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デリシャスパーティ♡プリキュア 第44話 「シェアリンエナジー!ありがとうを重ねて」 感想

デリシャスパーティ♡プリキュア 第44話 「シェアリンエナジー!ありがとうを重ねて」 感想

ありがとうは心のあつあつごはん!

流石に最終決戦なだけあって気合の入り方も段違いであり、開幕から本気のバトル作画が目白押しで目を離せない画作りに圧倒されてしまう。ほかほかハートの蓄積装置でもあった招き猫の強奪からの参戦。また、ドキプリ最終決戦のキングジコチュー対巨大ランスを彷彿とさせるゴーダッツ対招き猫の対決構図は、一見シュールな光景でしたが、その和み要素がメインの鮮烈なバトル描写をより引き立ててくれる。

如何に強烈で美味しい味でも同じものが続けばインパクトは薄れるのは料理や食べ物でも同じ。戦闘が途切れず連続して生じる流れの中で、息をつく暇もない展開が続けばせっかくの濃厚バトルも息苦しさを覚えかねない。その合間に挟まれた一呼吸というか箸休めのおかげで、却って途中で集中が途切れることなく全体的に引き締まった印象を与える構成で、和み要素も一種のスパイスとして機能していた。

シュールさとメリハリの効いたバトル作画によって魅せられ、より引き込まれる作りが最高でした。またデパプリの最終決戦は伝説の戦士プリキュアのみならず、クックファイターであるマリちゃんやシナモン、ブラペも要所でプリキュアに引けを取らない活躍を見せてくれていたし、エナジー妖精や敵対していたナルシストルーやセクレトルーも含めて各々に見せ場があり総力戦の様相を呈していたのが良かった。

全てを己が物とするべく強奪し他者との繋がりや思いを引き継ぎ受け取ることを否定するゴーダッツが相手だからこそ、その繋がりがもたらす力の意味を訴えかけることにおいても総力戦になるのはより効果的。心情的なものやごはんは笑顔という点はもとより、戦闘面においてもシェアすることで生まれる力の凄まじさを見せつけらた思いでいっぱいです。

その総力戦のなかでゆい/プレシャスも主人公として自分なりの答えと向き合い方を見出し、自分自身が体験してきたことと、この一年あまりの物語の中で出会った沢山の人との交流から、お婆ちゃんの教えを下地にしつつそこに自分自身の言葉を乗せて真っ直ぐにぶつけることが出来るようになって嬉しい。最後にしっかり成長した姿と存在感を示してくれるあたりは流石の主人公なのである。今回はキュアプレシャスの堂々とした立ち居振る舞いが本当に格好良かった。

全てを欲し自分の手中に収めようとしたゴーダッツが、唯一にして他のどんな物より欲してやまなかったのが師匠ジンジャーからの言葉。自分が彼に認められたという絶対の証。そんな満たされない内面的な欲求=心の空腹こそが彼を歪め凶行に走る遠因となったことは今までの描写からも見て取れる。実際ジンジャーはフェンネルを見ていたと思うが、その思いは弟子であるフェンネルに伝わることはなかった。

その今は亡き師の思いを時を超えたことで言葉をかわしたゆいが受け取り、フェンネルの心に伝えることは出来るのか。心のあつあつごはんである「ありがとう」の気持ちが伝わり、乾いたフェンネルの心を満たし彼に感謝の気持ちを呼び起こさせることは出来るのか否か。ここが最後の正念場!ゆいが心の空腹を満たし本当に皆が幸せになれるハッピーエンドを期待したい!

エピローグとなる最終回でどんな内容が描かれるのか。一年追いかけてきたデパプリの物語も本当に佳境。最後の最後まで余すところなく堪能したい。

今回は本当に劇場版クオリティと言っても差し支えないような気合の入りようで、制作スタッフの熱量が画面からそのままダイレクトに伝わってきました。表情、動作、アクション。どれをとっても一級品だしみんな本当に格好良くて逞しさを感じさせてくれる。この一年の中での成長が画からもヒシヒシと伝わってくるというものです。唯一コメディ調の顔を見せてくれたヤムヤムは癒やし。

プリキュアだけじゃなく今まで共に戦い支えてくれたマリちゃんやブラペも引けを取ってないですしね。プレシャスの復帰後の立ち姿、慈愛に満ちた表情、そして渾身のおなかいっぱいパンチの破壊力たるや想像を絶するインパクトがありました。いやー、本当に良いものを見せてもらってお腹いっぱいなのです。プリキュア最終決戦はやはりこうでないと!

格好良さが際立つ中でも変身ヒロインものとしての可愛らしさも限界突破していてもう最高でした。いや、改めてデパプリチームの四人は可愛すぎる。重ねてありがとうという気持ちが沸き起こってきます。お腹いっぱい幸せいっぱい。