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アイカツオンパレード! 第25話 「光る未来へ」 感想

アイカツオンパレード! 第25話 「光る未来へ」 感想

受け取った輝きを未来へ繋げ――。さぁ行こう光る未来へ!

憧れが最初の道標!美しきSHINING LINE*の繋がりが素晴らしい!

アイカツシリーズが今まで積み重ねてきたもの、繋いできたありとあらゆる要素が結実し、一つに集約されて未来へ紡がれていく様が美しすぎて魅入ってしまう。歴代主人公の特性や彼女らを象徴する名台詞、各シリーズを代表する楽曲の名フレーズを惜しげもなく盛り込み、各々がそれらを交えて繋がっていく様は圧巻であり、まさに最後を飾るに相応しい熱量と情報量を兼ね備えていた。

姫石らきに留まらず全てのアイドルにとって未知との遭遇がもたらす新たなる可能性。その広がりが無限大であることを改めて感じたし、出逢いがその人の運命やその後の人生を大きく変えることを、姫石らきの物語として描ききってくれたことに感謝しかない。いつでも憧れが最初の道標であり、憧れは次の憧れを生むアイカツシリーズの集大成にして、らきのアイカツを総括するのにこれ以上に相応しいフレーズもない。

かつてアイカツ界の未来を憂いて行動した美月を筆頭に、歴代主人公を導くキッカケを作ったひめやエルザ、ラブミーティアやアイビリーブ。そんな偉大なる先輩たちに連なるように姫石さあやの立ち位置と目的を開示し、らきにとってのキッカケを与えた存在として繋がりを持たせる配置に舌を巻く。アイドルのみならずファンやスタッフ、エンジニアにも確かな繋がりを与えているのが素敵なのだ。

歴代主人公を象徴するリボンの交換、らきに憧れる幼女ファン小島こころに対するらきの対応が、縦と横の繋がりを更に強調し未来への道標になっていたのも素敵だし、自分に憧れの眼差しを向ける存在と相対したことで、らきが紛れもなくアイカツシリーズの主人公に連なる存在として確立されたことも嬉しかったのです。バトンを受け取り次へと託す。

これぞまさに憧れのSHINING LINE*。これこそがアイカツ!と思わせるに十分すぎるほどでした。夢のような時間だったけど夢じゃない。確かにあった奇跡のような時間。らき以外は全て忘れてしまったようで、それでも皆の中に確かに残っている確たる繋がり。この『繋がり』をあらゆる要素を用いて強調した今回の内容があったからこそ、夢幻のような世界での出来事が各々の中に潜在的に存在し、例え直接世界が結びつかずともアイドル同士は繋がっているのだと確信させてくれる。

オンパレードで得た数々の経験が、らきの今後を後押しする原動力となる最後の流れも良かったと思う。一つのゴールが終わりではない。一つの到達点は新たなスタートラインになる。わかばとのフレンズ結成をその今後の第一歩に持ってくるのも憎い演出だと思ったし、今は同じ世界にいないコスモスやゆめロラのその後を想起させるシーンを重ねて見せてくれたのも堪りませんでした。

アイカツシリーズが紡いできた憧れの連鎖。その集大成とも言える本作の最後に、これだけのものを見せてもらえたことに感謝しかない。クロスオーバーな世界観。歴代キャラ大集結のオールスター要素。とても難しいこともあったと思うし、もっと色々なことをやれる余地も残っているかもしれないが、アイカツシリーズが何を大切にしているのか。どんなメッセージ性を備えた作品にしたいのか。

その根幹の部分は揺るがすことなく、往年のファンを楽しませようとする心意気とシリーズに対する熱意や愛情が詰まった作品だったと思います。ありがとう姫石らき!ありがとうアイカツオンパレード!今作と「出逢えた」ことで生まれた奇跡のような現実の時間。そこで得られたハッピーでラッキーな気持ちを糧にして、今は辛い昨今の情勢の中でも精一杯希望を抱いて前を向いて生きていくよ。明日を頑張る為の活力を得られる。さぁ行こう光る未来へ!やっぱりアイカツっていいものだ。

歴代主人公が勢揃いの夢の共演!繋がる憧れのSHINING LINE*!

