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アイカツオンパレード! 第21話 「走れ!アイカツ!大運動フェス!」 感想

アイカツオンパレード! 第21話 「走れ!アイカツ!大運動フェス!」 感想

フェスとリレーを通じて紡がれていく先輩後輩間のSHINING LINE*。

ポロリはないよ!アイカツ春の大運動フェス開催!

登場したアイドルの数だけで言えば、劇場版の「ねらわれた魔法のアイカツ!カード」を超える人数が一堂に会した季節先取りアイカツ大運動フェスの一幕。大運動会ながらも作画は省エネモードで、派手さや見栄えする動きは少なめだったのだけど、姫石らきが今までに受けた恩返しの意味を込めた集大成イベントを前に、シリーズ全体のテーマや継承の要素は見て取れるし話の筋としては一本芯が通っている。

数多くのアイドルが様々な競技に打ち込んでいたけど、今回の話の中心は凛、まどか、わかば、らきの後輩属性を備えた四人組。各シリーズの本編では後輩アイドルとして、かつては先輩の背中を見ながら導かれる立場にいた三人が、今アイドルとしては後輩に当たるらきを前にして、偉大な先輩たちのように寄り添い支えてくれるのが頼もしいし、そこに彼女らの立ち位置の変化や成長を感じられる。

四人が出場することになったリレーにしても、その競技の性質はアイカツシリーズが紡いできたSHINING LINEに通じる。一人ひとりが支え合い繋げていくことで、一人だけでは到達出来なかった境地に達することが出来る。負傷して欠場したらきに、凛、まどか、わかばの三人がバトン代わりのマイクを手渡すのも、アイカツならではの「継承」の表れのように映る。

大スター宮いちごまつりの時のいちごとあかりに近いものというかな。あそこまでの積み重ねやカタルシスこそないんだけど、オールスター要素の強い本作の中にあって、歴代主人公勢だけに限らず周りも全て含めた先輩後輩関係の変化や継承の様を描いてくれているのがとても嬉しいのです。クロスオーバーの世界観で本編のその後が見られる本作ならではの強みを活かした魅せ方だ。

話の中心は後輩組だったけど、その彼女らを導いた偉大な先輩たちも当然ながら存在感を放っており、蓄積した経験と確かな実績に基づく思いやりある言葉はとても印象深い。スキャンダルや自らのキャラの在り方に苦しむ者もいた。スターライトクイーンに至る道の厳しさを知り、クイーンの重圧を背負う者がいた。ユニットを組んだ親友に遅れを取ったことを悩んだ者もいた。

ユリカ、おとめ、さくら、ひなき。彼女たち四人も色んな失敗や挫折を乗り越えて、その時々で自分に出来ることを精一杯やってきたから今の頼もしき姿がある。だから、四人がらきに掛ける言葉は重く深く響くのだ。また、ある意味で今回の締めを飾り、らきにとって転機をもたらす言葉を贈った如月ツバサも、前述した四人と同じ性質を持つ苦労人の一人だ。

同世代の白鳥ひめが持つ圧倒的な才覚に打ちのめされ、歌の花組から鳥の劇組に転身し、一から全てを積み上げ直した苦労人。それが如月ツバサというアイドルだ。倒れても俯くことなく顔を上げて前を向く強さ。仲間だけでなく競争相手にまで元気を与えられる力。ツバサが辿ってきた道のりと境遇を思うと、らきに向けて贈られたツバサの言葉の意味。彼女が太鼓判を押すことの意義も伝わろうというものだ。

かように今回は大運動会という賑やかなイベント回だったんだけど、それを通して描かれる先輩後輩関係の繋がりと、その変遷がもたらす化学変化こそが肝だったんじゃないかな。憧れのSHINING LINEとはまた違った形のSHINING LINE。先輩と後輩が紡ぎ出すアイカツの軌跡。その筋が見える回だったと思います。

らきが負傷に至るまでの流れとか大雑把に感じるところもあったけど、限られた尺の中で出来る限りのキャラを出そうとすればある程度は致し方ないとも思う。スライド描写も多く省エネチックに感じた作画にしても、年度末の一ヶ月に注力しているが為のもので。最大の見せ場を最高に彩る「貯め」の予感。ここからが真骨頂で更に凄いの来るって信じてる。

わかば、凛、まどかによる"後輩アイドル"組のステージ!

