密やかに伸びやかに

アニメ、PCゲーム、PC関連のニッチな備忘録

デリシャスパーティ♡プリキュア 第40話 「俺に出来ること…ブラックペッパーと拓海の決断」 感想

デリシャスパーティ♡プリキュア 第40話 「俺に出来ること…ブラックペッパーと拓海の決断」 感想

拓海の決意とゆいとの関係性における繊細な心理描写が見応え抜群!

特別な力を持つプリキュアでも正規の訓練を受けたクックファイターでもない。それでも皆の笑顔や自分にとって大切なものを守りたいという強い気持ち。願いはプリキュアであるゆい達のそれと変わることはなく、だからこそその純粋な気持ちにデリシャストーンも応えてくれたのだろう。ゆい達も特別な力を与えられただけでなく、それ以上に大切なものを守りたい気持ちが強いからこそ身を挺して戦いに赴く事ができるのだ。

そんなプリキュアたちの思い。特にゆい/プレシャスの気持ちを誰よりも理解できるのが拓海であり、彼女の大切にしたいことを汲み取り、ここぞのところで背中を押して支えとなれるのは、ある意味で拓海ことブラックペッパーにしか出来ないことでもあるのだろう。同じプリキュアやマリちゃんとは異なる拓海だから出来ること。それが垣間見えたことも大きかったと思います。

ゆいがブラペの正体が拓海であることを知って動揺し、また感情をグチャグチャに掻き乱されてしまったのも、一時の困惑とそれ以上に安堵の気持ちや嬉しさが混じり合ってしまったが故の反応なのだろう。味方をしてくれていたとは言え正体不明の謎の戦士に対する不安。先週の一件やセクレトルーに対する思いも含め、自分の気持ちや考え方が上手く伝わらない。正しいとは限らないと知ったことで生じる恐れ。

でも自分が最も信頼を置く相手の一人でもある拓海がブラペであることが分かり、その上で自分と一緒に戦い思いを汲み取って支えてくれることを感じて生じた安心感と喜び。それらがゆいが漠然と抱えていた不安を払拭し、自分がやるべきことは「ごはんは笑顔」を信じて成すべきことを成すことだと改めて確信し、真っ直ぐ前を見据える力を与えてくれていた。

戦闘後に拓海が作ったおにぎりを食べて浮かべたゆいの満面の笑みが、その一つの答えでもあり二人の関係性を象徴する一幕でもあったと思います。幼少期から共に過ごし今はプリキュアに纏わる裏の事情まで含めて自分のことを本当によく知る相手が与えてくれる居心地の良さ。安堵の気持ち。拓海の決意がゆいの支えとなり、それが二人の関係が特別なものであることを改めて示してくれていた。

照れたり慌てふためいたりもしたけど決めるところはしっかり決める。プリキュアのそれと何ら変わることのない拓海の強い気持ち。それに伴うゆいの繊細な信条描写の変遷を正体明かしに絡めて巧みに描き出してくれていた回で良かった。ゆいとマリちゃんに更なる強化フラグが仄めかされつつ、暗躍するブンドル団側も大きな動きを見せそうな感じで物語もいよいよ最終盤に突入。今年最後のクリスマス回がどのようなものになるのか。要注目なのです。

ブラペの正体も明かされ、これで本当に名実ともに彼もデパプリチームの一員となった感じがして嬉しい。過去にも妖精キュアやキュアワッフル、サポート要員としての相楽誠司さんのようなキャラはいたが、ここまでプリキュアたちと共に並び立ち力を合わせて戦う姿が描かれるのも何気にレアな感じもするので。決めるべきところでは本当に格好いいキャラになっていた。

一方で拓海としての姿は年相応に照れたり慌てふためいたりもしていて、未成熟ながらも一つ一つの体験を糧に成長していく姿も、またゆい達と重なるところがあるんじゃないかなと思える。泣き出してしまったプレシャスに対する慌てようと、それを見て「何を慌てふためいてる!早く何とかしてやれ!」と言わんばかりにミッフィー顔で見てくるフィナーレの一幕も味わい深いものがありました。

しかし、今回はなんと言っても拓ゆいの二人に尽きるのではないかと思います。拓海が手渡したおにぎりで止まる涙。拓海がブラペで嬉しいというゆいの気持ちと満面の笑み。広がる温かさと居心地の良い空間。皆の笑顔もそうだけど拓海が一番守りたいものはこれなんだと思わせてくれるのに十分過ぎる尊きシーンでありました。こんなの視聴者目線で見ても幸せ一杯お腹いっぱいになりますわ。ごちそうさまでした!