オンパレードの宣伝映像から用いられていたけど、最後の締めに歴代主人公が揃い踏みのステージを見ることが出来て感無量。楽曲単体でも強すぎるのにオンパレ初のフィッティングロード。更に本編中でこれだけの”ライン”を見せられた後に繰り出されるのだから破壊力増し増しであることは言うに及ばず。歌詞のフレーズ一つ一つに込められた思いがこれでもかってくらいに染み込んでくるのです。

「受け取った勇気でもっと未来までいけそうだよ」「受け取ったバトン次はわたしから渡せるように」。憧れの気持ちから全てが始まり、憧れの気持ちを紡ぎ託し託されてきたからある今。偉大にして素敵な先輩たちから受け取った勇気が、もっと未来までいくための原動力になる。かつて自分に憧れてくれた子が、立派に成長した姿を見せてくれて、その憧れの気持を次代へと繋げていく。

歴代主人公が総集結のライブは感無量のものとなるし、彼女たちに始まるキッカケをくれた先輩たちが、それを見届けてくれていることに感情が込み上げてしまうのだ。主人公同士の繋がり。先輩後輩の繋がり。沢山の繋がりがあるから生まれた奇跡の舞台アイカツ界の展望を憂えた美月、異なる者同士が交わることで芽生える新たな可能性を示唆していた初代のセカンドシーズン初出の楽曲。あらゆる意味で全てが凝縮されていた集大成のライブ。それが今回の『SHINING LINE*』であったと思います。

夢のようだけど夢じゃない!ここが新たなスタートライン!

らきが目を覚ました後の一連のシーンも凄く良かったなぁ。彼女が生きていくのはやっぱりフレンズ世界になるのだが、姉さあやがらきに与えてくれた夢のような時間は、らきの中にしっかりと残っていて、それがこの先を見据える姫石らきのアイカツを後押しする力になってくれているのがしっかりと伝わってきた。わかばとのフレンズ結成の話を、ここに持ってくるも流石である。

スターハーモニー学園に入学したと思える友希ももねの姿や、現実世界で動ける体を手にしたと思しきココちゃんの姿などもあり、アイカツフレンズの中である種ぼかされていた彼女らの「その後」の可能性を、フレンズ世界の延長線上にあるオンパレードで示してくれた。フレンズ最終回の消化不良感を解消した側面もあり、ゴールのその先にある新しい道を見せてくれたような気もします。

それはフレンズに留まらずアイカツ!やスターズ!においても言えること。らきが夢見るわかばとらきのフレンズ結成描写なんかは、初代最終回でコスモスを結成したいちごとあかりに重なって見える感じもするし、ゆめロラの二人はスターズ最終回での別れのシーンと、今回ラストの再会シーンが対になるような描かれ方をしている。まさにふたりなら最強でしょでしょ、なのです。

最後にリボンを用いた繋がりを示す演出も素敵だったし、歴代作の名シーンと重ねる形で繋がりを示唆する見せ方に魅了されました。本当にシリーズを追ってきたファンが喜ぶことをやってくれる。だから私はアイカツが大好きなんだ。

今週のらきちゃん!ありがとうアイカツオンパレード!

最初は不安もいっぱいあった。らきちゃんの破天荒かつお気楽な性格。歴代のレジェンドたちが集結する本作の中で、果たして存在感を失うことなくアイカツオンパレードの主人公として、その役割を全うできるのか否かと。しかし、一つの終着点に到達した今、姫石らきが主人公で良かったと思えている自分がいる。

最初は自分のことばかりでファンのことをあまり意識せず、時に手痛い目に遭ったり厳しい先輩からの叱咤激励を受けたりもあったけど、色々なことを経験する中で一つ一つ学びながら実践し、集大成イベント「アイカツオンパレード!」を完遂し、今回は遂に自分に憧れの眼差しを向けてくれるこころちゃんを相手に、受け取ったバトンを繋ぐところまで来てくれたのだから。

何より一つ何かを成し遂げてもそこで満足することなく次を見据えている。その未来向きの今を最後に見せてくれたことで、私の中で姫石らきはアイカツシリーズ主人公に連なる存在になってくれた。短い期間ではあったけど濃密度で言えば歴代の中でも屈指。同じ光の中を歩む先輩の輝きに霞むことなく、小さくたって自分だけの輝きを自分だけでなくファンの子に示す程に成長してくれたのだから。

勿論全てを手放しで褒めてるわけでもない。もっとやって欲しかったこととかもある。特に終盤はデータカードダスとの連動が完全なものではなかったり、チェックメイトやエンジェルシスターズやスタアニ等々。フォトカツ楽曲等も含めて期待しつつも実現しなかった新規ステージや復刻ステージもあったし。ただ、それを補って余りある魅力や熱量が本作にあったことは揺らがない。

だから私はオンパレードも大好きだと断言する。ドリームストーリーもあるので正確にはオンパレはまだ終わってないとも言えるが。ただ、難しい側面の方が多いオールスター物でありながら、らきや視聴者に対する歴代のテーマを踏襲したメッセージ性のある内容。可能な限りのキャラに物語上において不可欠となる役回りを与える心意気。遊び心や挑戦心を忘れない気概等々。

これまでやってきたことを大切にしながらも、未知を恐れることなく新しいことに挑戦し、光る未来へ向かおうとする姿勢に最大級の敬意と感謝を。らきちゃんの物語もひとまずはこれにて完結。ドリームストーリーとは別にまた巡り会える日が来ることを夢見て。これでテレビシリーズのアイカツオンパレードの感想を締めたいと思いまする。ありがとうらきちゃん!