かつては初々しさもある後輩、今や頼もしさすら感じさせる先輩。ということで今回の三ステージはソロステージで統一でしたなぁ。それぞれが各シリーズを経てオンパレ本編ではすっかり頼れる存在になった感じもある三人だけど、ステージは各人のソロデビューステージでもあり、かつての姿と今の姿が重なって見えてきて不思議な感覚に陥ったりもする。

「MY SHOW TIME!」も「ハローニューワールド」も、あかジェネ楽曲の中でも好きな楽曲だし、「この世界はすばらしい」は、まだ半年くらいしか経ってないのに物凄い懐かしさすら感じさせてくれる。ともあれかつての姿と今の姿が入り乱れて見えるギャップが生み出す独特の感性や世界観が感慨深い。

あとオンパレになってからステージ前のフィッティングロードがなくなって久しいけど、それを解消すると言わんばかりに、ご本人登場の背景映像が映るカラオケボックスの特性を利用して、割り込みをかけるようにステージを入れてくるまどか乱入が面白かった。並み居る先輩相手に物怖じせず自分を出していく強かさ。これもまたアイドルにとって必要な強さ逞しさなのかもしれない。天羽まどかさん流石です

アイドルとデザイナーとネタ要素が入り乱れる大運動フェス!

アイドル勢だけじゃなくデザイナー勢も結構な人数が参戦していたので、情報量も多いしチラ映りしているところで、意外な組み合わせが実現していたり思わぬことをしてたので、色々と探して見るだけでも楽しくなってくる。きゃる~ん綱引きで困惑や照れを見せるカレンや美月の姿がツボに入ったし、きゃる~ん綱引き出場メンバーも結構レアな集まりだったので、ここもっと詳細に見たかった思いもある。

デザイナー借り物競争では、競技と関係なく踊りだす珠璃とエンシエロ篤のサングリアロッサコンビも安定の面白さだったけど、他にもマルセルやKAYOKO、サニーらが出場しているのが確認できて嬉しい。サニー&ジョニーは今も変わらず名コンビ。他を寄せ付けぬ圧倒的食欲を見せつけてくれたエルザも面白かったんだけど、同じ会場にいたエリザベス3世が食べられなくて本当良かったよ(笑)

今週のらきちゃん

まずもって今回らき関連で個人的に一番嬉しかったのは、らきとわかばが対面を果たし会話を交わしたことだろうか。オンパレでも12話わかばは登場していたけど、らきと直接会うまでには至らなかったので、かねてからずっと見たいと思っていた二人の会話する姿を拝めたのは嬉しかったところです。逢来りんさん、今回はいつも以上に大変だっただろうなぁと。

選手宣誓にリレー出場(未遂)に個人応援と、今週も幅広い活躍を見せてくれた我らがらきちゃんですが、怪我をしてしまったからこそ気づけたこと。その時々で自分にできることを全力で取り組むこと。それらを偉大な先輩たちから学べたのは、怪我の功名と言えるのかもしれない。失敗や不測の事態もプラスに変える。取り組む姿勢や気の持ちようで自分だけに留まらず周りも巻き込んでいい方向に向けてしまう。それこそが、姫石らきの持つラッキーパワーの真髄と言えるのかもしれない。

それにしても、らきちゃんが最後に来ていたダルマの着ぐるみは桜庭ローラさん経由で作られたものなんだろうか。バレンタイン回でのローラの助言が生きた…とも言えるか?