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デリシャスパーティ♡プリキュア 第14話 「初恋ってどんな味?恋するキモチと拓海のこたえ」 感想

デリシャスパーティ♡プリキュア 第14話 「初恋ってどんな味?恋するキモチと拓海のこたえ」 感想

謎の仮面戦士ブラックペッパーが華麗に参戦!

恋する気持ちは十人十色。色恋沙汰も味付けも千差万別で個々に異なると申しますが、拓海に告白した本間ともえの間で繰り広げられた色恋模様や、それを巡るゆい達の多様な反応だったり、満を持しての参戦と相成ったブラックペッパーの本格デビューと、濃密かつ多彩な見どころが詰め込まれていて、まさに様々なテイストが味わえる回でした。

心に秘めた想いを発露させる。それに基づき行動を起こし相手に接触を図ることは、とても勇気のいることでもあり、拓海に思いの丈をぶつけた本間ともえにしても、燻るようなモヤモヤした気持ちを抱えながら遂にプリキュア達の前に姿を現す決意をした拓海にしても共通している部分ではないかと思うわけです。そして、その根底にあるのが好きな相手を思う気持ちなのだと。

好きな相手を思う気持ち。好きな物に対する深い思い入れ。それが人に本人にとって思いも寄らない活力を与えてくれることもあるし、自分の人生を華やかに彩る一種のスパイスとして作用することもある。料理や食をテーマに据えている本作デパプリでありますが、そこに人々の原動力となる要因、人間関係やそこに起因した感情が織りなす複雑な味わい深さを独特なテイストで描き出していると改めて感じる次第です。

拓海を軸にして展開された一つの恋模様にしても、恋愛観にまだ疎くあまりに自然体なゆいの反応が哀愁を誘うし、プリキュア三人の間でもそれぞれ異なる反応を示していて花より団子が前面に出るところが本作らしさを感じさせてくれる。一方で多様な意味合いで因縁があるマリちゃんと拓海のやり取りにしても、単なる恋模様に収まらない複雑さと奥行きの深さが生じており味わい深く見応えのある関係性として成立している。

ブラックペッパーとして矢面に立った拓海にしても、その胸中は複雑な思いで入り乱れていて、根底にはゆいを守るという彼の決意があるのだが、彼の父親との関連性からマリちゃんに在りし日の思いを想起させており、一つの事象から様々な人間関係の絡みと感情の誘発がなされている内容でした。クッキングダム側との繋がりがある為に拓海も本作に不可欠の存在であることを思い知らされるのです。

ブラックペッパーとしてプリキュア達の前に立ち公私に渡って関わりを持った拓海。今後彼がゆい達に対して直ぐに正体を明かすのか暫くの間謎の戦士としてサポート役に徹するのかも見ものですが、その正体も含め彼がゆいに対して抱く心に秘めた想いがいつか正しく伝わる日が来るといいなと。そう思わずにはいられなかった甘酸っぱさを感じさせる初恋&ブラックペッパーデビューエピソードなのでした。

幼馴染だからという理由ではなく、そもそも恋愛観に乏しくその点はコメコメと大差ないかもしれない想い人のゆいに異性として意識されてなかったり、プレシャスに咄嗟に名を問われてブラックペッパーを名乗ったりと色々な意味でほろ苦なテイストを感じさせてくれた我らが品田拓海。報われないからこそ光る面も勿論あると思うが、最終的には報われてほしいと願ってやまないのである。

マリちゃんと拓海の父親・品田門平との繋がりも仄めかされていましたし、かつての父の姿を知るマリちゃんが拓海をその息子として認識した時に、どんな反応を見せてくれるかも気に留めておきたい。拓海は咄嗟にブラックペッパーを名乗ったけどクッキングダム側の人間からした仮面戦士の呼称はクックファイターということでいいのかな。

いずれにしろ名前はアレなところがあるかもしれないが、プリキュアではあまり例のない助っ人戦士の彼が作中でどんな活躍を見せてくれるのか期待しよう。あまねの復活と覚醒によってフェードアウトしない独自の立ち位置を来るべきその日までに確立して欲しいものです。観察眼に優れる頭脳担当マリちゃんとの差別化という点でもどうなっていくか気になる。

いつも大人の目線でゆい達を見守ってくれている我らがマリちゃん。今回はそんなマリちゃんの大人ならではの動きがいつも以上に光っているところが多く印象的でした。ともえに対する接し方にしてもそうだし、あまねが帰ってきた時の為にどうしたらいいのかを考えてキッカケ作りになるアイデアを出してゆい達を導いてくれる動きをしてくれたり。

戦闘面に関しては今更言うまでもないかもしれないが、ナルシストルーをして観察眼は悪くないと言わしめるあたりポジションは定まっている。マリちゃんの本作における立ち位置や役割も今の時点でかなり確立されてきたのではないかと改めて思います。