細部にまでこだわり一切の妥協を許さずドレスに思いを込める先輩デザイナーや、コレクションに携わるモデルやスタッフたちの真摯な姿勢を見て、そこに感銘を受けてプロの姿勢で自ブランドのプレミアムドレス制作に向き合うのがとても良い。
ドレスはただ身に纏うだけの布ではない。アイドルが持つ魅力を最大限に引き出し、最高の輝きを生み出す為のパートナーであり味方なのだ。今までのアイカツを通じて出会ってきた数多くのアイドル。彼女たちから受けた助言の数々。それらを顧みながら一針ごとに思いを込め完成したメープルリボン初のプレミアムレアは、故に特別であり今までにない輝きをもたらすのだと。
完成に至るまでのプロセスも良かったし、今までの物語で得た経験や助言をドレスという形に集約して表現していたところも素敵でした。自らの原点に立ち返りつつ一度完成した所から更に改良を加えることで、飽くなき向上心と妥協を許さぬプロのデザイナーとしての姿勢を、らき自身も示すことが出来ていた。リボンが紡ぐアイカツのSHINING LINEの軌跡があまりにも尊い。
ランウェイの舞台。その表と裏の両面から大切なことを学ぶ流れは、初代アイカツの初期いちごに通じるものがあったし、あかりや蘭の言動からブランドを背負ってステージに立つ者が持つ覚悟や決意も見て取れたし、かつては消極的だった小春やさくやが、今は現状に満足することなく更なる成長を求め自ら意欲的に挑戦する気概を見せてくれた。それが何よりも嬉しいのです。
ランウェイの中で発信された先輩たちからのメッセージと、かつての姿とは異なる成長した今の姿。それを肌で感じ姫石らきが続いて繋がっていく流れを見て取れて感無量。オンパレードの醍醐味や持ち味を存分に活かしながら、らきにとっての一つの到達点をプレミアムドレスという形に集約させて描き出せていた回だったのではないかと思う。
デザイナー兼アイドルな子もいればデザイナーとパートナーを組むアイドルもいる。でも、どちらもその本質はきっと変わらない。ドレスに込められた思いを汲み、ステージ上でドレスと共に眩く輝く。芸能人はカードが命であり、ドレスはアイドルにとっての味方。アイカツの根源にして一つの真理を、今改めて見た思いでいっぱいなのです。
蘭とそらのKira・pata・shiningとあかりのSTART DASH SENSATION
今回のステージは懐かしの初代アイカツからお届け！ボヘミアンスカイのくるくるきゃわわな世界観は、アイカツの中でもとりわけ独特の雰囲気があって印象に残るんだけど、そらオンリーでなく蘭とのステージになったことで、デザイナーとアイドルが二人で共に作り上げる世界観という表現になっていたように感じる。元々蘭そらのステージはあったけどあかりのステージとの兼ね合い的にね。
ホワイトヴェールコーデを纏った大空あかりの「START DASH SENSATION」に関しては、もう言うまでもないことだが、大空あかりの決意を瀬名翼が後押ししてくれている。アイドルとデザイナー二人で作り上げた至高のステージなのである。アイカツ史上でも最強クラスの楽曲とステージ演出。あかりが背中に翼を与えられたことで完成するSAランクのフィーバーアピールが、もうすべてを物語ってくれている。
らきのステージもなんだけど、今回の三ステージ全てでステージ演出の中に「扉を開く」という共通した描写が見て取れたし、挑戦し扉を開くことで見える新境地。新しい世界の始まりを予感させてくれる。そんなステージ選出になっていたんじゃないかな。
今も絶大な信頼関係で結ばれている瀬名あか！二人で歩むアイカツの軌跡
ある意味今回の一番の見所といいますか。今も互いに対して絶対の信頼を寄せていて、互いの思いを尊重し汲み取って体現している。アイドル大空あかりとデザイナー瀬名翼の関係性が、やはりとても素晴らしく良いものであると改めて噛み締めているのです。出会った時から互いに妥協を良しとせず、持てる力を尽くして道を切り開き高め合ってきた二人の在り方は、今回のテーマを象徴する関係性と言えるだろう。
