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デリシャスパーティ♡プリキュア 第34話 「おじいちゃんはガンコ!おでんは野球のあとで」 感想

デリシャスパーティ♡プリキュア 第34話 「おじいちゃんはガンコ!おでんは野球のあとで」 感想

今伝えられる素直な気持ちを伝えることの重要性が染み渡る。

プリキュア野球回ということで漠然とネタ要素に振り切ったギャグ回になるのかなと思っていたけど然にあらず。ゆいの祖母よねと交流のあった又三郎お爺ちゃんと孫の宏輔を交え、今伝えられる素直な気持ちをしっかりと伝えることがどれだけ大切なことなのか。それが伝わり思いが通じ合うことがどれだけ意義深く尊いことなのかを考えさせられる味わい深さを内包していた回でした。

家族や友達、はたまた師弟。関係性はまちまちだけど自分にとって親しい存在で、いつでも傍にいてくれる相手に対して、自分の気持ちを伝えることって出来るようで中々難しいことでもあります。一種の照れもあればいつでも伝えられるという根拠のなき安心感からの先延ばしもあるだろう。近いからこそいつでも出来る。言わなくてもいつか伝わると考えるのは誰しもあることだと思います。

でも、現実は時に非情で突然の死別によって思いを直接伝えることが出来なくなってしまうこともあれば、相手により大切な相手や物事が出来ることで伝えようとしていたことを伝えられずじまいで終わってしまうこともある。ゆいとよね、マリちゃんと師匠のジンジャー、そしてゆいに対して仄かな感情を抱き、幼馴染である拓海との関係性を揺さぶってきた宏輔等々。

いつでも伝えられる間柄にありながらも伝えきれなかったり今も思いを秘めている為に伝わりきらない関係性に焦点を当てることで、今伝えられる気持ちを素直に伝えられることがどれだけ有り難いことなのか。何でもかんでもハッキリ伝えるというわけではなく、大切な相手を思い自分が本当に伝えたいことが正しく伝わることが、如何に幸せなことなのかを際立たせてくれる。

その上で、思い出のおでんを通じて又三郎と宏輔が互いに思っていたことが相手に伝わり、それを受けてよねのおでんの秘伝レシピがゆいに時間を越えて伝わるのも素敵でした。祖父母と孫の関係性を見て在りし日の光景に思いを馳せたゆい。食を通じて築き上げられる関係性とコミュニティ。受け継がれていく人の思い。それに浸ることでゆいが感じた満ち足りた姿が心地良い。

おでんのように人の思いが広がり染み渡ることで深みを増す味わい深さ。祖父母と孫の確かな繋がりを感じられる心温まるエピソードでありました。ゆいの最後の笑顔だけでもうお腹いっぱい幸せいっぱいだよ。

野球描写もそこそこにゲストの宏輔が思わぬ形でゆいと拓海の幼馴染関係を揺さぶってくれてニマニマする。ゆいの方に一切の悪気はないのだけど、それだけに付き合ってるのかという問いに対して「うん!ないよ!」とハッキリ即答してしまうあたり世は無情である。拓海にとっては無慈悲な回答。やはり伝えなければ伝わらない思いもあるのだが、伝えることが必ずしもよいこととは限らない。

何事もタイミングと伝え方も肝要だということを改めて考えさせられる一幕でありました。同時に意思疎通を図り通じ合うことの難しさ。通じ合えたときの喜びもまた増すのだということを実感したよ。それにしてもゆいちゃんは本当に罪作りな御方だぜ。

さりとて伝えなければ伝わるものも伝わらない。伝えられるときに素直な気持ちを伝えることも大切だよね。拓海もいつまでも幼馴染の隣が空いてる保証はないわけで。その時が来たらビシッと決めてくれることを期待してるぞい。