デザイナーとアイドルはチームであり、お互いが力を出し尽くしせばもっと高いところまでいける。妥協せず全力で臨む姿勢を見続けているからこそ、互いを理解し良い部分を十二分に引き出すことが出来る。最大の理解者であり共にステージを作り上げるパートナー。瀬名の思いを汲み理解しているあかりがそこに言及し、彼女の原点である「私の味方」がどこから来ているものなのか。
そこに思いを馳せるのが最高だし、それを安定の位置から見守っていた瀬名が、それに応えるように最後に見せつけてくるから堪らない。当初は「お前がヘタれたら俺のドレスは渡さない」と言ってた彼が、今は「お前にはやっぱり俺のデザインしたドリーミークラウンが一番似合ってる」と認め、ブランドを背負って立つアイドル大空あかりとして見ていることをハッキリ伝えてくれるんだからもうね！
デザイナーとアイドルが互いに高め合うことで開かれる新しい世界への扉。失敗を恐れず挑戦し続ける姿勢。それはあかりジェネレーションのテーマでもあり、瀬名あかが歩んできたアイカツの軌跡そのものでもある。そんな瀬名あかの本懐を再び見ることが出来て本当に嬉しすぎたよ。やっぱり瀬名あかは至高！
地下の太陽三ノ輪ヒカリとパーフェクトレディ西園寺つばき登場！
オンパレでも既に台詞無しで姿だけは登場していた二人が、遂に台詞ありで再登場し日の目を見る日が来た！登場頻度は少なくてもインパクトは絶大。蘭の終生のライバルにして根強い人気を誇る地下の太陽ヒカリと蘭の交流はやっぱり感慨深いものがあるし、火花バチバチではなく蘭の方から歩み寄って仲良くしている二人の姿にニマニマしてしまう。そらに対してもイケメンっぷりを発揮しているし、今回の蘭ちゃんさんは天然ジゴロのタラシだったよ。ヒカリとそらの対面ちょっとハラハラしたもの！
つばきに関しては個人的にお気に入りキャラなので出番あっただけで嬉しい！まさかオンパレでもメタ視点を含んだ往年の名シーンを再現する形で二人を見届けることになろうとは（笑）ただ、ドリーミークラウンと瀬名あか二人の関係性。何事も妥協することなく信念を貫く二人の強さを語る上で、外せないキャラの一人であると思っているので納得の登場でもありました。
ちゃおの漫画版では主人公を務めていた西園寺つばき。そんな彼女視点の物語も機会があれば是非とも読んで欲しいと思うし、初代アイカツでつばきが活躍した回も今回の話に通じる内容なので、その歩みを見てもらいたい。
大空あかりの『行く先々に何故か自然と絶妙なタイミングで結構頻繁に現れる』瀬名翼さん。「大空あかりのいるところに瀬名翼あり！」と公式で言及したつばきちゃんの名言を今一度噛み締めておきたい。いや、本当にここぞのところで良く現れるんだもの瀬名さん。
今週のらきちゃん
今までのアイカツで出会った偉大な先輩たちから受け取った助言。それを思い出しギリギリまでより良くする方法を模索して、決して妥協することなく完成形の一歩先を形にして見せたらきの姿に安堵する。コレクションへの参加は姉さあやの働きかけもあったラッキーかもしれない。でも、そのチャンスを彼女は自分の努力と諦めない姿勢で物にして一つの壁を超えてみせた。
10話で美月に言われたように「ラッキーだけじゃ続かない」。「アイドルは努力の積み重ね」。あの時は食らいつくスッポンの意味合いを勘違いして捉えていたけど、今回らきが妥協することなくプレミアムドレス制作をやり遂げたことで、本人は意図せず美月の教えを正しく踏襲出来ていたのではないかと思います。そういう意味でも今回はオンパレの集大成的な回かなと。
らきのブランド、メープルリボン初のプレミアムドレス「リルリボンストーリーコーデ」も可愛いし、原点に立ち返りリボンを通して歴代の先輩たちと繋がる描写も素敵で無敵でした。やっぱり容姿は超絶美少女だし黙っていれば…いやいや、黙っていなくても頑張るらきちゃんは可愛いね！歴代主人公に連なる新たな主人公・姫石らきのアイカツの一つの転換点を見た。
